FRUIT · ナス科

ピーマン

Sweet pepper

ナス科。ナス科のなかでいちばん高温を好みます。トマトやナスより暖かさが要るので、春先に焦って植えると育ちが止まります。そのかわり暑さには強く、夏のあいだ穫り続けられます。病害虫も比較的少なく、家庭菜園では作りやすい部類です。

気をつけるところは 3 つです。

ひとつめは 枝が弱いこと。実の重さと風で簡単に折れます。残した枝の 1 本ずつに支柱を添えてください。

ふたつめは 最初の実(1 番果)を小さいうちに穫ること。そのまま太らせると、株がそこで力を使い切って、あとが続きません。

みっつめは 乾かさないこと。土が乾くと花が落ち、実の尻が黒くへこむ「尻腐れ」が出ます。

もうひとつ、よく聞かれることを先に。トウガラシを近くに植えても、ピーマンの果肉は辛くなりません。 花粉が混ざること(交雑)は起きますが、食べる部分には影響が出ません。

難易度
旬 夏
ピーマン(ナス科) — イメージ

写真はイメージです(生成画像)。Sofarm の圃場写真は準備中です。

栽培のめやす

発芽適温
25〜30℃
発芽日数
7日
生育適温
20〜30℃
土壌 pH
弱酸性
株間・条間
50cm
畝幅・畝間
60cm
まき深さ
5mm
連作の間隔
3〜4 年
植えつけの目安

1番花が咲き始めた頃(本葉13〜14枚)

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
春まき
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 苗を用意する

    • 種からなら、25〜30℃ を保つと 1 週間ほどで芽が出ます。そこから 45〜60 日で植えどきです
    • 本葉 2 枚でポットに移し、昼 25〜28℃・夜 20〜22℃ で育てる
    • 苗を買うなら、1 番花が咲き始めたものを選ぶ。 つぼみが見えない若い苗は株ばかり茂り、すでに実がついた苗は根づきが悪くなります
  2. 土をつくる

    • ナス科を 3〜4 年作っていない場所を選ぶ
    • 植えつけの 2 週間以上前に、石灰を 1㎡ あたり 100g
    • その 1 週間後に、完熟堆肥 3kg と有機質肥料 300g を 1㎡ あたり。 石灰と同時に入れると窒素が飛びます
    • 幅 60cm・高さ 15cm の畝を立てて、植えつけの 1 週間前までにマルチを張り、地温を上げておく
    • 銀色のマルチにすると、アブラムシの飛来が減ります
  3. 植える

    • 1 番花が咲き始めたころ
    • 株間 50cm
    • 暖かくなってから。 ナス科のなかでいちばん高い温度が要ります
    • 植えたらすぐ 50cm ほどの仮支柱を立てて固定する
  4. ネットで覆う

    • 植えつけ直後から、支柱で枠を作って目合い 0.8mm の防虫ネットで覆う
    • ウイルス病を運ぶアブラムシと、実に入るオオタバコガを入れないためです
    • この野菜の病害虫対策は、ほとんどここで決まります
    • 実がつき始めて覆い続けられなくなったら、実を見て回るほうへ切り替える
  5. 枝を 3 本に絞る

    1 番花から下は、全部かき取る

    ピーマンは枝が弱く、放っておくと混みあって実がつかなくなります。最初に咲く花を目印に、下側を一度に整理してください。

    主枝が 3 本に分かれるところ、そのすぐ下に咲くのが 1 番花です。
    3 本を残す。1 本ずつ支柱を添える。1 番花。ここから下は全部取る
    1 番花より下のわき芽は、1 つ残らず取ります。残すと下で枝が混みあって、風も日も通りません。
    取り方
    ・1 番花のすぐ下のわき芽は勢いが強いので、2 本だけ残してほかは早めに摘む
    ・わき芽は手で折る。ハサミを使い回すと、株から株へウイルス病を運びます。使うなら株ごとに刃を洗ってください
    ・それより上はそのまま伸ばしてよいのですが、実のつかない枝や勢いよく伸びすぎた枝は早めに間引く
    残した 3 本の枝、1 本ずつに支柱を添えてください。枝が弱く、実の重さと風で折れます。3 本仕立てなら支柱も 3 本です。
    1 番果は小さいうちに穫る
    ・1 番花についた実は、小さいうちに穫る
    ・そのまま太らせると、株がそこで力を使い切って、あとが続きません
    ・穫るときもハサミで。引っぱると枝が折れます
    • まっすぐ伸びる中心の枝(主枝)1 本と、1 番花のすぐ下から出たわき枝 2 本の、合わせて 3 本で育てる
    • 1 番花より下から出るわき芽は、全部取る
    • 1 番花のすぐ下のわき芽は勢いが強いので、2 本だけ残してほかは早めに摘む
    • わき芽は手で折る。 ハサミを使い回すと、株から株へウイルス病を運びます。ハサミを使うなら株ごとに刃を洗ってください
    • それより上はそのまま伸ばしてよいのですが、実のつかない枝や勢いよく伸びすぎた枝は早めに間引く
  6. 支柱を立てる

