トマト
Tomatoナス科。家庭菜園でいちばん人気があり、いちばん失敗の種類が多い野菜でもあります。
結果を分けるのは、土づくり・植えどき・わき芽かき・雨よけの 4 つです。
このうち家庭菜園で効きが大きいのに手が抜かれやすいのが雨よけで、梅雨の疫病と裂果はここでほとんど決まります。
もうひとつ、トマトは元肥(植える前に入れておく肥料)を効かせすぎると花がつかないという、ナスやキュウリとは逆の性質があります。「大きく育てたいから肥料を多めに」が、そのまま失敗になります。
栽培のめやす
- 発芽適温
- 20〜30℃
- 発芽日数
- 5〜7日
- 生育適温
- 15〜30℃
- 土壌 pH
- 6〜6.5
- 株間・条間
- 50cm
- まき深さ
- 5mm
- 連作の間隔
- 3〜4 年
- 植えつけの目安
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本葉7〜8枚で、第1花房の第1花が咲き始めている苗
種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。
育て方
上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。
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土をつくる(植えつけ 2 週間前)
- pH を 6.0〜6.5 に合わせる
- 堆肥 1kg と、ぼかし肥料(米ぬかなどを発酵させた有機肥料)250g を 1 ㎡あたりに入れて混ぜる
- 幅 60cm・高さ 15cm の畝を立てる。水はけの悪い畑ではもう少し高く
- ナス・ジャガイモ・ピーマンを 3〜4 年作っていない場所を選ぶ
- 植えつけの 7〜10 日前にマルチを張って地温を上げておく
元肥は控えめが鉄則。 窒素が効きすぎると葉ばかり茂って実がつきません。足りないぶんは追肥で補えますが、入れすぎは取り返せません。
マルチの色は目的で選びます。地温を上げたいなら黒か透明、アブラムシを減らしたいならシルバー、真夏の高温対策なら白です。 -
植える
最初の花房を、通路側に向けて植える
トマトの花房は、茎に対していつも同じ方向につきます。だから最初の 1 つの向きで、そのあと全部の実の位置が決まります。畑を真上から見た図です。
こう植える苗を買ったら、第 1 花房がどちらを向いているか見てください。その面を通路側にして植えます。
畝を真上から見たところです。実が通路側に並ぶので、立ったまま手前から穫れます。向きを気にせず植えると花房が畝の奥を向くと、収穫のたびに株をまたぐことになります。葉を傷めやすく、実も見つけにくくなります。2 段目、3 段目…の花房も、すべて同じ向きにつきます。最初の 1 つで、そのあと全部の実の位置が決まります。2 段目、3 段目…の花房も、すべて同じ向きにつきます。- 本葉 7〜8 枚で、第 1 花房の 1 番花が咲き始めた苗を選ぶ
- 最低気温 10℃ 以上・地温 15℃ 以上になってから植える
- 最初に咲いた花房が通路側を向くように植える。花房は同じ方向につくので、以降も全部その向きになって収穫が楽になる
- 深植えしない。ポットの土の高さと畝の面を合わせる
- 接ぎ木苗は、接いだところを土に埋めない。青枯病が出た畑では、抵抗性の台木に接いだ苗が現実的な選択肢になります
- 根鉢(ポットから抜いたときの土と根のかたまり)をくずさない
若すぎる苗を植えると肥料を吸いすぎて、葉ばかり茂る「樹ボケ」や、花が落ちる、実の先が黒く腐る「尻腐れ」につながります。逆に育ちすぎた苗は、後半に実が太りません。苗選びがこの野菜のいちばん大きい分かれ目です。
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ネットで覆う
- 植えつけ直後に、目合い 0.8mm の防虫ネットをかけ、銀色のマルチを張る
- ウイルス病(モザイク病)を運ぶアブラムシと、実に入るオオタバコガを入れないためです
- ウイルス病の対策は、ほとんどここで決まります
- 支柱を立てて背が高くなったら覆い続けられないので、そこからは株を見て回るほうへ切り替える
