倒伏
株が風で傾いたり、茎が折れたりすることです。ソラマメ・トウモロコシ・ズッキーニに出ます。
病気でも虫でもありません。背が高くなった株を、根と茎で支えきれなくなっただけです。だから対処も分かりやすく、根を張らせること、重心を下げること、風を受け流すことの三つに尽きます。
ただし軽く見ないでください。倒れた株はそのままでは実が太りません。トウモロコシは雄穂が出たあとに倒れると受粉がうまくいかず、実の入りが落ちます。ソラマメは倒れた枝が通路に広がって、そこから折れます。ズッキーニは節のところで茎が裂けて、そこで終わりです。
トウモロコシが折れたときは、風のせいとは限りません。 茎にアワノメイガが入っていると、そこから折れます。茎に穴とフンがあればそちらです。アワノメイガのページを見てください。
見分け方
- 株が斜めに傾き、根のまわりの土が浮いている。根ごと倒れているなら、風と根張りの問題です
- 節のところで茎が裂けている(ズッキーニ)
- 枝が外側に広がって、通路に垂れている(ソラマメ)
- 茎に穴があいていて、まわりに木くずのようなフンがあるなら、虫に入られて折れたものです。 これは倒伏ではありません
出やすい条件
- 草丈が伸びてから。 トウモロコシは雄穂が出たあと、ソラマメは春に枝が伸びてから、ズッキーニは株が立ち上がったあと
- 強い風が吹いたとき。ソラマメは冬の風にも当たります
- 土寄せをしていないとき
- 浅く植えたとき、根が浅くしか張っていないとき
- 葉が茂って株が重くなったとき(ズッキーニ)
- 窒素を効かせすぎて、茎が軟弱に間のびしているとき
出さないために
- 追肥のたびに、株元へ土を寄せる。 トウモロコシはこれがいちばん効きます。土を寄せると、株元から出る根がそこに張って株を支えます。ソラマメも、追肥のあとに 10cm ほど厚めに寄せてください
- トウモロコシは、株元から出る分けつ(わき芽)を取らない。 残すと根の量が増えて、倒れにくくなります。取ると支えを減らすことになります
- トウモロコシは、花粉が出終わった雄穂を切る。 背の高いところの風当たりが減ります。アワノメイガ対策と同じ手なので、一石二鳥です
- ソラマメは支柱を立てて、テープで 2〜3 段に囲う。 株のまわりをぐるりと囲うようにします。目合い 15cm 程度のネットを 70cm の高さに水平に張って、そこへ枝を通す方法もあります
- ソラマメは先端を摘む。 背が伸びすぎると重心が上がります
- ズッキーニは支柱を立てて誘引し、古い葉を落として株を軽くする。 地面を這わせず、上へ伸ばす仕立てにすると倒れにくくなります
- 窒素を効かせすぎない。 軟弱に伸びた茎は折れます
出てしまったら
- 倒れた株は、できるだけ早く起こして支える。 時間がたつと、茎が曲がったまま固まります
- 起こしたら株元に土を寄せて踏み固め、支柱を添えてください
- 根が浮いていたら、土をかけて押さえる。浮いた根は乾いて働かなくなります
- ズッキーニの節が裂けたときは、その先は戻りません。 裂けた上を切り落として、残った部分を支え直してください
- トウモロコシが雄穂を出したあとに倒れたら、受粉が心配です。起こしたうえで、別の株の雄穂を切って絹糸に触れさせてください
- 折れた茎に穴とフンがあるなら、倒伏ではなく虫です。アワノメイガのページを見てください
まちがえやすいもの
- アワノメイガ(トウモロコシ) — 茎に穴とフンがあり、そこから折れます。風で倒れた株に穴はありません
- 立枯病・青枯病 — 倒れる前にしおれて、色が変わります。倒伏はしおれずに傾きます
- ネキリムシ — 苗が地際できれいに切られています。背の高い株には出ません
- 根が食われている(コガネムシの幼虫) — 引くと手応えなく抜けます。倒伏は、根が土をつかんだまま浮きます
よくある質問
トウモロコシが倒れました。起こせば実は入りますか?
早ければ入ります。倒れたらすぐに起こして、株元に土を寄せて踏み固めてください。曲がったまま固まると戻りません。雄穂が出たあとに倒れた株は受粉が心配なので、ほかの株の雄穂を切って、絹糸に触れさせておくと確実です。
トウモロコシの茎が折れました。風ですか?
折れたところを見てください。穴があいていて、まわりに木くずのようなフンがあれば、アワノメイガです。 風で折れた茎に穴はありません。虫なら、穴の上から茎を縦に裂いて幼虫を取り出してください。アワノメイガのページに手順があります。
わき芽は取ったほうがいいですか?
トウモロコシは取らないでください。株元から出る分けつを残すと、根の量が増えて倒れにくくなります。取ると支えを減らすことになります。実の太りに不利にもなりません。
ズッキーニの茎が裂けました。
裂けた節から先は戻りません。裂けた上を切り落として、残った部分を支柱で支え直してください。ズッキーニは株が立ち上がってから重くなるので、早めに支柱を立てて誘引し、古い葉を落として軽くしておくと裂けにくくなります。
ソラマメの支柱はいつ立てますか?
枝が伸びて外側に広がり始める前です。広がってから立てると、枝を傷めます。株のまわりを支柱で囲って、テープを 2〜3 段に張ってください。あわせて、追肥のあとに株元へ厚めに土を寄せておくと、根が張って倒れにくくなります。