斑点細菌病
別の呼び方: 腐敗病
葉に、角張った水がしみたような斑ができる病気です。レタス・メロン・ピーマンに出ます。カビではなく細菌が起こします。
細菌の病気には、カビの病気と決定的に違うところがあります。水そのものが運び役だということです。胞子が風で飛ぶのではなく、雨のしぶきと泥はね、そして濡れた葉を触った手と道具で、傷口から入ります。だから雨のあとに一気に広がり、濡れた日に作業すると自分で広げます。
レタスでは、農薬を使わない畑で、夏に発病した株が 7〜8 割に達した年があります。軽い相手ではありません。
ひとつ、はっきり書いておきます。品種に頼らないでください。 市販の品種を比べても差がほとんどなく、腐敗病や軟腐病とあわせて、三つとも弱いものしか見つかっていません。頼るのは、水を跳ねさせないことと、濡れた日に触らないことです。
見分け方
- 葉に、葉脈で区切られて角張った斑。これがいちばんの手がかりです。カビの病気の斑は丸くなります
- はじめは水がしみたように透けて見えます。光に透かすとよく分かります
- 進むと褐色〜黒褐色になり、乾くと中が破れて穴があきます
- 外葉から始まり、進むと内葉・結球葉まで及びます(レタス)。ひどい畑では玉が小さくなり、収穫できない株が目立つようになります
- 腐っても、軟腐病のような強い悪臭はしません
- 湿った日に、斑の裏から濁った汁がにじむことがあります
出やすい条件
- 雨が続いたあと。 細菌は水で運ばれます
- 初夏から夏、秋口にかけての、暖かくて雨の多い時期(レタス)
- 泥はねの当たる下葉・外葉から始まります
- 風や虫、作業で葉に傷がついたとき。傷口から入ります
- 濡れている日に収穫や手入れをしたとき。 手と道具が運び役になります
- 同じ場所で続けて作っているとき
出さないために
- 泥はねを止める。 マルチか敷きわらで土を覆う。これが最初にやることです
- 雨よけを張る。 雨が直接当たらなくなるだけで、入り口がふさがります
- 畝を高くして、排水をとる。 雨のあとに水が引かない場所では作らない
- 葉が濡れている日に畑に入らない。 作業は晴れて乾いてからにしてください。濡れた株を触って回ると、自分で畑じゅうに配ることになります
- 株間を広くとる。 葉が早く乾けば、入られる時間が短くなります
- 道具を使い回さない。 使うなら、作業のあいだに洗ってください
- 傷んだ葉は取って畑の外へ。 畑に落とすと、そこから跳ね返ります
出てしまったら
- 出た葉・出た株を抜いて畑の外へ。作業は葉が乾いてからにしてください
- 広がっているなら、収穫できるものを早めに採って切り上げる
- 細菌の病気に、農薬を使わずに効かせる手はありません。 止めようとせず、条件を変えるほうへ切り替えてください
- 残りかすを畑にすき込まない
- 次の作では場所を変えて、雨よけと敷きわらを先に入れておいてください
まちがえやすいもの
- 褐斑病・炭疽病(どちらもカビ) — 斑が丸くなります。斑点細菌病は葉脈で区切られて角張ります
- 軟腐病 — どろどろに溶けて、強い悪臭がします。斑点細菌病は臭いません
- 腐敗病(レタス) — 症状が近く、同じ条件で出ます。対処も同じなので、見分けがつかなくても構いません
- べと病 — 葉の裏に灰色のカビが出ます。斑点細菌病にカビは生えません
- 肥料焼け — 畑全体に同じように出ます。斑点細菌病は株ごとにばらつきます
よくある質問
丸い斑点とは違う、角張った斑が出ています。
斑点細菌病です。葉脈で区切られるので、斑が角張ります。カビの病気なら丸くなります。光に透かして、水がしみたように透けて見えれば、まず間違いありません。乾くと中が破れて穴があきます。
強い品種を選べば防げますか?
残念ながら、あてにできません。市販の品種を比べても差がほとんどなく、腐敗病や軟腐病とあわせて三つとも弱いものしか見つかっていません。品種を探すより、泥はねを止めて、濡れた日に畑に入らないほうが確実に効きます。
雨の日に収穫してもいいですか?
やめてください。この病気は水と手で運ばれます。濡れた株を触って回ると、自分で畑じゅうに配ることになります。収穫も手入れも、晴れて葉が乾いてからにしてください。これはお金のかからない、いちばん効く対策です。
出てしまったら、何をすればいいですか?
出た葉と株を、葉が乾いた日に抜いて畑の外へ出してください。そのうえで、採れるものを早めに収穫して切り上げるほうが損が少ないです。この病気を途中から止める手はありません。次の作で、場所を変えて雨よけと敷きわらを先に入れてください。