レタス
Lettuceキク科。暑さに弱い野菜です。これが分かっていれば、半分は分かったようなものです。
弱さが 3 段階で出ます。種は 25℃ を超えると眠ってしまって発芽せず、30℃ 以上ではまず出ません。育ってからも 25℃ を超えると玉が太らず、30℃ を超えると形が崩れます。そして暑いと花芽ができ、日が長い時期はそれがさらに進みます。つまり、暑い時期はどの段階でもつまずきます。涼しい時期に作る。これが大前提です。
まず、どれを作るか決めてください。
- 玉レタス(結球) … 玉に巻かせる。形が崩れる失敗はこのタイプだけに起きます
- リーフレタス(サニーレタスなど) … 巻かせない。外葉からかき取って長く穫れます
- サラダナ … ゆるく巻く。株間も植えどきも少し違います
株間と肥料が変わるので、先に決めてから畝を作ってください。
種にもうひとつ癖があります。芽を出すのに光が要ります(好光性)。土を厚くかぶせると出ません。覆土は、種がうっすら隠れる程度です。
もうひとつは、根が浅いこと。8 割以上の根が深さ 30cm より上にあります。だから水と肥料にすぐ反応し、水が多すぎると根が傷みます(湿害)。畝を高くして、浅く植える。これが効きます。
浅く植えるのは、病気のためでもあります。深植えすると、株元から腐る病気がはっきり増えます。試験では、浅植えに対して深植えで発病が 3 倍近くになりました。
写真はイメージです(生成画像)。Sofarm の圃場写真は準備中です。
栽培のめやす
- 発芽適温
- 15〜20℃
- 発芽日数
- 2〜4日
- 生育適温
- 15〜23℃
- 土壌 pH
- 6〜6.5
- 株間・条間
- 30cm
- 畝幅・畝間
- 60〜70cm
- まき深さ
- 5mm
- 連作の間隔
-
1 年
株元から腐る病気が出た畑では、同じ場所でレタスを作るのは年 1 回まで
- 植えつけの目安
-
本葉4〜5枚(玉レタス・リーフレタス)、サラダナは本葉3〜4枚
種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。
育て方
上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。
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涼しい時期に、どれを作るか決める
- 暑い時期は、種が眠って発芽せず、玉も太らず、とう立ちします。夏をまたがせないでください
- 玉レタス/リーフレタス/サラダナのどれを作るかを先に決める。株間と肥料が変わります
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土をつくる
- レタスを続けて作らない。株元から腐る病気が出た畑では、同じ場所でレタスを作るのは年に 1 回までにして、あいだに別の科の野菜を入れます(輪作)
- 輪作に入れるなら、株元から腐る病気にはニンジンかマリーゴールド(2 年目で 7 割ほど発病が減りました)。根が腐る病気にはソバかマリーゴールドを 2 年以上
- アブラナ科を輪作に入れない。 株元から腐る病気の菌が、キャベツやハクサイにもつくためです
- 植えつけの 2 週間以上前に、石灰を 1㎡ あたり 150g
- 完熟堆肥 2kg と有機質肥料 280〜360g を 1㎡ あたり(リーフレタス・サラダナは 15% ほど少なめ)
- 入れすぎない。 玉が大きくても中身が詰まらない、縦長になる、玉の底(尻)が割れる、といった形の崩れが出ます
- 幅 60〜70cm・高さ 15cm の畝。根が浅く、水が多すぎると根が傷みます
-
苗を育てる
- ポットかセルトレイにまく
- 覆土は種がうっすら隠れる程度。 芽を出すのに光が要ります
- 暑い時期にまくなら、芽出しをしてからまく。 種を水に浸して水を切り、湿らせた布に包んで袋に入れ、冷蔵庫に置いてから
- 20〜25 日で植えどき
- トレイは地面から 30cm 以上浮かせて置く。水はけがよくなります
-
植える
浅く植える。深植えすると株元から腐る
レタスは根が浅く、湿気に弱い野菜です。植える深さだけで、株元から腐る病気の出かたがはっきり変わります。
同じ苗を、深さだけ変えて植えた記録植える深さだけを変えた 2 つです。株元から腐る病気は、深く植えたほうではっきり増えます。
根の土のかたまりの肩が、地面からわずかに見える程度に。株元を埋めません。
株元まで土をかけると、そこから腐ります。レタスは根が浅く、湿気に弱い野菜です。根鉢(ポットの土のかたまり)の頭に、土をかけすぎない。これだけです。
ただし浅すぎると根鉢が乾いて根づきません。土と密着させて、植えたらたっぷり水をやってください。植えるときの 4 つ1. 本葉 4〜5 枚で植える。育ちすぎた苗は根づきが悪い2. 株間 30cm3. 浅植え。根鉢の頭に土をかけすぎない4. 畝は高さ 15cm。8 割以上の根が深さ 30cm より上にあり、湿気に弱い株元から腐る病気は、連作でも増えます。出た畑は 1 年 1 作にして、ニンジン・ソバ・マリーゴールドを挟んでください。2 年目で 7 割ほど減ったという記録があります。
