アザミウマ類
別の呼び方: アザミウマ、ミナミキイロアザミウマ
体長 1〜2mm の、細長い虫です。スリップスとも呼ばれます。葉や花、実の表面をひっかいて汁を吸うので、食べられた跡が白いかすり傷になって残ります。
ナス・ピーマン・トマト・キュウリ・メロン・ゴーヤ・タマネギ・ニンニク・シュンギク・シソと、品目を選びません。ネギアザミウマ、ミナミキイロアザミウマなど種類はいくつもありますが、家庭菜園で取れる手はほぼ同じなので 1 ページにまとめます。
小さいので、見つけたときにはもう増えています。そしてこの虫は、吸うこと以上にウイルス病を運ぶことのほうが痛い。ナス科では黄化えそ病の媒介者です。数を抑えるというより、畑に居つかせない側で考える相手です。
見分け方
- 葉や花びらに、白〜銀色のかすり傷。進むと傷が褐色になり、ケロイドのような跡になる
- 新芽や若い葉が奇形になる。縮れる、ねじれる、開ききらない
- 実の表面がかさぶた状にざらつく(ナス・ピーマン)
- 花が早く枯れる(シソ)
- 虫そのものは、花を白い紙の上で振ると落ちてきます。細長い 1〜2mm の黄色か褐色の虫が動いていればこれです
出やすい条件
- 気温が上がって乾いた日が続くとき。梅雨が明けてからが本番です
- 春先から収穫まで、途切れずに入ってきます(タマネギ)
- まわりの草が花をつけているとき。そこで育って畑へ移ってきます
- 風通しが悪く、同じ株を長く作り続ける場所
出さないために
- 青い粘着板をつるす。 この虫は青に寄ってきます。株のすぐそばに下げておけば、数の確認と捕殺が同時にできます。黄色でも取れますが、青のほうがよく付きます
- 乾かしすぎない。 梅雨が明けたら株元にわらや刈り草を厚く敷いて、土がからからにならないようにします。同じ条件でハダニも増えるので、ここはまとめて効きます
- まわりの草を花が咲く前に刈る。 発生源を畑の外に置かない
- シルバーのマルチを張る。 光で下から照り返すと、飛んでくる虫が株に降りにくくなります
- ネットは過信しない。 1〜2mm の虫なので、ふつうの防虫ネットは通り抜けます。張るなら裾を土に埋めて隙間をなくし、それでも入る前提で中を見回ってください
出てしまったら
- 傷んだ葉・花は取って畑の外へ。そこに残っていると、そのまま次の世代になります
- 青い粘着板を増やす。数が多いときは、これがいちばん手早い
- 乾いているなら水をやって、敷きわらを足す。乾燥が続くほど増えます
- 新芽が縮れてモザイク状のまだらが出てきたら、ウイルス病に移っています。 その株は治りません。抜いて畑の外へ出してください。残すとアザミウマがそこから病気を運び続けます
- ヒメハナカメムシのような、アザミウマを食べる虫が畑にいます。殺虫剤を使わないかぎり勝手に増えるので、むやみに取らないでください
まちがえやすいもの
- ハダニ類 — 同じく乾燥で増え、葉がかすれます。ハダニは葉の裏に細かい点々とクモの巣のような糸が出ます。アザミウマに糸はありません
- ハモグリバエ類 — 葉の中に白い線が通ります。アザミウマは線にならず、面のかすり傷になります
- うどんこ病 — 白く見えますが、粉がふいています。指でこすると取れるのがうどんこ病です
- コナジラミ類 — 葉を揺すると白い小さな虫がいっせいに飛び立ちます。アザミウマは飛ばずに歩き回ります
よくある質問
葉が白くかすれています。ハダニとどちらですか?
葉の裏を見てください。細かい点々が動いていて、うっすら糸が張っていればハダニです。糸がなく、白い傷が面で広がっていればアザミウマです。どちらも乾燥で増えるので、敷きわらと水やりはそのまま両方に効きます。
防虫ネットをかけているのに入ってきます。
この虫には、ふつうの防虫ネットの目は粗すぎます。体が 1〜2mm しかないので通り抜けます。ネットをやめる必要はありませんが、これだけで止まるとは考えないでください。青い粘着板と、週に一度の見回りを足してください。
青い粘着板はどこに置けばいいですか?
株のすぐそば、葉の高さに合わせてつるします。離れた場所に立てても効きません。付いた数を見ていれば、いつ増え始めたかが分かるので、見回りのきっかけにもなります。
新芽が縮れて、まだらになってきました。
ウイルス病に移っています。この虫が運びます。薬も手当てもなく、その株は元に戻りません。畑の外へ抜いてください。放っておくと、アザミウマがその株から病気を吸い出して、まわりの株へ運びます。