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支柱を立てて誘引する
- 草丈 30cm になったら支柱を立てて、茎を結ぶ
- 2 本を斜めに交差させる合掌式でも、1 本の直立でもよい
- ひもは数回ねじってゆとりをもたせ、8 の字で結ぶ。20〜30cm 間隔
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わき芽をかく
- 主枝 1 本仕立て。葉のつけ根から出るわき芽はすべて取る
- 小さいうちに、手で摘む。 ハサミを使うとウイルス病を株から株へ運びます
- 晴れた日の午前中に。 切り口が早く乾きます
- ミニトマトはわき芽を 1 本残して 2 本仕立てにもできる。その場合は支柱をもう 1 本
遅れて大きくなってしまったときは、まず実のすぐ下の勢いのある枝から取ります。
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実をつけさせる
- 第 1 花房(最初の花のまとまり)の 1 番花に、確実に実をつけさせる。 ここに実がつくと、その後の調子が決まる
- 支柱を軽くたたくか、咲いた花をはじいて振動で受粉させる
- 大玉は 1 房 3〜4 果に摘果する。500 円玉〜ゴルフボール大のときに
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追肥する
- 1 回目は、1 番果が 500 円玉大になったとき。ぼかし肥料を 1 株あたり 30g
- 2 回目から 2〜3 週おきに、ぼかし肥料を 1 ㎡あたり 50g
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雨よけを立てる(梅雨に入る前)
- ビニールで雨を当てないようにする
- 梅雨明け前にわらか干し草を敷いて、土の乾き方をゆるめる
- 疫病と裂果(実が割れること)が出にくくなる
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摘芯する
4〜5 段で摘芯する。上に葉を 2〜3 枚残す
実を何段つけたところで先を止めるか、という話です。背が高くなるほど支柱も誘引も大変になるので、家庭菜園では手の届く高さで切り上げます。
背が高くなるほど支柱も誘引も大変になります。家庭菜園では、手の届く高さで切り上げます。数え方段とは、花と実のまとまり(花房)のことです。茎に沿って下から順に数えます。1. 実のまとまりを下から数える2. 4〜5 段目に実がついたら3. その上の葉を 2〜3 枚残す4. さらに上の茎を手で折る葉を残すのは、実に養分を送るためです。切り口のすぐ上で止めると、実が太りません。
摘芯したあともわき芽は出てくるので、取り続けてください。- 4〜5 段まで実がついたら、その上に葉を 2〜3 枚残して先を止める
- 摘芯したあとも、わき芽は出てくるので取り続ける
ここだけは押さえたい
1. 元肥を効かせすぎない
ナスやキュウリとは逆です。窒素が多いと葉ばかり茂って花がつきません。少なめに入れて、実がつき始めてから追肥(育てながら足す肥料)で補います。
2. 苗は「本葉 7〜8 枚+第 1 花房が咲き始め」で
若すぎても老けすぎてもうまくいきません。買うときにこの状態のものを選んでください。
3. 最初の花房を通路側に向けて植える
花房は同じ方向につくので、最初の向きで収穫のしやすさが決まります。
4. わき芽は手で、晴れた日の午前中に
ハサミはウイルス病を運びます。トマトでは道具を減らすほうが安全です。
5. 梅雨に入る前に雨よけを
疫病は気温 20℃前後の雨続きで出ます。梅雨の畑は、その条件がそのままそろいます。
6. 尻腐れは肥料と水の問題
カルシウム不足だけでなく、窒素過多・高温・水切れが引き金になります。pH を合わせ、元肥を抑え、マルチと敷きわらで土の乾き方をならしてください。
農薬を使わないと、ここが難しい
うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。
ごまかさずに書いておきます。トマトで無農薬がいちばん苦しいのは、病気が出てから止める手が無いことです。
