LEAF · キク科

シュンギク

Garland chrysanthemum

キク科。鍋に欠かせない葉物で、寒くなるほどおいしくなります。本葉さえ出ていれば、0℃ を少し下回るくらいでは枯れません。秋にまいて、冬のあいだ穫り続けられる、ありがたい野菜です。

ただし、芽が出にくい野菜です。これがいちばんの壁です。

発芽試験では、いちばん条件のよい 20℃ でも発芽率は 43%でした。10℃ では 18%、35℃ では 15%、40℃ ではゼロ。ほかの野菜とくらべて、はっきり低い数字です。理由は 2 つあって、種の皮が硬くて水を吸いにくいことと、皮に発芽を抑える物質があること。

だから まく前に一晩水に浸します。水がまっ茶色になります。発芽を抑える物質が抜けた印です。そのうえで、種は多めに用意してください。

さらに、芽を出すのに光が要ります(好光性)。土を厚くかぶせると、それだけで出なくなります。

もうひとつ、作り方が 2 通りに分かれます。株ごと抜く「株張り型」と、わき芽を伸ばして何度も摘む「摘み取り型」。品種で決まっているので、種袋を見て選んでください。株間も、追肥の要否も変わります。

難易度
旬 秋
シュンギク(キク科) — イメージ

写真はイメージです(生成画像)。Sofarm の圃場写真は準備中です。

栽培のめやす

発芽適温
15〜20℃
発芽日数
5〜7日
生育適温
15〜20℃
株間・条間
15cm
畝幅・畝間
70cm
連作の間隔
1 年
植えつけの目安

本葉4〜5枚(地床育苗)

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
露地
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 品種を選ぶ(どちらで作るか決める)

    • 株張り型(抜き取り)=草丈 20〜25cm で株ごと穫る。一度きり
    • 摘み取り型=わき芽を伸ばして、何度も摘む。長く穫れる
    • 種袋に書いてあります。株間も追肥も変わるので、まく前に決めてください
    • 春にまくなら、とう立ちしにくい品種を選ぶ。 涼しい時期にまくほうが無難です
  2. 土をつくる

    • まく 2 週間以上前に、石灰を 1㎡ あたり 150g 入れて耕す
    • まく 1 週間前までに、完熟堆肥 2kg と有機質肥料 240g を 1㎡ あたり入れる
    • 酸性に弱い野菜です。 石灰を省かないでください
    • 堆肥を入れすぎない。 多すぎると、次に作る野菜のときに一気に効いて生育障害が出ます
    • 畝は幅 70cm・高さ 10cm。水がたまらないように平らにならす
    • 畝の表面から 5cm ほどの深さまで、石や土のかたまりを取り除いて、細かく砕いておく
  3. 種を一晩水に浸す

    • まく前日に、種を一晩水に浸す
    • 水がまっ茶色になります。発芽を抑える物質が抜けた印です
    • 浸したら、べたつかない程度に陰干ししてからまく
  4. まく

    • 溝に 1cm 間隔で条まき。条間 15cm
    • 摘み取り型なら、株間 20cm の点まきに 1 か所 5〜6 粒でもよい
    • 覆土は、種がうっすら見えるくらい。 芽を出すのに光が要ります
    • かぶせたら軽く押さえて、まいた日にたっぷり水をやる
    • 発芽率が低いので、種は多めに
  5. すぐネットをかける

    • まいた直後に、目合い 0.6mm のネットをかける
    • 「キク科だから虫が来ない」ということはありません。アブラムシ・アザミウマ・ハモグリバエ・ヨトウムシ・ヤサイゾウムシが来ます
    • 支柱で浮かせてトンネル状に張る。 葉に触れていると、上から産卵されます
    • 裾は 10cm ほど外にはみ出させて、はみ出した部分すべてに土をかぶせる
  6. 芽が出るまで乾かさない

    • 覆土が薄いぶん、表面が乾くと出ません
    • 切りわらを薄くかけておく
    • まいたあとに強い雨で表面が固まると、発芽率が大きく落ちます。固まっていたら、軽くほぐしてください
  7. 間引く(2 回)

    • 1 回目は本葉 1〜2 枚で、株間 3cm
    • 2 回目は本葉 3〜4 枚で、株張り型は 10cm、摘み取り型は 15〜20cm
    • 残す株の根が動かないよう、ハサミで根元を切る
    • 遅らせない。 込んだままネットの中に置くと、風が止まってべと病が出ます(→べと病)
  8. 水を切らさない

    • 乾燥に弱い野菜です。土の表面が乾いたらこまめに
  9. 追肥する(摘み取り型だけ)

    • 株張り型は追肥しません。元肥だけで穫りきります
    • 摘み取り型は、最初の収穫のあとから、月に 1 回ほど 1㎡ あたり 20g
    • わき芽の伸びが変わります
  10. 穫る

