病気 11 品目で報告

軟腐病

地際から腐って、強いにおいを出す細菌の病気です。
ハクサイ・ダイコン・レタス・ミズナ・チンゲンサイ・コマツナ・ニンジン・タマネギ・サトイモ・ジャガイモ・ズッキーニに出る。結球するもの、根や芋を太らせるものが中心。

この病気がやっかいなのは、収穫間際に来ることです。
結球が仕上がったハクサイが、株元から崩れて使えなくなります。手をかけた時間のぶん痛い。

入口がはっきりしている相手でもあります。菌は自分で傷をつけられないので、虫の食害痕か、作業でつけた傷から入ります。だから打つ手も決まってきます。

写真: Wikimedia Commons/Scot Nelson from USA/CC0
写真: Wikimedia Commons/Scot Nelson from USA/CC0

見分け方

  • 地際・株元が水がしみたようになり、褐色になって軟らかく崩れる
  • においで分かる。 ほかの腐りと違い、はっきり不快なにおいがする
  • レタスでは株が突然しおれ、茎の芯がゼリー状になる
  • サトイモは茎が腐り、葉が水にひたしたようにしおれる。貯蔵中の芋から次々に広がる
  • タマネギは株が黄色くなって立ち枯れたようになる

出やすい条件

  • 気温 22〜30℃。高温期と、雨が続いたとき
  • 台風や大雨のあと。泥が跳ねて葉や傷にかかる
  • 排水が悪く、水が引かない畑
  • 連作している畑(土の中の菌が増えている)
  • 虫に食われた痕、収穫や間引きでつけた傷、土寄せが遅れて傷めた茎

出さないために

  1. 畝を立てる。 高さ 15cm を基本に、水が引かない畑ではもう少し高くして排水路をつくる
  2. 泥はねを止める。 マルチか敷きわらを敷く。菌は土と一緒に跳ねてくる
  3. 虫を入れない。 ネットで食害痕をつくらせない。虫対策がそのまま軟腐病対策になる
  4. 傷をつけない。 葉をかき分けて作業しない。土寄せは遅らせない
  5. 連作しない。 イネ科かマメ科を挟んで 3〜4 年あける
  6. 収穫が近づいたら水やりを控え、土をやや乾き気味に保つ

出てしまったら

  • 治らない。見つけたらすぐ抜いて畑の外へ出す。残すとまわりに移る
  • 抜いたあとの手と道具を洗ってから、次の株にさわる
  • 貯蔵しているものは、こまめに見て腐ったものを取り除く。1 つから全部に広がる
  • 抜いた株や葉の残りを畑にすき込まない

まちがえやすいもの

  • 菌核病 — 同じように株元が腐るが、白いカビと黒い粒(菌核)が出て、においはしない
  • 根腐れ — 水のやりすぎで根が傷むもの。株元は崩れず、においもない
  • においがあるかどうかが、いちばん早い見分けどころ
  • ただしレタスには、においのしない「腐敗病」という別の細菌の病気もある。葉のふちや霜にやられたところから水がしみたように腐り、乾くと褐色の紙のようになる。においがしないならそちらを疑う

出やすい野菜

このサイトで扱っている品目のうち、軟腐病の報告があるものです。全部で毎年出るわけではありません。

よくある質問

一株だけ腐りました。まわりは無事ですか?

まだ無事なことが多いですが、放っておくと移ります。すぐ抜いて畑の外へ出してください。抜いたあとは手と道具を洗ってから、次の株にさわります。土の跳ね返りでも広がるので、そのあと雨が続くときはとくに見回ってください。

悪臭がしますが、腐った部分を切り落とせば食べられますか?

おすすめしません。見た目で分かるより先に、内側へ進んでいることが多い病気です。結球しているものは中まで入っていることがあります。においがするものは使わないでください。

畝を高くすれば防げますか?

大きいところを 1 つ押さえられます。ただしこの菌は傷から入るので、畝だけでは足りません。虫に食わせない(ネット)、作業で傷つけない、泥を跳ねさせない(マルチ)。この 3 つとセットにしてください。

保存していたタマネギやサトイモが腐りました。

収穫前に感染していたものが、貯蔵中に出てきた形です。収穫したら天日でしっかり乾かし、保存中もときどき見て、腐ったものを早く取り除いてください。1 つから次々に広がります。