- 疫病 — 予防の手(連作を避ける・窒素を抑える・密植しない・泥はねを止める・雨よけ)はそろっていますが、どれも予防です。出てしまってから有機の資材で止めきれるという裏づけはありません。 だから雨よけにそこまで寄せています
- 青枯病 — 土の中の細菌で、2〜3 年以上残ります。出たあとに回復させる方法はありません。抵抗性の台木に接いだ苗を使うのが、家庭菜園では現実的な選択肢です。ただし接ぎ木苗は、自分で苗を育てたり種を採ったりするやり方とは両立しません
- 尻腐れ — カルシウム不足だけでなく、窒素過多・高温・水切れが引き金になります。有機の肥料は効きがゆるやかで立ち上がりが読みにくいぶん、「元肥は少なく、追肥で補う」という設計そのものが難しさでもあります
- ウイルス病(モザイク病) — アブラムシが運びます。植えつけ直後に目合い 0.8mm の防虫ネットをかけ、銀色のマルチを張る。この病気の対策は、ほとんどここで決まります。 あわせて、わき芽かきは手で折ること(ハサミの刃でも運ばれます)。出てから無農薬で治す手はありません。 出た株は抜いて畑の外へ(→モザイク病 アブラムシ類)
- 虫 — コナジラミ・アザミウマ・ハダニ・オオタバコガが来ます。上の防虫ネットと銀色のマルチが、まとめて効く手です。実に入るオオタバコガは、入られたら手が出せないので、産ませないほうに寄せます(→オオタバコガ)
品種一覧
家庭菜園で栽培実績のある トマト の品種。スコアは 1〜5 段階(収量・耐病・食味)。
よくある質問
わき芽はどこまで取ればいいですか?
すべて取ってください。 葉のつけ根から出てくるものは全部です。残す流儀もありますが、Sofarm は主枝 1 本仕立てで統一しています。ミニトマトだけは、わき芽を 1 本残して 2 本仕立てにしてもよく、その場合は支柱をもう 1 本立てます。小さいうちに手で摘むのがコツで、大きくしてからだと株へのダメージが大きくなります。
葉かきはしたほうがいいですか?
土に近い下葉だけで十分です。 雨で泥が跳ね返る位置の葉を取ると、病気が入りにくくなります。それ以上の葉かきは、どこまでやるべきかの確かな目安がありません。葉を減らしすぎると実が太らなくなるので、迷ったら残してください。
花は咲くのに実がつきません。
肥料が効きすぎていることが多いです。葉が濃い緑で、茎が太く、わき芽の勢いが強いなら、まず窒素過多を疑ってください。追肥を止めて様子を見ます。もうひとつは受粉で、支柱を軽くたたくか咲いた花をはじいて振動を与えると着果しやすくなります。
実の先が黒くへこみました。
尻腐れです。病気でも虫でもなく、カルシウムがうまく実に回っていない状態です。原因はカルシウム不足だけでなく、窒素のやりすぎ、高温、水切れが重なって起きます。その実は戻らないので取って、元肥を抑える・マルチと敷きわらで土の乾き方をならす、で次の実を守ってください。
何段で止めればいいですか?
4〜5 段を目安に、その上に葉を 2〜3 枚残して先を止めます。 資料によって 3 段から 7 段まで幅がありますが、家庭菜園では手の届く高さで止めるのが現実的です。背が高くなるほど支柱も誘引も大変になります。
プランターで作れますか?
作れます。トマトは上に伸びるので、場所をあまり取りません。ただし容量・用土量・水やりの回数・追肥の量について、はっきりした目安が取れていません。畑と同じ考え方(元肥は控えめ、1 番果が 500 円玉大になってから追肥)で始めて、様子を見ながら加減してください。
わき芽を挿して株を増やせますか?
増やせます。 かいたわき芽を水に挿しておくと根が出ます。10cm ほどの元気なものを選び、下の葉を落として水に挿し、明るい日陰に置いてください。根が 3〜4cm 伸びたら畑に植えられます。Sofarm では、空けておいた畝にこうして株を足すことがあります。
ただし遅い時期に増やしても実が入りません。 増やすなら、収穫が始まるころまでにしてください。
種苗法で自家増殖が制限されている登録品種もありますが、制限の対象は業として行う場合なので、家庭菜園で自分のために増やすぶんには問題ありません。
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