ROOT · サトイモ科

サトイモ

Taro

サトイモ科。種をまくのではなく、種芋を植えて増やします。畑にいる期間が長く、植えてから掘るまで 140〜200 日かかります。

この野菜の性格は、ひとことで言えば 水が好き。乾燥にとても弱く、夏に乾かすと芋が太りません。そのうえ水はけが悪いのもだめで、「保水はよく、水はけもよく」という土を求めます。

作り方でいちばん大事なのは 土寄せです。芋は種芋の上にできます。親芋のわきから出た芽が土の中で太って子芋になり、子芋からさらに孫芋ができます。この芽は暗いところでないと芋になりません。 光が当たると地上の茎葉に変わってしまい、芋ができないか、小さいままで終わります。土寄せをしない年は、収穫がはっきり減ります。

もうひとつ、芽が出るまで 20〜30 日かかります。春先に寒い日が続くと 1 か月以上のこともあります。待ちきれずに掘り返さないでください。先に芽出し(暖かい場所で芽を出させておくこと)をしてから植えると、そろいがよくなります。

品種によって食べるところが違います。子芋を食べるもの(土垂・石川早生など)、親芋を食べるもの(タケノコイモなど)、親も子も食べるもの(八つ頭・セレベスなど)。種芋の説明を見て選んでください。

難易度
旬 秋
サトイモ(サトイモ科)

栽培のめやす

発芽日数
20〜30日
生育適温
20〜33℃
土壌 pH
6〜6.5
条間
80〜90cm
畝の高さ
10〜15cm
株間
40〜50cm
連作の間隔
4〜5 年

資料が 2 年から 4〜5 年まで割れる。長いほうを採った

植えつけの目安

芽が 2〜3cm 伸びたら植えつける

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
普通栽培
▼ ▼
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 品種を選ぶ

    • 子芋を食べるもの(土垂・石川早生など)… ふつうに「サトイモ」として売られているもの
    • 親芋を食べるもの(タケノコイモなど)
    • 親も子も食べるもの(八つ頭・セレベスなど)
    • 食べるところが違うので、先に確かめてください
    • 親芋を食べるもの・親も子も食べるものは、種芋も大きめ(60〜80g)を選びます。小さいと育ちません
  2. 芽出しをする

    • 植える 25〜30 日前から
    • 育苗ポットや発泡スチロールの箱、またはトンネルの中の苗床に、種芋の芽のある側を上にして置く
    • 頭が少し出る程度に土をかぶせる
    • 芽が出るまで 22〜28℃、出てからは 20〜30℃。水やりは午前中に 1 日 1 回(午後だと土の温度が下がります)
    • 日中 30℃ を超えないように換気する。33℃ を超えると種芋が腐ります
    • 芽が 2〜3cm 伸びたら植えどき
  3. 土をつくる

    • サトイモを 4〜5 年作っていない場所を選ぶ
    • 保水がよくて、水はけもよい場所。乾燥に弱く、かといって水がたまるのもだめです
    • 植えつけの 2 週間以上前に、石灰を 1㎡ あたり 100g。入れすぎて pH 6.5 を超えないように
    • 同じころ、完熟堆肥 2kg と有機質肥料 100g を 1㎡ あたり。元肥は少なめでかまいません
    • 幅 80〜90cm・高さ 10〜15cm の畝を立てる
  4. 植える

    • 霜の心配がなくなり、平均気温 18℃・地温 15℃ を超えてから
    • 雨のあとの湿った畑には植えない。 種芋が腐ります。畑が乾いてから
    • 深さ 10〜15cm の穴を掘り、芽を上にして置く
    • 株間 40〜50cm
    • 覆土は 7〜10cm。 浅いと芋が地面に出て青くなり、深すぎると芽が出ません
  5. 土を寄せる(2 回。この野菜の山場)

    芋は暗いところでないとできません

    サトイモの土寄せは、ついでの作業ではありません。これをしないと、芋になるはずの芽が葉に変わってしまいます。

    土を寄せた株
    種芋の上に親芋ができ、そのわきから子芋、さらにそのわきから孫芋が増えていきます。
    親芋。子芋。孫芋。土を高く寄せる
    種芋の上に親芋ができ、そのわきから子芋、さらにそのわきから孫芋が増えます。この芽は暗いところでないと芋になりません。
    土を寄せなかった株
    芋になるはずの芽に光が当たると、地上の茎葉に変わってしまいます。
    芽が葉に変わって、芋が増えない
    土を寄せないと、芋になるはずの芽に光が当たって、地上の茎葉に変わってしまいます。
    土寄せは 2 回
    1. 本葉 5〜6 枚・草丈 30cm になったころ
    2. 梅雨明け直後
    3. 1 回 5〜10cm ずつ、合わせて 10cm 以上
    4. 追肥は株間に置いてから、必ず土をかぶせる
    葉が通路をふさいでからはやりません。根と葉を傷めます。