アブラナ科は挟んでも効きません。同じ菌がキャベツやハクサイにもつくためです。- 玉レタス・リーフレタスは本葉 4〜5 枚、サラダナは本葉 3〜4 枚で
- 育ちすぎた苗を植えない。根づきが遅れて、そのあとが続きません
- 株間 30cm(サラダナは 20cm)
- 浅く植える。根鉢の頭に土をかけすぎない。 深植えすると、株元から腐る病気が増えます
- ただし浅すぎても根鉢が乾くので、土と密着させてたっぷり水をやる
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マルチを張る
- 生育の前半が暑くなる時期なら、白黒ダブル(表が白、裏が黒のマルチ)か銀色のマルチ。地温を下げて、とう立ちと玉の形の崩れを防ぎます
- 寒い時期なら黒いマルチ。地温を上げて、草も抑えます
- マルチを張るなら、肥料は全量元肥にして追肥はしません
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不織布をかける
- 植えた直後から、支柱で地上 50cm ほどに浮かせてかける
- 浮かせるのは、暑い時期に葉へ直接かけると中が 48℃ 近くまで上がって葉が焼けるためです。浮かせると 10℃ 近く下がります
- 穫る 2 週間前に外す。 玉の締まりと色のためです
- 細かい防虫ネットは風も止めて中が蒸れるので、換気に気をつけてください
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追肥する(秋まきでマルチをしない場合)
- 植えつけの 15〜20 日後に 1 回、1㎡ あたり 100g
- 玉が巻き始める前に終える。 あとから足すと形が崩れます
- 追肥と一緒に、株のまわりの土を軽くほぐす
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穫る
- 玉レタスは、手のひらで軽く押して弾力があり、まだ少しやわらかいうちに。 しっかり硬くなってからだと味が落ちます
- リーフレタスは草丈 20〜25cm から、外葉をかき取って穫り続ける
- 遅れると、とう立ちして苦くなります
ここだけは押さえたい
1. 涼しい時期に作る
種は 25℃ を超えると眠って発芽しません。育ってからも 25℃ 以上で玉が太らず、暑いと花芽ができます。夏をまたがせないでください。
2. 覆土は種がうっすら隠れる程度
芽を出すのに光が要ります。厚くかぶせると出ません。暑い時期にまくなら、冷蔵庫で芽出しをしてから。
3. 浅く植える
深植えすると株元から腐る病気が 3 倍近くになります。根鉢の頭に土をかけすぎないでください。
4. 不織布を浮かせてかける
試験では、かけた区画と、かけなかった区画で、ヨトウムシの被害株が 20 株中 3.7 株と 16.3 株。夏から秋のオオタバコガは 0 株と 7.7 株でした。ただし暑い時期に葉へ直接かけると葉が焼けるので、支柱で浮かせます。
5. 畝を高くする
8 割以上の根が深さ 30cm より上にあります。水が多すぎると根が傷みます。
6. 肥料を入れすぎない。でも足りないのも困る
有機の肥料は効きが 6 割ほどしか出ないので、少なすぎると小さいまま巻いてしまいます。入れすぎると玉の形と中身が崩れます。涼しい春まきは少なめ、夏まき秋どりは多めに。
7. 追肥は玉が巻く前に終える
あとから足すと、大きくても中身の詰まらない玉になります。
8. 輪作にアブラナ科を入れない
株元から腐る病気の菌は、キャベツやハクサイにもつきます。入れるならニンジン・ソバ・マリーゴールドです。
農薬を使わないと、ここが難しい
うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。
- すそ枯病(株元から腐る病気) — 連作で増えます。試験では、連作した区画の発病株が 5 割近くになりました。浅植えと輪作が手です。ニンジンやマリーゴールドを挟むと、2 年目で 7 割ほど発病が減りました。ただしアブラナ科を挟んでも効きません。同じ菌がつくからです
- 根腐病 — ソバやマリーゴールドで 2 年以上輪作すると、抑えられるとされています
- ナメクジ・カタツムリ — 玉のなかに入られると、洗っても取れません。マルチで泥はねを止め、水はけをよくして、株のまわりに隠れ場所を作らないこと
- ヨトウムシ・オオタバコガ — 不織布を浮かせてかけるのがいちばん効きます。上の数字のとおりです(→ヨトウムシ類)
- アブラムシ — 主に外葉の裏につきます。不織布では止まりきらない(試験でも被覆の有無で差が出ませんでした)ので、銀色のマルチで寄せつけないのと、見つけたら早めに落とすのが現実的です(→アブラムシ類)
- チップバーン(葉の縁が枯れる) — 病気ではなくカルシウム不足です。あらかじめ石灰を入れておくことと、水を切らさないこと
- 湿害 — 根が浅く水に弱い野菜なので、水はけの悪い畑ではそれだけで育ちません。畝を高くするしかありません
出やすい病害虫
レタスで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。
虫
見つけたら早いほど楽です生理障害
虫でも病気でもなく、環境が原因で起きるものよくある質問
玉レタス・リーフレタス・サラダナ、どれを作ればいいですか?
