青枯病
トマトとナスの、いちばん厳しい病気です。土の中の細菌が根から入り、水の通り道をふさぎます。
名前のとおり、葉が緑色のまましおれて枯れます。黄色くならない。しおれているのに色は青々している。これが不気味で、見分けのしるしでもあります。
厳しいと書いたのは、手当てが無いからです。出た株は治りません。しかも菌は土の中で 2〜3 年以上生き残ります。収穫の盛りに、元気だった株が数日で枯れる。家庭菜園でいちばんこたえる失敗のひとつです。
だから Sofarm は、この病気を出てから考える相手ではなく、植える前に決着をつける相手として扱います。接ぎ木苗を買うこと、場所を選ぶこと。手はこの二つです。
見分け方
- 葉が緑色のまましおれる。 黄色くならないのが最大のしるしです
- 晴れた日の昼にしおれて、朝と夕方に戻る。 これを 2〜3 日繰り返したあと、戻らなくなって枯れます
- 株全体、または片側の枝だけが、いっせいにしおれます。下葉から順に、ではありません
- 進行が速い。数日で枯れます
- 確かめ方:枯れた株の地際を切って、切り口を透明なコップの水に浸けてください。切り口から白く濁った筋がゆらゆらと流れ出てきたら、青枯病です。これは菌そのものなので、まず間違いありません
- 茎を縦に割ると、中心の筋が褐色になり、押すと白い汁がにじみます
出やすい条件
- 夏の高温期。 気温と地温が上がるほど激しくなります
- 一度出た畑。菌は土の中で 2〜3 年以上生きます
- 水はけが悪く、雨のあとに水が引かない場所
- 根が傷ついたとき。深く耕したり、株元を動かしたりして根を切ると、そこから入ります
- ナス科(トマト・ナス・ピーマン・ジャガイモ)を続けて作っている場所
出さないために
- 接ぎ木苗を買う。 これがいちばん確実です。青枯病に強い台木に接いだ苗が売られています。ナスなら赤ナス、トルバム、ビガー、台太郎といった台木が使われます。自根の苗より高いですが、一度出た畑では値段の差を取り返します
- ナス科を 3〜4 年作っていない場所を選ぶ。 トマト・ナス・ピーマン・ジャガイモは全部同じ仲間です。去年ジャガイモを掘った畝は、ナス科を作った畝です
- 高畝にして、浅く植える。 水はけと、根まわりの通気を確保します。深植えはしない
- 日当たりと排水のよい場所を選ぶ。 雨のあとに水たまりが残る場所は外してください
- 株元の土を動かさない。 中耕や土寄せで根を切ると、そこが入り口になります。株のまわりはマルチか敷きわらで覆って、触らずに済ませる
- 道具と長靴の土を、別の畝へ持ち込まない
出てしまったら
- その株は治りません。 見つけ次第、根ごと抜いて畑の外へ出してください。残すと土の中の菌が増えます
- 抜くときに根のまわりの土も一緒に取る。 菌はそこに濃く残っています
- 抜いたあとの穴を、まわりに広げない。使った道具は洗ってください
- 残った株に効く手当てはありません。元気なうちに収穫を進めてください
- その畝では、来年ナス科を作らない。 3〜4 年あけるのが目安です。あいだにイネ科の緑肥を入れておくと土の状態もよくなります
- 抜いた株を堆肥に入れない
まちがえやすいもの
- 萎凋病・半身萎凋病 — 同じくしおれますが、下葉から黄色くなってから進みます。青枯病は緑のままです。進行も青枯病のほうが速い
- 疫病 — 茎や葉に暗い褐色の病斑ができ、湿ると白いカビが見えます。青枯病に病斑もカビもありません
- 水切れ — 水をやれば戻ります。青枯病は、最初の 2〜3 日は朝に戻りますが、やがて戻らなくなります
- 立枯病 — 地際が褐色になって腐ります。青枯病の地際は、外から見ると正常なことが多い
- ネキリムシ — 茎が切られています
よくある質問
元気だったトマトが、数日で枯れました。
青枯病の可能性があります。確かめ方があります。枯れた株の地際を切って、切り口を透明なコップの水に浸けてください。白く濁った筋がゆらゆらと流れ出てきたら、青枯病です。残念ですが、その株は治りません。根ごと抜いて、畑の外へ出してください。
葉が黄色くならずにしおれました。水切れですか?
水をやっても、翌日の昼にまたしおれるなら水切れではありません。青枯病は、はじめの 2〜3 日は朝夕に戻るので、水切れと見間違えます。戻らなくなったら確定だと思ってください。
一度出た畑で、来年もトマトを作れますか?
同じ畝ではやめてください。菌は 2〜3 年以上生きます。どうしても作りたいなら、接ぎ木苗を使ってください。自根の苗を植えると、ほぼ同じことが起きます。場所を変えられるなら、ナス科を 3〜4 年作っていない畝を選ぶのが本筋です。
接ぎ木苗なら絶対に大丈夫ですか?
絶対ではありませんが、自根の苗とは比べものになりません。接ぎ木苗を使ったうえで、高畝にして浅く植え、株元の土を動かさない。この三つをそろえれば、一度出た畑でも作れます。
隣の株は大丈夫ですか?
見ただけでは分かりません。菌は土の中を移動するので、同じ畝の株はすでに触れている可能性があります。抜いた株の土を広げないようにして、元気なうちに収穫を進めてください。