コマツナ
Komatsunaアブラナ科。家庭菜園でいちばん手早く結果が出る葉物です。暖かい時期なら、まいてから 20〜30 日で穫れます。
育つ温度の幅が広いのも特徴です。5〜35℃ で育ち、0℃ 前後になっても枯れません。春から秋まで切れ目なくまけて、保温すれば冬も穫れます。
肥料は元肥だけ。追肥はしません。 畑にいる期間が短いので、元肥で走りきります。足りない気がしても足さないほうが、虫を呼ばずに済みます。
つまずくところは、ほぼ一点に絞られます。虫です。
コマツナは葉そのものを食べる野菜です。ハクサイやブロッコリーなら「外葉が少し食われても中身は無事」で済みますが、コマツナにその逃げ道はありません。食われた分が、そのまま穫れない分になります。だから、出てから退治するのではなく、入れない段取りを先に作ります。
もうひとつ、まく前に知っておきたいのが とう立ちの仕組みです。種が水を吸って芽を出したころから低温に反応します。本葉 4 枚までのあいだに 13℃ 以下が続くと、花芽ができて大きくなる前にとう立ちします。寒い時期にまくなら、トンネルや不織布で 5℃ 以上に保ってください。
写真はイメージです(生成画像)。Sofarm の圃場写真は準備中です。
栽培のめやす
- 発芽適温
- 20〜25℃
- 発芽日数
- 2〜4日
- 生育適温
- 15〜25℃
- 土壌 pH
- 弱酸性〜中性
- 条間
- 20cm
- 畝幅・畝間
- 60cm
- 畝の高さ
- 10cm
- まき深さ
- 1cm
- 株間
- 4〜6cm
- 連作の間隔
-
2 年
根こぶ病が出た畑では 3 年以上あける
種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。
育て方
上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。
-
土をつくる
- まく 2 週間以上前に、石灰を 1㎡ あたり 100g。pH 6.0〜6.5 に合わせる
- まく 1 週間前までに、完熟堆肥 2kg と有機質肥料 300g を 1㎡ あたり
- 元肥だけで作る野菜です。 ここで入れ損ねると、あとから取り返せません
- ただし入れすぎない。 多肥はべと病を呼び、虫も寄ります
- 前の野菜の肥料が残っていそうなら、そのぶん減らす
- 幅 60cm・高さ 10cm の畝を立てて、水がたまらないよう平らにならす
- ハクサイ・キャベツなど、ほかのアブラナ科を作った場所は避ける
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まく
- 深さ 1cm のまき溝を切る。溝と溝は 20cm あける
- 1cm 間隔で条まき。ばらまきにしない(間引くときに手が入りません)
- 覆土は 5mm
- かぶせたら、板か手のひらで押さえる。 土の水分が逃げなくなります
- 土を固めない程度に、ていねいに水をやる
-
すぐネットをかける
防虫ネットは、裾の処理で決まる
かけたのに虫が入っていた、という失敗はほぼ裾です。上からかぶせただけでは、虫は下から歩いて入ります。
裾を外に出して、土をかぶせる裾を 10cm ほど外にはみ出させて、はみ出した部分すべてに土をのせます。
全周に土をのせれば、歩いて入る虫も、潜り込む虫も止められます。押さえただけ重しで押さえるだけだと、風でめくれて隙間ができます。
穴が 1 か所あれば、かけていないのと同じことになります。かけ方の決めごと・まいた直後にかける。芽が出てからでは遅い・目合いは 0.6mm。1mm では小さい虫が通ります・支柱を 1m 間隔で立てて、トンネル状に浮かせる。葉に触れていると、その上から卵を産まれます・ネットは水も空気も通すので、上から水をやってかまいません農薬を使わない作り方では、このネットが対策の中心になります。裾の処理に時間をかけてください。- まいた直後にかける。芽が出てからでは遅い
