虫 8 品目で報告

キスジノミハムシ

アブラナ科だけを狙う、体長 3〜4mm の黒い甲虫です。背中に黄色い筋が 2 本入ります。
触るとノミのように跳ねて逃げるので、この名前がついています。

家庭菜園でコマツナ・ミズナ・カブ・ダイコン・ラディッシュが「穴だらけ」になる犯人は、たいていこれです。
しかも二段構えで、成虫が葉を、幼虫が土の中で根をかじります。ダイコンやカブでは、葉は無事に見えても抜いてみると表面が網目状にえぐれていて使えない、ということが起きます。

写真: Wikimedia Commons/Sanja565658/CC BY-SA 3.0
写真: Wikimedia Commons/Sanja565658/CC BY-SA 3.0

見分け方

  • 葉に、針で突いたような 1mm 以下の丸い穴が点々と散る。穴が小さくて数が多いのが特徴
  • 株を揺らすと小さな黒い虫がぱっと跳ねる
  • 根菜では、抜いた根の表面に浅い溝やかさぶたのような食い痕。ひどいと形がゆがむ

出やすい条件

  • 高温と乾燥。梅雨明けから秋口までが本番
  • 年に 3〜5 回出て、寿命が長いので世代が重なる。「この時期だけ」という山が見えにくい
  • 暖かい冬を越した翌春は多い
  • 畑のまわりのアブラナ科雑草(ナズナなど)が、作っていない間の住処になる

出さないために

  1. 種をまいた直後に、目合い 0.6mm のネットをかける。 本葉が伸び始めるころに飛んでくるので、芽が出てからでは遅い
  2. 裾を埋める。 土をかぶせるか U ピンで留めて、隙間をなくす。跳ねて入る虫なので、裾の 1cm が勝負
  3. まわりのアブラナ科雑草を刈る。 作っていない期間も含めて。なお細かいネットは風も止めるので、株間は広めにとる(べと病を呼ばないため)
  4. シルバーマルチを張る。 飛来が減ったという報告がある。エンバクをすき込んでおく手もある
  5. 夏は土のほうも片づける。 畑に水をまいて透明なビニールで覆い、梅雨明けから真夏のあいだに始めて、20〜30 日置く(太陽熱消毒)。土の中の幼虫とさなぎが減る
  6. 作らない期間をつくる。 アブラナ科を切れ目なく作ると、数が落ちない

出てしまったら

  • 成虫は跳ねるので捕まえにくい。捕るなら、動きの鈍い早朝に
  • 幼虫は土の中なので、育てている途中では手が出せない。次の作に向けて土のほうを変える
  • 葉物なら、穴は開いても食べられる。見た目を気にしすぎず収穫を早めるほうが現実的
  • 食害痕は軟腐病の入口になる。穴が増えたら、腐りにも気を配る

まちがえやすいもの

  • コナガ — 葉の裏から表皮を残してかじるので、穴ではなく白くかすれた膜になる
  • アオムシ — 穴がもっと大きく不規則。虫自体が見つかる
  • ダイコンサルハムシ — 同じアブラナ科につく黒い甲虫。こちらは丸みがあって跳ねない
  • 穴の大きさで見分けられる。1mm 以下の丸い穴が散っていたら、ほぼこれ

出やすい野菜

このサイトで扱っている品目のうち、キスジノミハムシの報告があるものです。全部で毎年出るわけではありません。

よくある質問

葉が穴だらけですが、食べても大丈夫ですか?

食べられます。穴が開いているだけで、味も安全性も変わりません。見た目が気になるなら、少し早めに収穫してやわらかいうちに使ってください。葉物では、穴ゼロを目指すより収穫を早めるほうが現実的です。

ネットをかけたのに穴が開きました。

よくあるのが、裾のすき間と、ネットが葉に触れているところです。この虫は跳ねて入るので、裾は土をかぶせて完全にふさいでください。葉に密着していると、その上から食べられることもあります。支柱を立ててトンネルにすると減ります。

根まで食べられているか、どうやって分かりますか?

1 本抜いてみるのが早いです。表面に浅い溝やかさぶたのような食い痕があれば、幼虫が土の中にいます。こうなると育てている途中では手が出せないので、次の作に向けて土のほうを変えてください。

夏にアブラナ科を作らないほうがいいですか?

この虫だけを見れば、そのとおりです。梅雨明けから秋口までが本番で、作り続けると数が落ちません。畑に余裕があるなら、夏は別の科のものを作って、空いたところで太陽熱消毒をしておくと秋がぐっと楽になります。