病気 8 品目で報告

疫病

別の呼び方: サトイモ疫病、茎疫病

雨が続くと一気に広がるカビの病気。トマト・ジャガイモ・ピーマン・カボチャ・メロン・スイカ・サトイモ・エダマメに出ます。

19 世紀のアイルランドでジャガイモ飢饉を起こしたのがこの病気だと言えば、勢いが伝わるでしょうか。
いちど条件がそろうと、数日で畑の見た目が変わります。昨日まで元気だった株が、今日は下葉が油じみたように黒ずみ、明後日には茎まで回っている。

条件は 2 つだけです。20℃前後の気温と、濡れていること。
梅雨どきのナス科は、この 2 つがそのまま揃います。だから「出てから何とかする」ではなく、梅雨の前に手を打つ病気として扱います。

写真: Wikimedia Commons/Dwight Sipler from Stow, MA, USA/CC BY 2.0
写真: Wikimedia Commons/Dwight Sipler from Stow, MA, USA/CC BY 2.0

見分け方

  • 下の葉から始まり、上へ広がる
  • 葉に、油がしみたような灰緑色〜褐色の斑。輪郭がぼやけている
  • 湿っていると、斑のまわりに白いカビがうっすら出る
  • 茎に暗褐色の帯ができ、それが茎を一周すると、そこから上が一気に枯れる
  • 実には茶褐色のかたい斑ができて腐る
  • ジャガイモは、掘ったイモの表面に褐色のへこんだ斑
  • サトイモだけは出方が違い、葉の縁に輪が重なったような斑ができて、中心へ広がります。葉柄は軟らかくなって腐ります

出やすい条件

  • 気温 20℃前後。真夏の高温では止まります
  • 雨・曇りが続くとき。 雨よけのないトマトなら梅雨が山
  • 水はけの悪い畑、雨のあとに水が引かない場所
  • 泥が跳ねて下葉にかかること
  • 窒素を効かせすぎて、密に茂っているとき
  • ジャガイモでは、土寄せが遅れて茎を傷つけたとき

出さないために

  1. 雨を当てない。 トマトなら雨よけが最も効きます。これ 1 つで出方がまるで変わります
  2. 畝を高くする。 排水の悪い畑では、まわりに溝を掘って水を逃がす
  3. 泥はねを止める。 マルチか敷きわら。カボチャならつるが 1m 伸びたころに敷き草を入れる
  4. 下葉を落とす。 土に近い葉から始まるので、そこを減らしておく
  5. 窒素を効かせすぎない。株間を広くとる。 風が通れば葉が早く乾きます
  6. ナス科・ウリ科の連作を避ける。 ナス科は 3〜4 年。ウリ科も 3 年を目安に
  7. ジャガイモは土寄せを遅らせない。 傷から入ります
  8. ジャガイモの種イモは買ったものを使う。 自分で残したイモから持ち越します

出てしまったら

  • 出た葉・出た茎は、すぐ取って畑の外へ。残すとそこから胞子が飛び続けます
  • 茎まで回っている株は抜いてください。そこから先は戻りません
  • 広がってから農薬を使わずに止める手はありません。 残りを守るほうに切り替えます
  • 雨の日に作業しない。傷口から入りますし、手で広げます
  • ジャガイモは、葉や茎に広がったら地上部を刈り取る。数日おいて茎が枯れてから掘り上げてください。病気の茎葉がついたまま掘ると、イモに移ります

まちがえやすいもの

  • 灰色かび病 — 灰色のほこりっぽいカビが出ます。疫病の白いカビは薄く、ほこりは立ちません
  • べと病 — 葉の裏に灰色のカビ、斑は葉脈で区切られて角張ります。疫病の斑は輪郭がぼやけ、茎にも回ります
  • 青枯病 — 急にしおれますが、葉に斑は出ません

出やすい野菜

このサイトで扱っている品目のうち、疫病の報告があるものです。全部で毎年出るわけではありません。

よくある質問

梅雨に入ってから、トマトの下葉が黒ずんできました。

疫病の可能性が高いです。油がしみたような、輪郭のぼやけた斑なら、まずこれです。出た葉はすぐ取って畑の外へ出してください。残しておくと数日で上まで広がります。

雨よけは本当に必要ですか?

梅雨どきのトマトでは、これがいちばん効きます。ほかの手を全部やるより効きます。簡易なもので構わないので、梅雨に入る前に立てておいてください。

茎が黒くなって、その上が枯れました。

その株は戻りません。抜いて畑の外へ出してください。茎を一周してしまうと、水が上がらなくなります。残りの株を守るほうに切り替えます。

ジャガイモはいつ掘ればいいですか?

葉や茎に広がったら、まず地上部を刈り取ってください。そのあと数日おいて、茎が枯れてから掘り上げます。病気の茎葉がついたまま掘ると、イモに移ります。