LEAF · アブラナ科

ミズナ

Mizuna

アブラナ科。京都の伝統野菜で、日本で生まれた野菜です。畝のあいだに水を引いて作ったことから「水菜」と呼ばれるようになったと言われます。

家庭菜園ではいちばん手軽な葉物のひとつです。発芽できる温度の幅が広く(5〜35℃)、軽い霜なら枯れません。春から秋までまけて、冬もトンネルがあれば穫れます。

作り方は、どの大きさで穫るかで変わります。サラダ用に小さく穫るなら、密にまいて 1 か月ほどで穫ります。鍋や漬物用に大株にするなら、株間を広く取って時間をかけます。株間も、間引きも、追肥の要否も変わるので、まく前に決めておくのが楽です。

名前のとおり水を好みますが、後半に過湿にすると軟腐病(株元が腐る病気)で崩れます。前半はたっぷり、後半は控えめ。これがこの野菜の水のやり方です。

難易度
旬 春秋
ミズナ(アブラナ科) — イメージ

写真はイメージです(生成画像)。Sofarm の圃場写真は準備中です。

栽培のめやす

発芽適温
20〜25℃
発芽日数
3〜5日
生育適温
15〜20℃
土壌 pH
6〜6.5
条間
15〜20cm
畝の高さ
10cm
まき深さ
1cm
株間
5〜30cm
連作の間隔
2 年

根こぶ病が出た畑では 3 年以上あける

植えつけの目安

本葉4〜5枚になれば定植

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
春まき
露地
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. どの大きさで穫るか決める

    どの大きさで穫るかを、まく前に決める

    同じ種でも、株間を変えるだけで別の野菜のように育ちます。株間も間引きも追肥の要否も変わるので、先に決めておくのが楽です。

    同じ種を、株間だけ変えて育てたときの育ち方です。左から順に広くしています。
    株間 5〜7cm。サラダ用・追肥なし。株間 15cm。中株・追肥 1 回。株間 20〜30cm。大株・追肥 2 回
    同じ種でも、株間を変えるだけで別の野菜のように育ちます。まく前にどれを作るか決めておくと、間引きも追肥も迷いません。
    大きさで変わること
    ・サラダ用…草丈 15〜20cm で穫る。1 か月ほど。追肥はしない。とう立ちの心配もほぼありません
    ・中株…草丈 25〜30cm で穫る。本葉 5〜6 枚のころに追肥 1 回
    ・大株…じっくり広げる。中株の追肥から1 か月後にもう 1 回。期間が長いぶん、早春どりは花が咲くことがあります
    ・どれも外葉からかき取れば、1 株から何度も穫れます
    土寄せはしません。茎が折れやすく、土を寄せると株が広がるのを邪魔します。追肥のあとも中耕しません。

    水のやり方は共通です。前半はたっぷり、後半は控えめ。後半に過湿にすると株元から崩れます。
    • サラダ用(小株)=密にまいて、草丈 15〜20cm で穫る。1 か月ほど
    • 中株=株間 15cm。草丈 25〜30cm で穫る
    • 大株(鍋・漬物)=株間 20〜30cm で、じっくり広げる
    • 株間も追肥も変わるので、まく前に決めてください
  2. 土をつくる

    • アブラナ科を 2 年作っていない場所を選ぶ
    • まく 2 週間以上前に、石灰を 1㎡ あたり 100g 入れて pH 6.0〜6.5 に合わせる。 入れすぎて 7.0 を超えないように
    • まく 1 週間前までに、完熟堆肥 2kg と有機質肥料 300g を 1㎡ あたり入れて、土とよく混ぜる
    • 水はけと風通しのよい場所を選ぶ
    • 高さ 10cm の畝を立てる。夏に作るなら、株間と条間を広めにとって風を通す
  3. まく

    • 深さ 1cm の溝に、1cm 間隔で条まき。条間 15〜20cm(大株は 30cm)
    • 覆土は 1cm を超えない。 厚いと発芽がそろわず、欠株が出ます
    • 覆土したら手のひらでしっかり押さえて、たっぷり水をやる
    • もみ殻か不織布をかけておくと、表面が乾かず発芽がそろいます
  4. すぐネットをかける

    • まいた直後に、目合い 0.6mm のネットをかける
    • アブラナ科なので、キスジノミハムシ・コナガ・アブラムシ類・アオムシが来る
    • 裾は 10cm ほど外にはみ出させて、はみ出した部分すべてに土をかぶせる
  5. 間引く

    • 1 回目は本葉 1〜2 枚で、株間 3〜4cm
    • 2 回目は本葉 3〜4 枚で、サラダ用ならここで 5〜7cm に決める
    • 大株にするなら、本葉 5〜6 枚で 1 本に絞って 20〜30cm
    • 土寄せはしない。 茎が折れやすく、土を寄せると株が広がるのを邪魔します
    • 間引いた株も食べられます
  6. 追肥する(中株・大株だけ)

    • サラダ用は育つ期間が短いので、追肥はしません
    • 中株は本葉 5〜6 枚のころに 1 回
    • 大株はその 1 か月後にもう 1 回
    • 追肥のあとも中耕や土寄せはしません
  7. 水のやり方を切り替える

    • 前半はたっぷり。 名前のとおり水を好み、根が浅いので乾燥に弱い野菜です
    • 後半は控えめに。 とくに暑い時期は、過湿にすると軟腐病で株元から崩れます
  8. 穫る

    • サラダ用なら草丈 15〜20cm、中株なら 25〜30cm
    • 大株なら、株が十分に広がってから。株ごと抜くか、株元を切る
    • 外葉からかき取れば、長く穫り続けられます
    • 遅らせると葉柄が硬くなって、葉に苦みが出ます

