FRUIT · ウリ科

ズッキーニ

Zucchini

ウリ科カボチャ属。カボチャの仲間ですが、つるが伸びません。茎が立ち上がるだけなので、つるが広がる場所はいりません。ただし葉は大きいので、株間は 80cm〜1m とってください。

この野菜でいちばん伝えるべきことは 2 つです。

ひとつは 穫り遅れ。実が太るのがとても速く、朝に「まだ小さいな」と思ったものが、2〜3 日で巨大になって味が落ちます。収穫のタイミングを逃さないことが、そのまま出来の良し悪しになります。

もうひとつは 受粉。育ち始めは雌花だけが咲いて、花粉を出す雄花がありません。待っていても実は太りません。まき時をずらして数株作ると、雄花が足りない時期を短くできます。

難易度
旬 夏
ズッキーニ(ウリ科)

栽培のめやす

発芽適温
25〜30℃
発芽日数
3〜5日
生育適温
18〜25℃
土壌 pH
弱酸性
株間・条間
80cm〜1m
畝の高さ
15cm
まき深さ
2cm
連作の間隔
2〜3 年

つる割病が出た畑では 4〜5 年あける

植えつけの目安

本葉3〜5枚

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
春まき
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 種をまく

    • ポットに 2〜3 粒。深さ 1〜2cm
    • 25〜30℃を保つ。 春先は気温が足りないので、ホットキャップや室内の暖かい場所で確保する
    • 本葉が出たら間引いて 1 本にする
    • まき時を 1〜2 週間ずらして、何株か作る。 あとで授粉用の雄花が足りなくなるのを防ぎます
  2. 土をつくる

    • 水はけのよい場所を選ぶ
    • 苦土石灰を 1 ㎡あたり 100g 入れて、1 か月前に完熟堆肥を混ぜる
    • 油かすや骨粉などの有機質肥料を、植えつけの 1 週間前までに混ぜる
    • ウリ科を前の年に作った場所は避ける(2 年あける)
    • 高さ 15cm の畝を立てる。排水が悪ければもう少し高く
    • マルチを張る。シルバーラインの入った黒マルチだと、アブラムシとウリハムシの飛来を減らせます
  3. 植える

    • 本葉 3〜5 枚で
    • 深植えしない。ポットの土の高さと畝の面を合わせる
    • 根鉢をくずさない
    • 天気がよく風の弱い日に植えて、そのあとしっかり水をやる
    • 遅霜の心配があるうちはホットキャップ(苗にかぶせる保温カバー)をかぶせ、葉が当たるようになったら外す
    • 苗のうちは覆っておく。 ウリハムシに葉を食われ、幼虫に根まで食われます
  4. 支柱を立てる

    • つるは伸びないが、茎が立ち上がって倒れる
    • しっかりした支柱を 1 本添えて固定しておくと、風で倒れにくくなる
  5. 人工授粉する

    花の付け根を見れば、雄花か雌花か分かる

    ズッキーニは虫まかせでは実がつかないことが多く、人工授粉が要ります。まず 2 種類の花を見分けてください。

    どちらも同じ黄色い大きな花です。違いは付け根にあります。
    雄花。付け根は細い柄だけ。雌花。付け根に小さい実がある
    雌花の付け根にある小さな実が、授粉するとそのまま太ります。授粉しないと黄色くなって落ちます。
    授粉のやり方
    1. その日に咲いた雄花を取る
    2. 花びらを取って、おしべを雌花の中心に直接こすりつける
    3. 早朝から午前 9 時ごろまでに
    4. 雄花 1 つで、雌花 3〜5 個ぶんの花粉があります
    最初の 2〜3 本は、小さいうちに摘んでしまってください。株を充実させてからのほうが、あとが続きます。

    雄花がない時期の雌花は太りませんが、咲いた日か翌日に収穫すれば食べられます。捨てなくて構いません。
    • その日に咲いた雄花を、その日に咲いた雌花につける
    • 早朝から午前 9 時ごろまでに
    • 雄花 1 つで、雌花 3〜5 個ぶんの花粉がある
    • 最初の 2〜3 本は、小さいうちに摘んでしまう。 株を充実させてからのほうが、あとが続きます
    • 雄花の花びらを取って、おしべを雌花の中心に直接こすりつけるのが確実

    雄花がない時期の雌花は太りませんが、咲いた日か翌日に収穫すれば食べられます。捨てなくて構いません。

  6. 追肥する

    • 実が成り始めたら、7〜10 日おきに追肥する
    • 収穫が何週も続く野菜です。切らすと実が曲がります
    • ただし入れすぎもよくありません。葉色を見ながら加減してください
  7. 葉を整理する

    • 実のついた節の 2〜3 節下まで葉を残し、それより下の古い葉を取る
    • 葉の軸(柄)を少し残して切る
    • 風が通って日が当たると、うどんこ病が出にくくなる
    • 受粉が終わってしぼんだ花は取る。残すとそこから実が腐る
    • マルチの外まで葉が張り出したら、その周りに敷きわらをして泥はねを止める
  8. 穫る