初めてならリーフレタス(サニーレタスなど)です。巻かせる必要がないので、形が崩れる失敗がありません。外葉からかき取って長く穫れます。
玉レタスは巻かせるぶん、肥料と温度の影響がそのまま形に出ます。サラダナはその中間で、ゆるく巻きます。
株間と肥料が変わるので、先に決めてから畝を作ってください。リーフレタスとサラダナは、玉レタスより肥料を 15% ほど少なめにします。
芽が出ません。
土をかぶせすぎたか、暑い時期にまいたかです。
レタスの種は芽を出すのに光が要ります。覆土は種がうっすら隠れる程度にしてください。
もうひとつ、25℃ を超えると種が眠ってしまいます。30℃ 以上ではまず出ません。暑い時期にまくなら、種を水に浸して水を切り、湿らせた布に包んで袋に入れ、冷蔵庫に置いてから(芽出し)まいてください。
玉が巻きません。
暑さがいちばんの原因です。25℃ を超えると玉が太らず、30℃ を超えると形が崩れます。夏をまたがせない作り方にしてください。
肥料不足でも、小さいまま早く巻いてしまいます。有機の肥料は効きが 6 割ほどしか出ないので、慣行と同じ量では足りません。元肥は 1㎡ あたり 280〜360g(窒素 5% のもの)を目安に、涼しい春まきは少なめ、夏まき秋どりは多めに。
玉は大きいのに、中身が詰まっていません。縦長になりました。
肥料の入れすぎです。
有機の試験では、窒素を増やしても株全体の重さは変わらず、玉の形と中身だけが崩れました。入れた分が無駄になるどころか、逆に働きます。
追肥も、玉が巻き始める前に終えてください。あとから足すと同じことが起きます。
とう立ちして苦くなりました。
レタスは暑いと花芽ができ、日が長い時期はそれがさらに進みます。本葉 12〜13 枚から玉が巻き始めるころが、いちばん反応しやすい時期です。
だから春の遅まきも、秋の早まきで残暑に当たるのも危ない。生育の前半が暑くなるなら、白黒ダブル(表が白、裏が黒)か銀色のマルチで地温を下げてください。
込みすぎ・日照不足・乾燥でも起きやすくなります。
株元が腐って倒れました。
すそ枯病です。深植えと連作で増えます。
試験では、浅植えに対して深植えで発病が 3 倍近くになりました。根鉢の頭に土をかけすぎないでください。
連作した区画では、発病株が 5 割近くになりました。出た畑では、同じ場所でレタスを作るのは年に 1 回までにして、あいだにニンジンかマリーゴールドを入れてください。2 年目で 7 割ほど発病が減りました。
アブラナ科を挟んでも効きません。 同じ菌がキャベツやハクサイにもつくからです。
葉の縁が枯れました。
チップバーンです。病気ではなく、カルシウム不足で起きます。
あらかじめ石灰を入れておくこと(1㎡ あたり 150g)と、水を切らさないことが予防です。
玉のなかにナメクジが入っていました。
一度入られると、洗っても取れません。
マルチで泥はねを止め、水はけをよくして、株のまわりに隠れ場所を作らないようにしてください。
虫よけはどうすればいいですか?
不織布を、支柱で地上 50cm ほどに浮かせてかけてください。 植えた直後からです。
試験では、かけた区画とかけなかった区画で、ヨトウムシの被害株が 20 株中 3.7 株と 16.3 株。夏から秋のオオタバコガは 0 株と 7.7 株でした。
ただし葉に直接かけると、暑い時期は中が 48℃ 近くまで上がって葉が焼けます。浮かせると 10℃ 近く下がります。穫る 2 週間前には外してください。玉の締まりと色のためです。
アブラムシには、この被覆はあまり効きません(試験でも差が出ませんでした)。銀色のマルチで寄せつけないのと、見つけたら早めに落とすのが現実的です。
いつ穫ればいいですか?
玉レタスは、手のひらで軽く押して弾力があり、まだ少しやわらかいうちに。 しっかり硬くなってからだと味が落ちます。
リーフレタスは草丈 20〜25cm から、外葉をかき取って穫り続けてください。
プランターで作れますか?
できます。リーフレタスなら深さ 15cm 以上で十分です。
ただし根が浅く水に弱い野菜なので、受け皿に水をためたままにしないでください。涼しい時期に作るのは畑と同じです。