病気 7 品目で報告

根こぶ病

別の呼び方: アブラナ科根こぶ病

アブラナ科の根にこぶをつくる病気。キャベツ・ハクサイ・カブ・ミズナ・チンゲンサイ・コマツナ・ラディッシュに出る。

地上から見ると「昼にしおれて、朝には戻る」をくり返し、やがて育たなくなります。
抜いてみると根がこぶだらけになっていて、はじめて分かります。

いちばんやっかいなのは、菌が土の中に 5〜10 年残ることです。一度出た畑はしばらく尾を引きます。
だから「出たら対処」ではなく、畑の条件を変える病気として扱います。幸い、効くことがはっきりしている条件が三つあります。酸性、水はけ、連作です。

写真: Wikimedia Commons/Rasbak/CC BY-SA 3.0
写真: Wikimedia Commons/Rasbak/CC BY-SA 3.0

見分け方

  • 日中にしおれ、夕方から朝にかけて戻る。 これが続く
  • 生育が遅れ、株がそろわない
  • 抜くと根にこぶ。苗のうちに感染していれば主根に大きなこぶ、植えてからなら側根に小さなこぶが多数
  • カブでは、太らせる部分そのものが変形する

出やすい条件

  • 酸性の土。pH 4.6〜6.5 でよく出て、7.4 以上ではほぼ出ない
  • 地下水位が高い畑・排水の悪い畑。畝間に水をためたり、大雨で水に浸かったりすると広がる
  • アブラナ科の連作
  • 地温 18〜25℃ がいちばん出やすい
  • 菌は地中 15cm くらいまでに多くいて、土ごと持ち運ばれて広がる

出さないために

  1. 土の酸性を直す。 土の pH を測り、石灰で 7.5 を目安に上げる。アブラナ科が好むのは pH 6.0〜6.5 なので、作物の適正域より上げることになる。それでもこの病気が出た畑では、こちらを優先する
  2. 高い畝にする。 水が引かない畑では、まずここ
  3. アブラナ科を続けて作らない。 イネ科(エンバクなど)を挟み、3 年以上あける
  4. CR 品種を使う。 種袋に「CR」と付いているものは、この病気に抵抗性がある
  5. 収穫のときに根を畑に残さない。 こぶごと持ち出す
  6. 夏に畑が空くなら、水をまいて透明なビニールで覆い 30 日ほど置く(太陽熱消毒)。ただし効くのは表層まで。終わったあとに耕さない。 深いところの土が表面に出てきて、やった意味が半分になる
  7. おとり作物を使う。 CR の葉だいこんをまいて早めに抜くと、土の中の菌の数が減る
  8. 完熟堆肥を入れて、土そのものを水はけのよい状態に近づける

出てしまったら

  • その株は治らない。抜いて畑の外へ出す
  • その年の収穫は諦めて、次の作に向けて土を直すほうに切り替える
  • こぶのついた根をすき込まない。菌を増やすことになる
  • 使った道具と長靴の土を落としてから、ほかの畑に行く

まちがえやすいもの

  • ネコブセンチュウ — こぶがもっと小さく数珠のように並ぶ。アブラナ科以外にも出る
  • 根粒(マメ科) — こちらは有益なもので、そもそもアブラナ科にはつかない
  • 水切れ — 昼にしおれて朝に戻るのは同じ。水をやっても変わらないなら根を疑う

出やすい野菜

このサイトで扱っている品目のうち、根こぶ病の報告があるものです。全部で毎年出るわけではありません。

よくある質問

一度出た畑では、もうアブラナ科は作れませんか?

作れます。ただし何もしないで同じように作ると、また出ます。石灰で pH を上げる、畝を高くする、CR 品種を使う。この 3 つを合わせると、出た畑でも穫れるところまで戻せます。

石灰はどれくらい入れればいいですか?

畑の土質で必要量がまったく違うので、量ではなく pH を測って決めてください。安い測定キットで足ります。目標は 7.5 を目安に。入れすぎると今度は別の欠乏が出るので、測らずに大量に入れるのは避けてください。

昼にしおれて朝に戻ります。水が足りないのでは?

まず水をやってみてください。それで変わらないなら根を疑います。1 本抜いて、根にこぶがあるかを見るのが早いです。こぶがあれば、水の問題ではありません。

こぶのついた株は、抜いてどうすればいいですか?

畑の外へ持ち出してください。すき込むと菌を増やすことになります。収穫のときも、根を畑に残さずこぶごと持ち出すのが大事です。長靴や道具についた土も、落としてからほかの畑へ移動してください。