    • 残した 3 本の枝、1 本ずつに支柱を添える
    • 枝が弱く、実の重さと風で折れます
    • ひもで吊る方法や、ネットを 2〜3 段張る方法もあります
  7. 1 番果を早く穫る

    • 1 番花についた実は、小さいうちに穫る
    • そのまま太らせると、株がそこで力を使い切ります
  8. 水を切らさない

    • 土が乾くと、花が落ち、実の尻が黒くへこみます(尻腐れ)
    • 梅雨が明けたら、わらや干し草を敷いて乾燥を防ぐ
    • 敷きわらは泥はねも止めるので、疫病の予防にもなります
  9. 追肥を続ける

    • 植えつけの 2 週間後から、2 週間おきに 1㎡ あたり 60g。ひと夏で 5〜7 回
    • マルチの裾を上げて、畝の両側の肩にばらまき、軽く耕してマルチを戻す
    • 遅れると枝が伸びず、実も太らなくなります
  10. 穫る

    • 開花から 15〜25 日。 成り始めは 25 日ほど、盛りには 15 日ほどです
    • 緑色の未熟な実のうちに
    • 枝が折れやすいので、ハサミで切る

ここだけは押さえたい

1. 暖かくなってから植える
ナス科のなかでいちばん高い温度が要ります。トマトやナスと同じ感覚で早く植えると、そこで育ちが止まります。

2. 植えつけ直後からネットで覆う
ウイルス病を運ぶアブラムシも、実に入るオオタバコガも、入られてからでは手が出せません。目合い 0.8mm で、支柱ごと囲ってください。

3. わき芽は手で折る
ハサミを使い回すと、株から株へウイルス病を運びます。

4. 枝 1 本ずつに支柱を立てる
枝が弱く、実の重さと風で簡単に折れます。3 本仕立てなら支柱も 3 本です。

5. 1 番果を小さいうちに穫る
そのまま太らせると、株がそこで力を使い切って、あとが続きません。

6. 乾かさない
土が乾くと花が落ち、実の尻が黒くへこみます。梅雨明けからはわらを敷いてください。

7. 追肥を切らさない
長く穫る野菜です。2 週間おきに、ひと夏で 5〜7 回。遅れると枝が伸びず、実も太らなくなります。

8. ハサミで穫る
手で引っ張ると枝が折れます。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • ウイルス病(モザイク病) — アブラムシが運びます。植えつけ直後の防虫ネット(目合い 0.8mm)と銀色のマルチで、ほとんど決まります。 あわせてわき芽かきは手で折る(ハサミを使い回すと刃で運びます)。出てから無農薬で治す手はありません。 出た株は抜いて畑の外に出してください(→モザイク病 アブラムシ類)
  • オオタバコガ — 実に穴をあけて中に入ります。入られたら手が出せないので、産ませないほうに寄せます。 苗のうちは支柱ごとネットで囲い、実がつき始めたら実を見て回るほうへ切り替える。目印はきれいな丸い穴と、穴のまわりや地面の黒っぽい粒のフンです。穴の開いた実は、すぐ取って畑の外へ。 中の幼虫が次の実へ移ります(→オオタバコガ)
  • 疫病 — 雨と泥はねで出ます。畝を高くし、マルチや敷きわらで泥はねを止め、下のほうの葉を落として風を通す。 これで防げます(→疫病)
  • 青枯病・萎凋病 — 土から来ます。出てから無農薬で治す手はありません。できるのは、病気に強い品種か接ぎ木苗(病気に強い根に接いだ苗)を使うこと、3〜4 年あけること、高い畝で水はけをよくすることまでです。 前にトウモロコシなどイネ科を作っておくと減ります
  • アザミウマ — 青い粘着板で捕る
  • うどんこ病・灰色かび病 — 風通しをよくし、混みあった枝を間引く(→うどんこ病 灰色かび病)
  • 尻腐れ果 — 病気ではなく、乾燥でカルシウムが届かなくなって起きます。水を切らさないこと

種を買う

ピーマン の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

出やすい病害虫

ピーマンで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

生理障害

虫でも病気でもなく、環境が原因で起きるもの

病害虫の一覧を見る

よくある質問

トウガラシを近くに植えると、ピーマンが辛くなりますか?

