菌核病
株が地際から白いカビに覆われて軟らかく腐り、最後に黒い粒が出る病気です。キャベツとミズナに出ます。
決め手はこの黒い粒です。ネズミのフンのような、2〜5mm の硬い黒い塊。これが菌核で、病気の名前の由来でもあります。腐った株にこれが見つかれば、ほかの病気ではありません。
そしてこの黒い粒が、この病気のやっかいさそのものです。菌核は土の中で何年も生き残ります。 だから一度出た畑では繰り返し出る。腐った株をその場に残すのは、翌年ぶんの種をまいているのと同じことになります。拾って持ち出すところまでが対処です。
出るのは、涼しくて雨の多い時期です。暑い盛りには出ません。春と秋に気をつけてください。
見分け方
- 地際の葉と葉柄に、水がしみたような淡褐色の斑。ここから始まります
- 株全体が軟らかく腐って、白い綿のようなカビに覆われる
- 腐っているのに、強い悪臭がしない。 これが軟腐病との違いです
- 腐ったところや、茎の内側に、ネズミのフンのような黒い粒(2〜5mm)ができる。これが決め手です
- やがて株がしおれて倒れます
- 1 株から始まって、隣へ広がります
出やすい条件
- 気温 20℃ 前後の、涼しくて曇りや雨の続く時期。 春と秋に山があります
- 暑い盛りには出ません
- 株が込みあって、地際に風が通らないとき
- 水はけが悪い畑、水をやりすぎたとき
- 同じ場所で作り続けたとき。土に菌核が残っています
- 葉が地面に触れたままになっているとき
出さないために
- 連作を切る。 一度出た畑には菌核が残ります。別の科のものをはさんでください
- 敷きわらかマルチを張る。 地際の葉が土に直接触れないようにします
- 株間を広くとって、地際に風を通す。 込ませないこと
- 畝を高くして、排水をとる
- 水をやりすぎない。 ミズナは、生育の後半をやや乾き気味に保つと出にくくなります
- 下葉のうち、地面に触れているものを落とす
出てしまったら
- 出た株は、根ごと抜いて畑の外へ。 治りません
- 黒い粒を畑に落とさない。 これがいちばん大事です。腐った株を動かすときに、ぽろぽろ落ちます。袋に入れてから運んでください。落とした粒は、次の年の発生源になります
- 抜いたあとのまわりの土も、黒い粒が混じっていないか見てください
- 残った株は間引いて、地際に風を通す
- 広がりきってから、農薬を使わずに止める手はありません。収穫できるものは早めに採ってください
- その畝では、次に同じ科のものを作らない
まちがえやすいもの
- 軟腐病 — どろどろに溶けて、強い悪臭がします。菌核病は臭わず、白いカビと黒い粒が出ます
- 灰色かび病 — カビが灰色で、黒い粒はできません。菌核病のカビは白い綿のようです
- 黒腐病 — 葉の縁から V 字型に黄変します。菌核病は地際から腐ります
- 立枯病 — 地際が褐色になりますが、白い綿のカビも黒い粒も出ません
- ナメクジ — 食べ跡に光る跡が残ります。腐敗ではありません
よくある質問
株が腐っていますが、においがしません。
菌核病です。軟腐病なら、どろどろに溶けて強い悪臭がします。においがなく、白い綿のようなカビに覆われていれば菌核病です。腐ったところを開いて、ネズミのフンのような黒い粒が出てくれば確定です。
黒い粒は何ですか?
菌核といって、この菌の冬ごもりの姿です。土の中で何年も生き残ります。 だから、腐った株を抜くときにこの粒を畑に落とさないでください。袋に入れてから運んでください。落とせば、そのまま次の年の発生源になります。
一度出た畑で、また作れますか?
同じ科のものは、間をあけてください。菌核が土に残っているので、同じ条件(涼しくて雨の多い時期、込んだ株、湿った地際)がそろえばまた出ます。別の科をはさんだうえで、敷きわらと株間の広さで条件を変えてください。
ミズナが毎年やられます。
込ませすぎと、水のやりすぎを疑ってください。この病気は涼しくて湿った条件で出ます。株間を広げて地際に風を通し、生育の後半はやや乾き気味に保ってください。あわせて、地面に触れている下葉を落としておくと出にくくなります。