    下葉を残して摘む。わき芽は一度に全部取らない

    摘み取り型のシュンギクは、摘み方しだいで何度も穫れます。株を使い切ってしまう摘み方と、長く穫れる摘み方の差はここです。

    1 回目:下葉を 3〜4 枚残す
    本葉が 10 枚ほどになったら、最初の収穫です。株元の葉は残してください。残した葉のつけ根から、次のわき芽が出ます。
    ここで摘む。下葉を 3 枚残す
    残した葉のつけ根から、次のわき芽が伸びてきます。株元まで刈り取ってしまうと、そこで終わりです。
    2 回目から:わき芽を 2 本は残す
    残した葉のつけ根から、わき芽が伸びてきます。伸びたものを、下葉を 2 枚ほど残して摘みます。
    2 回目からは、伸びたわき芽を下葉 2 枚ほど残して摘みます。わき芽を一度に全部取らないこと。2 本は残しておけば、株が続きます。
    伸びているわき芽を一度に全部摘まないでください。根が傷んで株が弱り、次が出にくくなります。穫ったあとは追肥を。わき芽の伸びが変わります。
    株張り型は、摘まずに抜く
    ・シュンギクには株張り型と摘み取り型があり、種袋に書いてあります
    ・株張り型は草丈 20〜25cm で株ごと抜くか株元から切る。一度きりです
    ・摘み取り型がこの図のやり方。株間も 15〜20cm と広めにとります
    ・まく前にどちらか決めてください。あとから変えられません
    • 株張り型 … 草丈 20〜25cm で、株元から切るか株ごと抜く
    • 摘み取り型 … 本葉 10 枚ほどになったら、下葉を 3〜4 枚残して上を摘む。そのあと伸びたわき芽は、下葉を 2 枚ほど残して摘む
    • 摘み取り型は、伸びているわき芽を一度に全部摘まない。 常に 2 本くらいは残してください。全部摘むと根が傷んで、株が弱ります
  11. とう立ちしたら終わり

    • 枝先につぼみが見えたら、そこで区切りです
    • 花が咲くと茎が硬くなって苦くなります。つぼみのうちに穫り切ってください
    • 食べられなくなるわけではありませんが、味は落ちます
    • 春の早まきと、日が長くなってからの栽培で起きやすくなります

ここだけは押さえたい

1. まく前に一晩水に浸す
種の皮が硬くて水を吸いにくく、発芽を抑える物質も入っています。一晩浸すと水がまっ茶色になります。これだけで出かたが変わります。

2. 種は多めにまく
いちばん条件のよい温度でも、発芽率は 4 割ほどです。ほかの野菜と同じ量では足りません。

3. 覆土は種がうっすら見えるくらい
芽を出すのに光が要ります。厚くかぶせると出ません。かぶせたら軽く押さえて、まいた日にたっぷり水をやってください。

4. 株張り型か摘み取り型かを先に決める
品種で決まっています。株間が 10cm と 15〜20cm で変わり、追肥の要否も変わります。まく前に種袋を見てください。

5. 間引きを遅らせない
込んだままネットの中に置くと、風が止まってべと病が出ます。葉物はここが分かれ目です。

6. 摘み取るとき、わき芽を全部取らない
常に 2 本くらいは残します。一度に全部摘むと根が傷んで、株が弱ります。

7. 「キク科だから虫が来ない」は本当ではない
アブラムシ・アザミウマ・ハモグリバエ・ヨトウムシ・ヤサイゾウムシが来ます。まいた直後にネットをかけてください。

8. つぼみが見えたら穫り切る
花が咲くと茎が硬くなって苦くなります。春の早まきで起きやすいので、涼しい時期に作るのが無難です。

9. 石灰を省かない。暑い時期に作らない
酸性に弱い野菜です。もうひとつ、夏の暑い時期に作ると芯が枯れることがあります。涼しい時期に作るのが無難です。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • 虫は来ます — アブラムシ・アザミウマ・ハモグリバエ・ヨトウムシ・ヤサイゾウムシ。ハモグリバエは葉に白い筋を描き、葉を食べる野菜なので見た目がそのまま損になります。ネットで入れないのが基本です。有機栽培の産地で、アブラムシとハモグリバエが年々増えて、シュンギクを作るのをやめたという例があります(→アブラムシ類 ハモグリバエ類 ヨトウムシ類)
  • ヤサイゾウムシ — 幼虫が芯を食べます。発生が多いと、ほとんどの株の成長点がやられて育たなくなります。使える農薬が無い虫なので、農薬を使う栽培でも手で捕るしかありません
  • べと病 — 込んだまま多湿にすると出ます。間引いて風を通すのが最大の分かれ目です。目の細かいネットは風も止めるので、株間を広げてから張ってください(→べと病)
  • 炭疽病 — べと病ともども、種から伝染します。自分で採った種を使うのには向きません。化学的な種子消毒を使わないなら、3〜5 年経った古い種を使うという手があります。ただしもともと発芽率が低い野菜なので、古い種を使うならまく量をさらに増やしてください。どこまで落ちるかは、Sofarm でこれから確かめます
  • 芯枯れ症 — 夏の高温で起きます。石灰をよく吸う野菜で、暑いと吸う力が落ちるためです。涼しい時期に作る、肥料を濃くしすぎない。これが予防です