    植えるときの覆土も 7〜10cm。浅いと芋が地面に出て青くなり、深すぎると芽が出ません。
    • 1 回目は本葉 5〜6 枚・草丈 30cm になったころ
    • 2 回目は梅雨明け直後
    • 1 回 5〜10cm ずつ、2 回で合わせて 10cm 以上
    • 芋は暗いところでないとできません。 光が当たると、芋になるはずの芽が茎葉に変わってしまいます
    • 土寄せのたびに追肥を。株間に置いてから、必ず畝の両側から土をかぶせる
    • 晴れが続いて土が乾いている日に。 湿っていると土の塊が大きくなって、うまく覆えません
    • 葉が通路をふさいでからはやらない。根と葉を傷めます

    マルチを張るなら、土寄せはしません。 そのぶん高い畝(20〜30cm)にして、植穴を 20cm・覆土を 15cm と深くし、肥料は追肥に回さず最初にまとめて入れます。このページの流れは、土寄せをする作り方で書いています。

  6. 乾かさない

    • 土寄せと並んで大事な管理です
    • 夏に乾くと、芋が太りません
    • 敷きわらをして、それでも乾いたら水をやる。 敷きわらだけでは夏の乾きは止まりません
    • 乾かすと、芋が太らないだけでなく、ひび割れや二度太りの変形芋が出ます
  7. 穫る

    • 植えてから 140〜200 日。下の葉が数枚黄色くなって枯れ始めたころ
    • 気温が 15℃ を下回ると、芋は太らなくなります
    • 霜が降りる前に掘り終える。 3℃ 以下に当たると地上部がすぐ枯れます
    • 晴れて畑が乾いている日に。土が落ちやすくなります
    • 腐った芋・傷んだ芋・小さい芋も残さず拾って畑の外へ。 残すと翌年に芽を出して、次の作の病気の元になります
  8. 保存する

    • 長く置くなら、親芋から子芋・孫芋を切り離さず、株のまま涼しくて暗いところに
    • 切り離すと、傷口から菌が入って腐ります
    • 種芋にするものも同じです

ここだけは押さえたい

1. 土寄せを 2 回する
芋は暗いところでないとできません。光が当たると、芋になるはずの芽が茎葉に変わります。合わせて 10cm 以上、しっかり寄せてください。

2. 乾かさない
乾燥にとても弱い野菜です。敷きわらをして、それでも乾いたら水をやってください。乾かすと芋が太らず、ひび割れや変形芋が出ます。

3. 暖かくなってから、乾いた畑に植える
平均気温 18℃・地温 15℃ を超えてから。雨のあとの湿った畑に植えると、種芋が腐ります。

4. 芽が出るまで 20〜30 日待つ
春先に寒い日が続くと 1 か月以上かかります。掘り返さないでください。先に芽出しをしておくと、そろいがよくなります。

5. 元肥は少なめ、追肥に重点を置く
芽が出てしばらくは種芋の養分で育つので、元肥が多くても使われません。土寄せのたびに足すほうが効きます。

6. 追肥したら必ず土をかぶせる
株間に置いたままにせず、畝の両側から土を寄せて覆ってください。

7. 覆土は 7〜10cm
浅いと芋が地面に出て、青くなります。深すぎると芽が出ず、腐ります。

8. 霜の前に掘り終える
3℃ 以下の霜に当たると、地上部はすぐ枯れます。気温が 15℃ を下回ったら、芋はもう太りません。

9. 保存は株のまま
子芋を切り離すと、傷口から腐ります。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • 種芋から伝わる病気(疫病・乾腐病・茎腐病・軟腐病) — これらは、種芋についた菌が畑に持ち込まれて起きます。産地では種芋を薬で消毒します。出てから無農薬で止める手はありません。できるのは、傷や腐りのない種芋を選ぶこと、水につけて浮いたものをはじくこと、同じ場所で続けて作らないこと、畑の水はけをよくすることまでです
  • ハスモンヨトウ — 若いうちは葉の裏に集団でいます。その葉ごと取れば済みます(→ヨトウムシ類)
  • セスジスズメ — 大きな幼虫が葉を食べます。目立つので見回って捕る。葉裏の卵のうちに取れれば、いちばん確実です
  • アブラムシ — モザイク病を運びます(→アブラムシ類)
  • コガネムシ — 幼虫が地中の芋をかじります。分解しきっていない堆肥を入れないこと
  • 線虫(根につく、目に見えないほど小さな虫) — 同じ場所で続けて作らないほかに手はありません

