葉かび病・すすかび病
別の呼び方: 葉かび病、すすかび病
葉の裏に、ビロードのような褐色〜灰褐色のカビが生える病気です。トマトとナスに出ます。葉かび病とすすかび病は別の菌ですが、見え方も条件も打つ手も同じなので 1 ページにまとめます。
この病気は、覆われた場所の病気です。雨よけ、トンネル、ハウス。風が止まって湿気がこもると出ます。露地で雨に当てて育てているぶんには、ほとんど出ません。つまり、雨よけをしているからこそ出るという、少しひねくれた相手です。
実そのものは腐りません。ただし葉を失えば実は太らず、味も乗りません。長く採り続ける野菜なので、葉を何枚残して秋まで持たせるかが勝負になります。
もうひとつ。種でも、前の年の葉でも越します。 自家採種と、片づけの手抜きが、翌年の初発になります。
見分け方
- 葉の裏に、褐色〜灰褐色の、ビロードのようなカビの層。指でこすると粉がつきます
- 葉の表は、その裏側にあたるところが黄色っぽいぼんやりした斑になります。輪郭がはっきりしません
- 下葉から始まって、上へ上がっていきます
- 進むと葉が巻いて垂れ、枯れて落ちます
- 気温がそれほど高くない時期でも出ます。涼しいからといって油断できません
- 実に病斑は出ません
出やすい条件
- 雨よけ・トンネル・ハウスの中。 露地よりはっきり出ます
- 気温 23℃ 前後。真夏より、春と秋のほうが合っています
- 換気をしていないとき。夜に湿気がこもったとき
- 株が込みあって、下のほうに風が入らないとき
- 窒素が効きすぎて、葉が厚くやわらかく茂っているとき
- 自分で採った種を使ったとき。 種でも移ります
- 前の年の葉を畑に残したとき。そこで越年します
出さないために
- 昼のあいだ換気する。 雨よけやトンネルの裾を上げて、中の空気を動かしてください。これがいちばん効きます
- 下葉をかく。 収穫が進んだら、下のほうの葉を落として風を通す。実の付いている段より下は、思いきって落として構いません
- 株間を広くとる。 込ませないこと。雨よけの中ではとくに
- 水は株元へ。 葉を濡らさない
- 窒素を効かせすぎない。 厚くやわらかく茂った葉ほど来ます
- 自分で採った種を使い続けない。 種で持ち越します
- 前の作の葉と茎を、畑に残さない。 片づけがそのまま翌年の予防になります
出てしまったら
- 出た葉は取って畑の外へ。 裏にカビがついた葉を残すと、そこから上へ上がります
- 下葉をまとめて落として、風を通す。葉を惜しむと全体を失います
- 換気を増やす。 裾を上げる、昼のあいだ開ける。いまできるいちばん手早い手です
- 作業は晴れた日に。葉が濡れているときに触ると、手と道具で広げます
- 広がりきってから、農薬を使わずに止める手はありません。収穫を急いで、残りかすを片づけてください
まちがえやすいもの
- べと病 — 葉の裏に灰色のカビという点は似ますが、表の斑が葉脈で区切られて角張ります。葉かび病の斑はぼんやりしています
- うどんこ病 — 白い粉が葉の表に出ます。葉かび病は裏です
- 灰色かび病 — 傷んだところにふわっとした灰色のカビが生えます。葉かび病は、健全な葉の裏に層になって出ます
- ハダニ類 — 葉がかすれて、裏に細かい点々と糸。カビの層にはなりません
- 肥料切れ — 下葉から均一に黄色くなります。葉かび病は斑から始まります
よくある質問
葉の裏に褐色のカビが出ました。べと病ですか?
葉の表を見てください。斑が葉脈で区切られて角張っていればべと病、輪郭がぼんやりした黄色い斑なら葉かび病・すすかび病です。トマトとナスなら、まず葉かび病の仲間を疑ってください。どちらにしても、換気と下葉かきがそのまま対処になります。
雨よけをやめたほうがいいですか?
やめないでください。雨よけは疫病のような、もっと厄介な病気を防いでいます。やめるのではなく、昼のあいだ裾を上げて換気してください。この病気は、覆ったまま空気を動かさないときに出ます。開け閉めの手間が、そのまま予防になります。
下葉はどこまで落としていいですか?
実の付いている段より下は、落として構いません。葉を惜しむと、風が入らずに全体へ広がります。落とした葉は畑に残さず、外へ出してください。裏にカビがついた葉を地面に置くと、そこから上がってきます。
毎年同じ時期に出ます。
種か、前の年の葉を疑ってください。この病気は種でも、畑に残した葉でも越します。自分で採った種を使い続けているなら、いちど買った種に戻してください。作が終わったら、葉と茎を畑の外へ出して片づけてください。