種を買う

シュンギク の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

出やすい病害虫

シュンギクで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

病気

風通しと水はけで出方が変わります

生理障害

虫でも病気でもなく、環境が原因で起きるもの

病害虫の一覧を見る

よくある質問

芽が出ません。まばらにしか出ませんでした。

シュンギクはもともと芽が出にくい野菜です。発芽試験では、いちばん条件のよい 20℃ でも発芽率は 43%でした。10℃ では 18%、35℃ では 15% です。つまり、半分も出ないのが普通です。

理由は 2 つ。種の皮が硬くて水を吸いにくいことと、皮に発芽を抑える物質があること。

だから まく前に一晩、水に浸してください。水がまっ茶色になります。発芽を抑える物質が抜けた印です。浸したら、べたつかない程度に陰干ししてからまきます。

そのうえで、種は多めに。ほかの野菜と同じ量では足りません。

もうひとつ、芽を出すのに光が要ります。土を厚くかぶせると出ません。種がうっすら見えるくらいにして、軽く押さえて、まいた日にたっぷり水をやってください。

株張り型と摘み取り型、何が違うのですか?

穫り方がまるで違います。種袋に書いてあるので、まく前に確かめてください。

  • 株張り型(抜き取り) … 草丈 20〜25cm で株ごと抜くか、株元から切る。一度きりです。株間 10cm
  • 摘み取り型 … わき芽を伸ばして何度も摘む。長く穫れます。株間 15〜20cm

株間も追肥の要否も変わります。株張り型は追肥なしで元肥だけ、摘み取り型は穫るたびに足します。

何回も穫れますか? どこを摘めばいいですか?

摘み取り型なら、何度も穫れます。

1 回目は、本葉が 10 枚ほどになったら。下葉を 3〜4 枚残して、上を摘みます。 残した葉のつけ根から、わき芽が伸びてきます。

2 回目からは、伸びたわき芽を、下葉を 2 枚ほど残して摘みます。

大事なのは、伸びているわき芽を一度に全部摘まないこと。常に 2 本くらいは残してください。全部摘むと根が傷んで、株が弱ります。

つぼみがつきました。とう立ちですか?

そうです。枝先につぼみが見えたら、そこで区切りです。

花が咲くと茎が硬くなって苦くなります。食べられなくなるわけではありませんが、味は落ちるので、つぼみのうちに穫り切ってください。

春の早まきと、日が長くなってからの栽培で起きやすくなります。春にまくなら、とう立ちしにくい品種を選んでください。

葉に白い筋が入っています。

ハモグリバエの幼虫です。葉のなかに潜り込んで、食べながら進んだ跡が白い筋になります。

葉を食べる野菜なので、筋が入るとそのまま使えません。まいた直後に目合い 0.6mm のネットをかけて、入れないのが基本です。支柱で浮かせて、葉に触れないようにしてください。触れていると、ネットの上から産卵されます。

芯が黒く枯れました。

芯枯れ症です。病気ではなく、石灰が足りていないときに起きます。

この野菜は石灰をよく吸うのですが、暑いと吸う力が落ちるため、夏の栽培で出やすくなります。涼しい時期に作ること、肥料を濃くしすぎないことが予防です。

石灰は、まく 2 週間以上前に 1㎡ あたり 150g 入れておいてください。

虫が来ないと聞いたのに、来ました。

「キク科だから虫が来ない」というのは、残念ながら本当ではありません。

アブラムシ・アザミウマ・ハモグリバエ・ヨトウムシ・ヤサイゾウムシが来ます。有機栽培の産地で、アブラムシとハモグリバエが年々増えて、シュンギクを作るのをやめたという例もあります。

病気は比較的少ない野菜ですが、虫は来ます。まいた直後にネットをかけてください。

苦すぎます。香りが強すぎます。

育ちすぎです。草丈 20〜25cm のうちに穫ってください。 とう立ちが近づくと、さらに苦くなります。

若い葉はサラダでも食べられるくらい穏やかです。

プランターで作れますか?

できます。深さ 15cm もあれば十分です。

ただし発芽率が低いので、種は多めに。一晩水に浸してからまいてください。ベランダでも虫は来るので、ネットもかけます。