- 目合い 0.6mm。支柱を 1m 間隔で立ててトンネル状に
- 裾は U ピンで留めるか、土をかぶせて隙間をなくす
- ネットは水も空気も通すので、上から水をやってかまいません
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寒い時期は保温する
- 本葉 4 枚までのあいだに 13℃ 以下が続くと、とう立ちします
- 晩秋から春にかけては、トンネルか不織布で 5℃ 以上に保つ
- 暑い時期は逆に、遮光の資材で高温と乾燥を防ぐ
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間引く
- 2 回に分けて。最終の株間 5cm
- 混みあったままだと風が通らず、虫と病気の両方を呼びます
- 間引いた株も食べられます
-
水をやる
- 芽が出るまでは乾かさない
- 育ってきたら、やや乾かし気味に。 多湿だとひょろ長く伸びて、病気も出ます
-
穫る
- 草丈 20〜25cm になったら。 株ごと抜くか、株元を切る
- 迷ったら早めに穫る。 やわらかくて失敗しません
- 遅らせると葉が硬くなり、とう立ちも近づきます
ここだけは押さえたい
1. まいた直後にネットをかける
芽が出てからでは、もう入られています。キスジノミハムシもコナガも、双葉のうちから来ます。これがこの野菜のほぼすべてです。
2. 目合いは 0.6mm
0.8mm だとアブラムシとハモグリバエが入ります。細かいぶん風通しは落ちますが、畑にいる期間が短いので、蒸れる前に穫り終わります。
3. 裾に隙間を作らない
U ピンで留めるか、土をかぶせる。上からかけただけでは、裾から入られます。
4. 追肥はしない
元肥だけで走りきります。足すと虫を呼びます。
5. 入れすぎない
肥料が多いとべと病が出ます。前の野菜の残りも見てください。
6. 混ませない
光を好む野菜です。混むと葉数が減り、葉も小さくなります。間引きを遅らせないでください。
7. 寒い時期は保温する
本葉 4 枚までに 13℃ 以下が続くと、大きくなる前にとう立ちします。
8. 早めに穫る
草丈 20〜25cm。迷ったら早いほうです。
農薬を使わないと、ここが難しい
うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。
この野菜は葉そのものを食べます。ハクサイやブロッコリーのように「外葉が食われても中身は無事」という逃げ道がありません。食われた分が、そのまま穫れない分になります。
- キスジノミハムシ — 葉を針で突いたような小さな穴がたくさんあきます。この野菜でいちばん多い被害です。幼虫は土の中で根も食べます。まいた直後に 0.6mm のネットをかけ、畑のまわりのアブラナ科の雑草(ナズナなど)を刈っておく。作っていない期間も含めて(→キスジノミハムシ)
- コナガ — 葉の裏から食べるので、表皮が薄い膜のように残ります。薬が効きにくくなった相手で、農薬を使う栽培でも手こずります。ネットで入れないのが基本です(→コナガ)
- アオムシ — 葉に穴があきます。若いうちは見つけやすいので、見回って取る(→アオムシ)
- アブラムシ類 — 葉裏と新芽に群がります。0.8mm のネットでは入るので 0.6mm(→アブラムシ類)
- ヨトウムシ — 若いうちは集団でいます。その葉ごと取る(→ヨトウムシ類)
- ハモグリバエ類 — 葉に白い筋の模様が出ます。葉を食べる野菜なので、見た目がそのまま損になります(→ハモグリバエ類)
- 白さび病 — 葉の裏に、白く盛り上がった斑点が出ます。混ませないこと、風を通すこと。雨よけができれば、かなり防げます(→白さび病)
- べと病 — 外葉から黄色くなり、裏に灰色のカビがつきます。窒素を効かせすぎない、株間をとる(→べと病)
- 萎黄病 — 葉脈が網目状に黄色くなって枯れます。連作で土にたまるので、出た畑ではアブラナ科を続けない
