センチュウ類
別の呼び方: ネコブセンチュウ、ネコブセンチュウ類、サツマイモネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、線虫、イモグサレセンチュウ
土の中にいる、目に見えない細い虫です。根に取りついて養分を吸います。ニンジン・ダイコン・サツマイモ・サトイモ・ジネンジョ・オクラ・メロン・ラッカセイ・ニンニクと、根や地下の部分を食べる野菜ほど痛手が大きくなります。
この相手の難しさは、地上を見ていても分からないことです。葉の色がなんとなく薄い、生育がそろわない、暑い日にしおれやすい。そのくらいしか出ません。収穫して引き抜いて、はじめて根のこぶに気づきます。そのときにはもう、その畑の土にいます。
そして一度増えた土からセンチュウを消す手は、家庭菜園にはありません。だから Sofarm は、出てからの対処ではなく、作る順番で抑えるほうに重心を置きます。
見分け方
- 根に、直径 1〜3mm の小さなこぶが数珠のように並んでつく(ネコブセンチュウ)
- 主根がまっすぐ伸びず、股に分かれる(ニンジン・ダイコン)
- 根が黒く変色して腐り、細い根がごっそり抜け落ちている(ネグサレセンチュウ)
- サツマイモは、いもにこぶができるのではなく、表面にくびれ・くぼみ・黒ずみが出て、肌が荒れます
- 地上部は、葉数が少なく色が薄い。晴れた日の昼にしおれて、夕方に戻る。これを繰り返す
- 連作している畝ほどはっきり出ます。同じ畑でも、作り続けた場所だけ生育が悪い
出やすい条件
- 同じ科のものを同じ場所で作り続けたとき。 これがほぼすべてです
- 地温が 10〜15℃ を超えて卵がかえってから、ひと月ほどで次の世代になります。暖かい時期ほど増える速さが上がります
- 植えつけからふた月ほどで、根にこぶが見え始めます
- 雑草にも寄生するので、草を生やしたままの畑では途切れずに増えます
- 長靴や道具についた土で、よその畑から持ち込まれます
出さないために
- 同じ場所で続けて作らない。 根菜・イモ類は、最低でも 2〜3 年、できれば 4〜5 年あける。これがいちばん効きます
- 対抗植物を畝に入れる。 マリーゴールド、クロタラリア、ギニアグラス、ソルガム、エンバク。土の中のセンチュウを減らします。マリーゴールドは株間 15〜20cm で混植するか、空き畝に一面まいてください。花や穂が上がったらすぐ刈ってすき込む。 そのまま置くと種がこぼれて、ただの雑草になります
- イネ科を間に挟む。 トウモロコシ、ムギ、エンバクはセンチュウを増やしません。ラッカセイやアスパラガスも増やさない側です
- 草を生やしたままにしない。 多くの雑草が宿主になります
- 道具と長靴の土を落としてから、別の畝に移る。 よその畑で借りた道具はとくに
- サツマイモで連作せざるを得ないときは、品種を変える。 センチュウにもいくつか系統があり、品種によって強さが違います。同じ品種を続けるのがいちばん悪い手です
ニンニクだけは別の相手です
ニンニクに来るのはイモグサレセンチュウで、根のこぶではなく、りん片そのものを腐らせます。しかも種球について次の畑へ運ばれ、貯蔵中も進みます。
- 出た畑では、ニンニクを作らない。これが原則です
- 症状の出た球を種に使わない
- テンサイ・ラッカセイ・ジャガイモ・スイセン・チューリップは寄生されないので、間に入れると数が下がります
- 対抗植物やイネ科の緑肥は、ネコブセンチュウには効きますが、こちらにはあてになりません
出てしまったら
- その年の株は戻りません。収穫して、根は畑の外へ出してください。土にすき込むと次の年に持ち越します
- 次に何を植えるかを変える。 これがいまできる唯一の対処です。対抗植物か、イネ科の緑肥を一度はさんでください
- 夏に畑を空けられるなら、水をたっぷりやってから透明なフィルムで地面をぴったり覆い、ひと月ほど置いて土の温度を上げます。地表から 30cm のところで 40℃ を保てると数が落ちます。フィルムを密着させないと効きません
- こぶのついた根を堆肥に入れない
まちがえやすいもの
- 根こぶ病(アブラナ科) — こぶがこん棒のように大きく、いびつになります。センチュウのこぶは 1〜3mm の粒が並ぶ程度で、大きさがまるで違います
- 岐根(また根) — 未熟な堆肥や石に当たっても股に分かれます。こぶが無ければそちらです
- 肥料切れ — 下葉から均一に黄色くなります。センチュウは生育がそろわず、株ごとにばらつきます
- コガネムシの幼虫 — いもを食べますが、こちらはえぐられた傷になります。くびれや肌荒れではありません
よくある質問
ニンジンが股に分かれました。センチュウですか?
根の表面に 1〜3mm の小さなこぶが並んでいればセンチュウです。こぶが無く、まっすぐ割れているだけなら、未熟な堆肥や石に当たったか、土が固かったほうを疑ってください。見分けがつかないときは、洗ってから根の細いところをよく見ると分かります。
一度出た畑は、もう使えませんか?
使えます。ただし、同じものを同じ場所で作り続けることはできません。対抗植物かイネ科の緑肥を一度はさんでから、別の科のものに切り替えてください。数を減らすことはできますが、ゼロにはならない前提で付き合う相手です。
マリーゴールドは植えるだけでいいですか?
植えっぱなしでは足りません。花が上がったら刈って、土にすき込んでください。すき込むところまでが対策です。放っておくと種がこぼれて、翌年は畑じゅうに生えます。
サツマイモの肌が荒れました。これもセンチュウですか?
サツマイモに来るセンチュウは、いもにこぶを作らず、表面にくびれやくぼみ、黒ずみを出します。味は変わりませんが、見た目が落ちます。連作している畑なら、まずこれを疑ってください。次の年は対抗植物を一度はさむか、品種を変えてください。