ここだけは押さえたい

1. 作る大きさを先に決める
サラダ用に小さく穫るのか、鍋や漬物用に大株にするのかで、株間も間引きも追肥の要否も変わります。まく密度が変わるので、先に決めておくのが楽です。

2. 覆土は 1cm を超えない
ミズナでいちばん多い失敗が、発芽がそろわないことです。厚くかぶせると欠株が出ます。まいたら手で押さえて、たっぷり水をやってください。

3. 土寄せはしない
ほかの野菜の感覚で土を寄せると、株が広がるのを邪魔して大株になりません。茎も折れやすい野菜です。追肥のあとも中耕しません。

4. まいた直後にネットをかける
アブラナ科なので虫は来ます。葉そのものを食べる野菜なので、穴が開くと使えません。

5. 前半はたっぷり、後半は控えめ
名前のとおり水を好みますが、後半に過湿にすると軟腐病で崩れます。水のやり方を途中で切り替えてください。

6. 外葉からかき取れば長く穫れる
株ごと抜かずに、外側の葉から収穫していくと、1 株から何度も穫れます。

7. 大株の早春どりはとう立ちに注意
大株を早春に穫る作り方は栽培期間が長いぶん、花が咲くことがあります。サラダ用の短期どりなら、まず心配ありません。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • 虫 — アオムシ・コナガ・キスジノミハムシ・アブラムシ・ヨトウムシが来ます。葉そのものを食べる野菜なので、食われると使えません。ネットで入れないのが基本ですが、0.6mm でも通り抜ける虫がいます
  • 軟腐病 — 高温期の生育後半に過湿にすると出ます。菌は虫の食害痕か傷から入るので、虫に食わせないこと、泥をはねさせないこと、後半を乾かすこと。この 3 つで入口をふさぎます。夏は株間を広くとって風を通してください(→軟腐病)
  • 白さび病・べと病 — 涼しくて湿っているときに出ます。風を通すのが第一。あとは雨を当てない、後半は乾かし気味にする、出た株は抜いて残りは早めに穫る(→白さび病 べと病)
  • 根こぶ病 — 土に 5〜10 年残ります。pH を上げ、畝を高くし、3 年以上あける(→根こぶ病)

種を買う

ミズナ の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

出やすい病害虫

ミズナで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

虫

見つけたら早いほど楽です

ほかに 1 件の報告があります。

病気

風通しと水はけで出方が変わります

ほかに 1 件の報告があります。

病害虫の一覧を見る

よくある質問

サラダ用と鍋用で、作り方が違うのですか?

違います。株間も、間引きも、追肥の要否も変わります。

  • サラダ用(小株) … 株間 5〜7cm。草丈 15〜20cm で穫る。1 か月ほど。追肥はしない
  • 中株 … 株間 15cm。草丈 25〜30cm で穫る。本葉 5〜6 枚のころに追肥を 1 回
  • 大株(鍋・漬物) … 株間 20〜30cm。じっくり広げる。中株の追肥から 1 か月後にもう 1 回

まく密度が変わるので、先に決めておくのが楽です。

芽がそろいません。歯抜けになります。

覆土が厚すぎます。 1cm を超えないようにしてください。

深さ 1cm の溝に 1cm 間隔でまいて、薄く土をかけたら、手のひらでしっかり押さえてからたっぷり水をやります。もみ殻か不織布をかけておくと、表面が乾かず発芽がそろいます。

土寄せはしなくていいのですか?

しないでください。

ミズナは茎が細くて折れやすく、土を寄せると株が横に広がるのを邪魔します。ほかの野菜の感覚で土寄せをすると、大株になりません。追肥のあとも中耕しません。

葉が穴だらけになりました。

アブラナ科につく虫です。アオムシ・コナガ・キスジノミハムシ・アブラムシ・ヨトウムシが来ます。

葉そのものを食べる野菜なので、穴が開くと使えません。まいた直後に、目合い 0.6mm のネットをかけてください。 裾は 10cm ほど外にはみ出させて、はみ出した部分すべてに土をかぶせます。

株元から腐って、においがします。

軟腐病です。治りません。抜いて畑の外へ出してください。

生育の後半に過湿にすると出ます。菌は虫の食害痕か傷から入るので、虫に食わせない・泥をはねさせない・後半を乾かす。この 3 つで入口をふさぎます。暑い時期は株間を広くとって風を通してください。

いつ穫ればいいですか? 何回も穫れますか?

サラダ用なら草丈 15〜20cm、中株なら 25〜30cm が目安です。遅らせると葉柄が硬くなって、葉に苦みが出ます。

外葉からかき取れば、1 株から何度も穫れます。 株ごと抜かずに、外側の葉から使っていってください。

春に花が咲きました。

とう立ちです。大株を早春に穫る作り方は、栽培期間が長いぶん寒さにあたる日数が積み重なって、花が咲くことがあります。

サラダ用の短期どりなら、まず心配ありません。 春に作るなら小株で短く穫るほうが安全です。

プランターで作れますか?

向いています。深さ 15cm もあれば十分で、サラダ用なら密にまいて 1 か月で穫れます。

水を好む野菜なので、前半は切らさないように。ただし後半の与えすぎは株元を傷めます。

ミズナとミブナは違うのですか?

同じ仲間で、葉の形が違います。ミズナは葉が細かく切れ込んでギザギザしていて、ミブナは切れ込みのない細長い葉です。どちらも京都の伝統野菜で、育て方はほぼ同じです。