    • 開花から 4〜7 日、長さ 20cm 前後で穫る
    • 大きくしすぎると味が落ち、株も疲れる
    • 迷ったら早めに。これがこの野菜の鉄則です

ここだけは押さえたい

1. まき時をずらして数株作る
生育初期は雌花だけが咲きます。授粉用の雄花を確保するために、1〜2 週間ずらしてまいた株を用意してください。これを知らないと「花は咲くのに実がならない」になります。

2. 早朝に人工授粉する
その日に咲いた雄花を、その日に咲いた雌花へ。午前 9 時ごろまでに。

3. 穫り遅れない
長さ 20cm 前後、開花から 4〜7 日が目安です。実が太るのが速いので、毎日見てください。大きくしすぎると味が落ちるうえ、株が次の実をつけなくなります。

4. 支柱を 1 本添える
つるなしでも茎は伸びます。倒れると折れます。

5. 古い葉を落として風を通す
実の 2〜3 節下まで残して、それより下は取る。うどんこ病と灰色かび病がここで変わります。

6. 咲き終わった花を取る
花に灰色かび病がついて、そこから実が腐ります。受粉が終わった花がらは取ってください。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

ズッキーニで無農薬がいちばん苦しいのは、収穫が始まってからのうどんこ病です。

  • うどんこ病 — 収穫期に入ると出やすくなります。古い葉を落として風を通す、初期なら重曹や食酢をかける。打てるのはここまでで、広がってから止めきれるという裏づけはありません。うどんこ病に強い品種の名前も、資料からは取れていません
  • モザイク病 — アブラムシが運ぶウイルスです。シルバーマルチと生育初期の覆いで飛来を遅らせる以外になく、出た株は抜くしかありません
  • 肥料の幅 — 切らすと実が曲がり、やりすぎもよくない。効きのゆるやかな有機質肥料で、この狭い幅に合わせ続けるのが難しいところです

種を買う

ズッキーニ の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

コンパニオンプランツ

ズッキーニ と一緒に植えると育ちが良くなる野菜・避けるべき野菜の一般的な相性。

相性の良い野菜

  • ネギ(イメージ)
    ネギ
    土壌病害の抑制を期待して株元や畝の周囲に
  • マリーゴールド
    センチュウ対策として畝の周囲に
  • バジル(イメージ)
    バジル
    害虫忌避として(効果の試験データは確認できていません)

相性の悪い野菜

  • キュウリ(イメージ)
    キュウリ
    同じウリ科。うどんこ病・つる割病を共有する
  • カボチャ(イメージ)
    カボチャ
    同じウリ科。連作扱いになるため畝を分ける

出やすい病害虫

ズッキーニで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

虫

見つけたら早いほど楽です

生理障害

虫でも病気でもなく、環境が原因で起きるもの

病害虫の一覧を見る

よくある質問

花は咲くのに実がなりません。

ズッキーニでいちばん多い相談です。育ち始めは雌花だけが咲いて、花粉を出す雄花がありません。 受粉できないので、実は太らずに終わります。待っていても解決しないので、まき時を 1〜2 週間ずらした株を何本か用意してください。それで雄花が足りない時期を短くできます。

人工授粉は必ず必要ですか?

虫が来ていれば自然に受粉しますが、家庭菜園では確実にするほうがよいです。その日に咲いた雄花を、その日に咲いた雌花につけます。 時間は早朝から午前 9 時ごろまで。雄花の花びらを取って、おしべを雌花の中心に直接こすりつけるのが確実です。雄花 1 つで雌花 3〜5 個ぶんの花粉があります。

実が巨大になってしまいました。食べられますか?

食べられますが、味は落ちます。皮が硬くなり、中の種も目立ってきます。ズッキーニは実が太るのが速いので、毎日見てください。長さ 20cm 前後、開花から 4〜7 日が目安です。大きくしすぎると株も疲れて、次の実がつきにくくなります。

実が曲がります。

肥料切れのことが多いです。収穫が何週も続く野菜なので、実が成り始めたら 7〜10 日おきに追肥してください。ただし入れすぎもよくないので、葉の色を見ながら加減します。受粉がうまくいかなかった実も曲がります。

葉に白い粉がついています。

うどんこ病です。ただしズッキーニには、葉に銀白色の模様が入る品種があります。模様が葉脈に沿って規則的なら品種の特徴、丸く不規則に広がっているなら病気です。見分けがついたら、古い葉を落として風を通してください。

つるが伸びないのに支柱がいりますか?

いります。つるは広がりませんが、茎が立ち上がって 1m 以上になり、風で倒れると折れます。しっかりした支柱を 1 本添えて固定しておいてください。

プランターで作れますか?

作れます。つるが広がらないので、鉢でも場所を取りません。直径 30cm ほどの大きめの鉢を使ってください。ただし容量や用土量の確かな目安は取れていないので、様子を見ながら水やりと追肥を加減してください。