病気 6 品目で報告

立枯病

別の呼び方: リゾクトニア病、すそ枯病

土の中のカビが地際から入り、株が立ったまま枯れる病気です。レタス・ミズナ・コマツナ・ホウレンソウ・バジル・サツマイモに出ます。レタスのすそ枯病、コマツナのリゾクトニア病も、同じ仲間の菌によるものです。

倒れないのが特徴です。しおれて、色が抜けて、そのまま立って枯れる。だから水切れと見分けがつきにくく、水をやって様子を見ているうちに手遅れになります。

原因は品目によって違いますが、地際が濡れたまま乾かないという一点はおおむね共通しています。ただしサツマイモだけは話が違います。下に別で書きました。

見分け方

  • 株が倒れずに立ったまましおれ、戻らない
  • 地際(土ぎわ)が褐色〜黒褐色に変色して、水がしみたようにやわらかい。ここが決め手です
  • 抜くと、細い根がごっそり落ちて根量が減っている
  • 外側の葉が、地面に接したところから腐り始める(レタスのすそ枯病)
  • 1 株から始まり、隣へ円を描くように広がっていく
  • 水をやってもしおれが戻らない。これで水切れと切り分けられます

出やすい条件

  • 土が湿ったまま乾く間がないとき。 水のやりすぎ、排水の悪い畑、長雨のあと
  • 気温が高いとき。 レタスでは、10℃ では発病せず、30℃ ではほぼ全株がやられるという試験結果があります。残暑に当たる作型がいちばん危ない
  • 同じ場所で作り続けたとき(コマツナのリゾクトニア病は長い連作畑で出ます)
  • 深植えしたとき。レタスでは浅植えより深植えのほうがはっきり発病が増えます
  • 未分解の有機物をすき込んだ直後
  • 目の細かい防虫ネットで通気が止まり、中が高温多湿になったとき

出さないために

  1. 畝を高くして、水を抜く。 雨のあとに水が引かない場所では作らない。これが土台です
  2. 深植えしない。 苗の根鉢の上面が土の高さと同じになるくらいに、浅く植えてください
  3. 株間を広げて、地際に風を通す。 地面に接した葉が乾く時間を作ります
  4. 残暑のかかる時期は、地温を上げない。 白黒のマルチで覆うか、日よけをかけて地面の温度を下げます。黒マルチは地温を上げるので、この時期は逆に出方を悪くします
  5. 水やりは午前中に。 夕方には表面が乾いているくらいが目安です
  6. 連作を切る。 レタスは年 1 作にして、マリーゴールドかニンジンと輪作すると発病がはっきり下がります。アブラナ科は輪作相手に選ばないでください。 同じ菌がキャベツの株腐病・ハクサイの尻腐病を起こすので、増やすことになります
  7. 細かいネットを張っているときは、昼のあいだ換気する

サツマイモだけは別の相手です

サツマイモの立枯病は、湿りではなく土が乾いていて、地温が高くて、土のアルカリ寄りのときに出ます。手の打ち方が逆になるので注意してください。

  • 石灰を入れない。 土の pH が高いほど出ます。pH 5.5 以上の畑に苦土石灰などの塩基性の資材を足すと、かえって悪くします。苦土が要るなら硫酸苦土、石灰が要るなら硫酸石灰を使ってください
  • 白黒のダブルマルチなどで、地温が上がりすぎないようにする
  • つるの伸びが止まって葉が黄色くなり、地下の茎に丸くへこんだ黒い斑が出ます。いもの表面にも黒い斑ができ、古くなるとへこんでコルクのようになります
  • 抵抗性のある品種を選ぶ

出てしまったら

  • 出た株は治りません。 根ごと抜いて、まわりの土ごと畑の外へ出してください
  • すぐに水やりを減らす。 原因が湿りなので、ここを変えないと隣へ進みます
  • 込んでいるなら、この機会に間引いて地際に風を通す
  • 残った株に効く手当てはありません。収穫できるものは早めに採ってください
  • 次の作では、植える時期を気温の低いほうへずらす。レタスは残暑を外すだけでかなり違います

まちがえやすいもの

  • 苗立枯病 — 同じ菌の仲間ですが、出るのが発芽〜本葉 1〜2 枚のときで、地際が細くくびれて倒れます。立枯病は株が育ってから出て、倒れません
  • ネキリムシ — 茎がきれいに切り落とされています。切り口があれば虫です
  • 水切れ — 水をやれば戻ります。立枯病は戻りません
  • 萎黄病・萎凋病 — 下葉から黄色くなり、茎を割ると中心の筋が褐色です。立枯病は地際の外側が腐ります
  • 軟腐病 — 腐ったところが強い悪臭を放ちます。立枯病は臭いません

出やすい野菜

このサイトで扱っている品目のうち、立枯病の報告があるものです。全部で毎年出るわけではありません。

よくある質問

水をやってもしおれが戻りません。

水切れではありません。地際を見てください。土ぎわが褐色〜黒褐色に変わって、押すとやわらかければ立枯病です。抜いて畑の外へ出し、残りの株は水やりを減らしてください。やり続けると広がります。

苗立枯病とどう違うのですか?

出る時期と、倒れるかどうかで分かれます。苗立枯病は発芽から本葉 1〜2 枚のころに、地際が細くくびれて倒れます。立枯病は株が育ってから、倒れずに立ったまま枯れます。菌は近い仲間なので、水を抜くという対処は共通です。

レタスばかり毎年やられます。

残暑と連作の二つが重なっています。レタスは年 1 作にして、あいだにマリーゴールドかニンジンを入れてください。アブラナ科は選ばないでください。同じ菌がキャベツやハクサイでも悪さをするので、増やす結果になります。植えつけを涼しい時期にずらすのも効きます。

サツマイモにも石灰をまいていいですか?

まかないでください。サツマイモの立枯病は、土がアルカリ寄りになるほど出ます。酸性に傾いた畑でも、pH 5.5 を超えているなら石灰は足さないでください。苦土やカルシウムが足りないときは、苦土石灰のような塩基性の資材ではなく、硫酸苦土や硫酸石灰を使います。ほかの野菜と同じつもりで石灰をまくと、この病気を呼びます。