- 根こぶ病 — 根がこぶだらけになります。酸性の土で出やすいので、石灰で pH を 6.0〜6.5 に。出た畑では 3 年以上あける(→根こぶ病)
- 立枯病 — 本葉数枚のころ、地際から枯れます。芽が出たあとの水のやりすぎが原因です(→苗立枯病)
虫も病気も、まく前と、まいた直後の段取りでほとんど決まります。出てからできることは多くありません。
出やすい病害虫
コマツナで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。
虫
見つけたら早いほど楽ですほかに 4 件の報告があります。
生理障害
虫でも病気でもなく、環境が原因で起きるものよくある質問
葉に小さな穴がたくさんあきました。
キスジノミハムシです。この野菜でいちばん多い被害で、葉を針で突いたような穴があきます。
小さくてよく跳ねるので、見つけても捕まえられません。土の中では幼虫が根も食べています。
できるのは、入れないことです。まいた直後に目合い 0.6mm の防虫ネットをかけ、裾に隙間を作らないこと。あわせて、畑のまわりのアブラナ科の雑草(ナズナなど)を刈っておくと減ります。作っていない期間も含めて、です(→キスジノミハムシ)。
葉の裏が薄い膜のようになっています。
コナガです。葉の裏から食べるので、表側の皮が残って膜のように見えます。
薬が効きにくくなった相手で、農薬を使う栽培でも手こずります。ネットで入れないのが基本です(→コナガ)。
追肥はしなくていいのですか?
しません。元肥だけで走りきります。
畑にいる期間が短い野菜なので、追肥は要りません。足りない気がしても足さないほうが、虫を呼ばずに済みます。
肥料が多いと、べと病も出やすくなります。前に作った野菜の肥料が残っていそうなら、元肥のほうをそのぶん減らしてください。
大きくなる前に花が咲いてしまいました。
とう立ちです。コマツナは、芽が出たころから低温に反応します。
本葉 4 枚までのあいだに 13℃ 以下が続くと、花芽ができます。 日の長さではなく、低温で起きます。
寒い時期にまくなら、トンネルか不織布をかけて 5℃ 以上に保ってください。「とう立ちが遅い」と書かれた品種を選ぶ手もあります。
葉の裏に白い斑点が出ました。
白さび病です。葉の裏に、白く盛り上がった斑点が出ます。
混みあっていると出ます。間引きを遅らせないこと、風を通すこと。雨が当たらないようにできれば、かなり防げます(→白さび病)。
プランターでも作れますか?
作れます。根は深く張らないので、深さ 15cm ほどあれば足ります。条間 15cm が取れる幅のプランターを選んで、同じように条まきしてください。ベランダでも虫は来るので、ネットは畑と同じようにかけます。
まいてから何日で穫れますか?
季節でまったく違います。夏の高温期は 20〜30 日、春と秋は 30〜40 日、冬は 60〜90 日が目安です。「30 日で穫れる野菜」と紹介されることが多いのですが、それが当てはまるのは暖かい時期だけです。
夏にまいても大丈夫ですか?
まけます。コマツナは春から秋まで切れ目なくまける数少ない野菜で、真夏もその範囲に入ります。ただし夏は生育が速いぶん虫の勢いも強いので、ネットは必須です。暑さで徒長しやすいので、少し薄めにまいて風を通してください。地域ごとのまきどきは、このページの育成カレンダーで確かめてください。
間引かないとどうなりますか?
株が細く立ち上がって、葉が小さいまま混みあいます。風が通らないので虫がつきやすく、病気も出やすくなります。最終株間 4〜6cm を目安に、2 回くらいに分けて間引くと無理がありません。
無農薬で虫に食われずに育てるには?
まいた直後に防虫ネットをかけて、裾に隙間を作らないこと。これがほぼすべてです。芽が出てからかけても、もう中に入られていることがあります。あわせて、前作の残渣を片づけておくと持ち越しが減ります。それでも食われることはありますが、無農薬で通すならまずネットの段取りを優先してください。