種を買う

サトイモ の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

出やすい病害虫

サトイモで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

病気

風通しと水はけで出方が変わります

ほかに 1 件の報告があります。

病害虫の一覧を見る

よくある質問

芽が出ません。

まだ早いだけかもしれません。サトイモは、植えてから芽が出るまで 20〜30 日かかります。春先に寒い日が続くと 1 か月以上のこともあります。掘り返さないでください。

そのうえで、原因になりやすいのが 2 つあります。

寒いうちに植えた。 霜の心配がなくなり、平均気温 18℃・地温 15℃ を超えてからです。それより早いと、芽が出る前に種芋が腐ります。

雨のあとの湿った畑に植えた。 畑が乾いてから植えてください。

次からは、植える 25〜30 日前から芽出しをしておくと、そろいがよくなります。箱や苗床に種芋の芽のある側を上にして置き、頭が少し出る程度に土をかぶせて、22〜28℃ で。ただし日中 30℃ を超えないよう換気してください。33℃ を超えると腐ります。

芋が小さいです。数が少ないです。

土寄せ不足がいちばん多い原因です。

芋は種芋の上にできます。親芋のわきから出た芽が土の中で太って子芋になり、子芋からさらに孫芋ができます。この芽は暗いところでないと芋になりません。 光が当たると地上の茎葉に変わってしまい、芋ができないか、小さいままで終わります。

土寄せは 2 回。本葉 5〜6 枚・草丈 30cm のころと、梅雨明け直後。1 回 5〜10cm ずつ、合わせて 10cm 以上です。

もうひとつ、夏の乾燥でも芋は太りません。敷きわらをして、それでも乾いたら水をやってください。

芋が緑色になりました。

青芋です。覆土と土寄せが浅かったということです。

植えるときの覆土は 7〜10cm。そのうえで土寄せを 2 回。土から出た芋は日に当たって緑になります。

芋がひび割れました。形がいびつです。

乾燥です。ひび割れも、いったん止まった芋がまた太り始めて形が崩れるのも、水が足りないときに起きます。

この野菜は乾燥にとても弱いので、敷きわらだけでは夏の乾きは止まりません。乾いたら水をやってください。

土寄せはいつ、何回するのですか?

2 回です。

1 回目は本葉 5〜6 枚・草丈 30cm になったころ、2 回目は梅雨明け直後。1 回 5〜10cm ずつ、合わせて 10cm 以上。

晴れが続いて土が乾いている日にやってください。湿っていると土の塊が大きくなって、うまく覆えません。

追肥も一緒に。株間に置いてから、必ず畝の両側から土をかぶせます。

葉が通路をふさいでからはやりません。 根と葉を傷めます。

なお、マルチを張るなら土寄せはしません。そのぶん高い畝(20〜30cm)にして、植穴を 20cm・覆土を 15cm と深くし、肥料は追肥に回さず最初にまとめて入れます。

子芋・親芋・八つ頭は何が違うのですか?

食べるところが違います。

  • 子芋を食べるもの(土垂・石川早生など)… ふつうに「サトイモ」として売られているもの
  • 親芋を食べるもの(タケノコイモなど)
  • 親も子も食べるもの(八つ頭・セレベスなど)

親芋を食べるものと親も子も食べるものは、種芋も大きめ(60〜80g)を選んでください。小さいと育ちません。

いつ掘ればいいですか?

植えてから 140〜200 日。下の葉が数枚黄色くなって枯れ始めたころです。

気温が 15℃ を下回ると芋は太らなくなります。3℃ 以下の霜に当たると地上部がすぐ枯れるので、霜の前に掘り終えてください。

晴れて畑が乾いている日に掘ると、土が落ちやすくなります。

掘ったら、腐った芋・傷んだ芋・小さい芋も残さず拾って畑の外へ。残すと翌年に芽を出して、次の作の病気の元になります。

保存はどうすればいいですか?

親芋から子芋・孫芋を切り離さず、株のまま、涼しくて暗いところに置いてください。切り離すと、傷口から菌が入って腐ります。

翌年の種芋にするものも同じです。

翌年の種芋にできますか?

できます。株のまま保存しておいて、植えるときに切り離します。

ただし、腐りや傷、芽の欠けがあるものは使わないでください。サトイモの病気の多くは種芋について持ち込まれます。水につけて浮いたものもはじきます。

プランターで作れますか?

できますが、深さが要ります。芋は種芋の上に積み上がるように増えるので、土を足していく余裕が必要です。

深さ 30cm 以上の大きめの容器に 1 株。乾燥に弱いので、水やりは畑より頻繁に。