なりません。

花粉が混ざること(交雑)は起きますが、食べる部分には影響が出ません。近くに植えても問題ありません。

花が落ちます。実がつきません。

水切れがいちばん多い原因です。土が乾くと花が落ちます。梅雨が明けたら、わらや干し草を敷いて乾燥を防いでください。

気温が低いときも落ちます。ピーマンはナス科のなかでいちばん高い温度が要る野菜で、最低気温が 10℃ を下回ると生育が止まり、花も落ちます。春先に焦って植えると、これが起きます。

肥料切れでも株の勢いが落ちて、実がつかなくなります。植えつけの 2 週間後から、2 週間おきに追肥してください。

実の尻が黒くへこみました。

尻腐れです。病気ではなく、乾燥でカルシウムが実まで届かなくなって起きます。

水を切らさないこと。敷きわらが効きます。

枝が折れました。

ピーマンは枝が弱く、実の重さと風で簡単に折れます。

残した 3 本の枝、1 本ずつに支柱を添えてください。ひもで吊る方法や、ネットを 2〜3 段張る方法もあります。

収穫も、手で引っ張らずハサミで切ってください。

わき芽はどこまで取るのですか?

1 番花より下から出るわき芽は、全部取ります。

1 番花のすぐ下から出るわき芽は勢いが強いので、2 本だけ残して、それと中心の枝(主枝)の合わせて 3 本で育てます。それより上は、そのまま伸ばしてかまいません。

わき芽は手で折ってください。 ハサミを使い回すと、株から株へウイルス病を運びます。使うなら株ごとに刃を洗ってください。

実に穴があいて、中が食われています。

オオタバコガです。きれいな丸い穴と、穴のまわりや地面の黒っぽい粒のフンが目印です。

入られたら手が出せません。 産ませないほうに寄せてください。苗のうちは支柱ごと目合い 0.8mm の防虫ネットで囲い、実がつき始めたら実を見て回るほうへ切り替えます。

穴の開いた実は、すぐ取って畑の外へ。 中の幼虫が次の実へ移ります。

葉がまだらに縮れました。

モザイク病です。アブラムシが運びます。出てから治す手はありません。 出た株は抜いて畑の外に出してください。

予防は、植えつけ直後の防虫ネット(目合い 0.8mm)と銀色のマルチで、ほとんど決まります。あわせて、わき芽かきは手で折ること。ハサミの刃でも運ばれます。

株が急にしおれて枯れました。

青枯病か萎凋病の可能性があります。土から来る病気で、出てから無農薬で治す手はありません。

次からは、病気に強い品種か接ぎ木苗(病気に強い根に接いだ苗)を使い、ナス科を 3〜4 年あけ、畝を高くして水はけをよくしてください。前にトウモロコシなどイネ科を作っておくと減ります。

葉に水がしみたような斑点が出て広がったなら疫病です。こちらは雨と泥はねで出るので、畝を高くし、マルチや敷きわらで泥はねを止め、下のほうの葉を落として風を通すことで防げます。

いつ穫ればいいですか?

開花から 15〜25 日です。成り始めは 25 日ほど、盛りには 15 日ほど。

緑色の未熟な実のうちに穫ります。枝が折れやすいので、ハサミで。

最初の実(1 番果)だけは、小さいうちに穫ってください。そのまま太らせると、株がそこで力を使い切ります。

赤くなるまで待っていいですか?

待てます。赤くなると甘みが増しますが、その実が熟すあいだ、株はほかの実に力を回せません。全体の収穫量は落ちます。

最後のほうの実を残して赤くする、くらいがちょうどです。

プランターで作れますか?

できます。深さ 30cm 以上、1 株に 1 鉢が目安です。

ただし枝が折れやすいので、支柱は畑と同じように立ててください。土の量が少ないぶん乾きやすく、尻腐れが出やすくなるので、水切れにも注意を。