ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイムシ)
別の呼び方: ハイマダラノメイガ、ダイコンシンクイムシ
アブラナ科の芯(生長点)だけを食べる虫です。キャベツ・ハクサイ・ブロッコリー・ダイコン・カブ・コマツナに出ます。シンクイムシとも呼ばれます。
アオムシやヨトウムシが葉をかじるのに対して、この虫はまん中の、これから伸びるところを食べます。1 株に 1 匹つけば、それで終わりです。 芯を失った株は、キャベツもハクサイも結球しません。ダイコンは根が太りません。葉はいくらでも出てきますが、二度とまとまりません。
被害の見た目は地味です。葉に大きな穴も開かず、虫も小さい。気づいたときには中心が無くなっています。夏から初秋にまくアブラナ科では、アオムシより先に警戒すべき相手です。
見分け方
- 株のまん中が無い。 新しい葉が出てこない、まん中だけ黒ずんで傷んでいる
- 芯のあたりに、糸でつづられた細かいフンのかたまり
- 芯の葉が開きかけたまま縮れ、不自然にねじれている
- 脇から複数の芽が立ち上がってきたら、すでに芯をやられたあとです
- 虫は 1cm ほど。淡い褐色で、背中に縦の筋が通っています。すばやく動き、触ると糸を吐いて落ちます
出やすい条件
- 夏まき〜初秋まきの、育苗から結球が始まるまで。 ここに集中します
- 乾いた年に増えます
- 苗のうちからつきます。ポットやセルトレーの段階で産みつけられます
- 植えつけ直後の、株がまだ小さいとき。葉が広がって芯が隠れると被害は減ります
出さないために
- 種をまいた直後から、ネットをかける。 本圃に植えてからでは遅い。苗箱・ポットの段階から覆ってください。育苗を人まかせにせず自分でまくなら、まいたその日にかけます
- 目合いは 0.4mm のものを使う。 この虫だけなら粗い目でも止まりますが、同じ時期に来るコナガやアブラムシもまとめて止めるなら細かいほうです
- 裾を土に埋めて、隙間をなくす。 四方を土や重しで押さえます。わずかな隙間から入って芯に届きます
- ネットを切らさない。 育苗から植えつけ、そして結球が始まるまで。途中で外した数日でやられます
- 株間を広くとってから張る。 細かいネットは風も止めるので、込んだまま覆うと今度は病気を呼びます
- ダイコンの直まきなら、まいてから 25 日ほど寒冷紗でトンネルしておけば、危ない時期をやり過ごせます
出てしまったら
- 芯のあたりを開いて、虫を探してつぶす。 1 株に 1 匹なので、取れば被害はそこで止まります
- 芯がすでに黒ずんで無くなっている株は、戻りません。キャベツ・ハクサイ・ブロッコリーなら抜いて植え直してください。待っても結球しません
- コマツナやカブは、葉を食べるぶんには脇から出てきた葉でも使えます。まだ時間があるならまき直すほうが早い
- 1 株見つけたら、まわりの株の芯も全部見てください。1 匹ずつ別の株についています
まちがえやすいもの
- アオムシ — 外葉に大きな不規則な穴。芯だけを狙いません。虫も大きく緑色です
- コナガ — 葉が白くかすれ、薄皮が残ります。芯も食べますが、穴の開き方が面で広がります
- オオタバコガ — 結球したあとの球に、丸い穴を開けて潜り込みます。こちらは芯ではなく中身です
- ホウ素欠乏 — 芯が褐色になりますが、虫もフンもありません。茎の中が褐色に空洞化します
よくある質問
まん中から新しい葉が出てきません。
芯を食べられています。株の中心をそっと開いて、淡い褐色の 1cm ほどの幼虫とフンのかたまりを探してください。すでに芯が黒く無くなっているなら、その株は結球しません。植え直したほうが早いです。
ネットをかけているのに入られました。
裾に隙間があったか、かけるのが遅かったかのどちらかです。この虫は苗のうちからつくので、本圃に植えてからかけても手遅れになります。種をまいた日から覆って、四方を土で押さえてください。
アオムシ用のネットでいいですか?
アオムシだけなら粗い目で足りますが、同じ時期にコナガもアブラムシも来ます。0.4mm の目合いのものを一枚持っておくほうが、結果的に手間が減ります。ただし風も止まるので、株間は広めにとってから張ってください。
芯をやられた株は、そのうち回復しますか?
しません。脇から芽が出てきますが、キャベツもハクサイもまとまって結球することはありません。時間が許すなら抜いて植え直してください。葉を食べるコマツナやカブなら、そのまま育てて葉を使う手はあります。