病気 7 品目で報告

萎黄病・萎凋病

別の呼び方: 萎黄病、萎凋病

土の中のカビが根から入り、株の水の通り道をふさいでしまう病気です。葉が黄色くなり、しおれ、やがて枯れます。キャベツ・カブ・コマツナ・ダイコン・ミズナといったアブラナ科と、ホウレンソウ、イチゴに出ます。

名前は品目によって萎黄病だったり萎凋病だったりしますが、起きていることは同じです。根から入って、茎の中を通って、上がってくる。

この相手の厳しいところは二つあります。ひとつは、出た株は治らないこと。もうひとつは、暑い時期に出ることです。発病に向いている気温は 26〜30℃。夏にまいた葉物でいちばん損をする病気で、ホウレンソウでは夏作の最大の壁になっています。

見分け方

  • 下の葉から黄色くなっていく。最初は片側だけ、葉脈にそって網目状に黄ばむことが多い
  • 黄ばんだ側にねじれるように、株がかたむいて育つ
  • 昼にしおれて夕方に戻る、を何日か繰り返したあと、戻らなくなる
  • 株を抜いて、茎や主根を縦に切ってみる。 中心部の筋(水の通り道)が褐色に変わっていればこれです。ここが決め手です
  • 畑全体ではなく、株ごとにばらばらに出ます。隣は元気なまま、ということが起きます
  • 連作している場所ほどはっきり出ます

出やすい条件

  • 気温が 26〜30℃ のころ。 夏まき・夏どりの葉物がいちばん危ない
  • 同じ科のものを同じ場所で作り続けたとき。連作圃場で広く出ます
  • 水はけが悪く、根が傷んでいるとき
  • 苗のうちに持ち込まれることがあります。イチゴは育苗のあいだに入ります
  • 一度出た畑の土は、何年も菌を抱えます

出さないために

  1. 暑い盛りに、同じ場所で続けて作らない。 これが最大の分かれ目です。連作を切るだけで出方が変わります
  2. 畝を高くして、水を抜く。 根が傷んでいると入られます。雨のあとに水が引かない場所では作らない
  3. 抵抗性のある品種を選ぶ。 キャベツ・コマツナ・ホウレンソウには、この病気に強い品種があります。連作せざるを得ない場所ではここに頼ってください
  4. 残りかすを畑に残さない。 収穫後の根と下葉は抜いて外へ出す。すき込むと菌が残ります
  5. イチゴは苗から持ち込まれます。 親株は 2〜3 年で更新し、健全な苗だけを使う。同じ場所での育苗は 2〜3 年あけ、雨に当てず泥はねを避けてください
  6. 夏に畑を空けられるなら、太陽の熱で土を焼く。 水をたっぷりやってから透明フィルムで地面を密着させて覆い、ひと月ほど置きます。地表から 30cm で 40℃ を保てるのが目安です。フィルムが浮いていると効きません

出てしまったら

  • 出た株は治りません。 見つけ次第、根ごと抜いて畑の外へ出してください。残しても回復せず、土の中の菌を増やすだけです
  • 抜いた穴のまわりの土は、他の畝へ移さない。道具と長靴の土も落としてください
  • 残った株に効く手はありません。収穫できるものは早めに採って、その作は切り上げたほうが損が少ない
  • 次に何を作るかで勝負が決まります。 その畝はアブラナ科(ホウレンソウならヒユ科)を外し、2〜3 年あけてください

まちがえやすいもの

  • 根こぶ病(アブラナ科) — 同じように黄色くなってしおれますが、抜くと根に大きなこぶがあります。萎黄病の根にこぶはできません
  • つる割病(ウリ科) — 同じ仲間の菌で、起きていることもほぼ同じです。ウリ科ならそちらのページへ
  • 立枯病 — 黄色くなるより先に、地際が茶色くなって腐ります。萎黄病は地際ではなく、茎の中の筋が褐色になります
  • 肥料切れ — 下葉から均一に薄くなります。萎黄病は片側だけ黄ばんだり、株ごとにばらついたりします
  • センチュウ — 生育がそろわない点は似ますが、根にこぶや黒ずみが出ます

出やすい野菜

このサイトで扱っている品目のうち、萎黄病・萎凋病の報告があるものです。全部で毎年出るわけではありません。

よくある質問

下葉が黄色くなってしおれます。肥料不足ですか?

株を 1 本抜いて、茎を縦に割ってみてください。中心の筋が褐色に変わっていれば、この病気です。肥料切れなら筋は白いままで、黄色くなり方も下葉から均一です。また、この病気は株ごとにばらつき、隣が元気なまま 1 本だけ枯れます。

出た株を抜けば、残りは助かりますか?

残りの株がすでに感染しているかどうかは、見ただけでは分かりません。抜くのは、土の中の菌をこれ以上増やさないためです。残った株に効く手当てはないので、収穫できるものは早めに採って、その作は切り上げてください。

夏まきのホウレンソウが毎年やられます。

夏はこの病気にとっていちばん条件のいい時期です。連作を切るのが先ですが、それでも出るなら、作る時期を涼しいほうへずらすのがいちばん確実です。どうしても夏に作るなら、抵抗性のある品種を選んで、高畝で水を抜いてください。

一度出た畑は何年あければいいですか?

2〜3 年が目安です。ただし菌はそれ以上長く残るので、同じ畝に戻すときは抵抗性のある品種を選んでください。あいだにイネ科の緑肥を一度入れておくと、土の状態そのものがよくなります。