ジャガイモ
Potatoナス科。種をまくのではなく、種芋を植えて増やします。
この野菜には、ほかの野菜と正反対の決まりごとがひとつあります。石灰を入れないこと。 ふつうは酸性を直すために石灰を入れますが、ジャガイモは土がアルカリに傾くと、芋の表面にかさぶたのような斑点ができる「そうか病」が出ます。適した pH は 5.0〜5.5 と低めで、5.6 を超えると出やすくなります。牛ふんや鶏ふんの入れすぎも同じ理由で避けます。
もうひとつ大事なのが 土寄せです。芋は種芋の下ではなく、種芋の少し上から横に伸びた枝の先にできます。だから土を寄せないと、芋が育つ場所がありません。しかも浅いところにできた芋は日光に当たって緑色になり、ソラニンという毒ができて食べられなくなります。
種芋は、前の年に自分で穫った芋を使わないでください。ウイルス病を持っていることがあります。市販の種芋を使います。
栽培のめやす
- 発芽適温
- 15〜20℃
- 生育適温
- 15〜20℃
- 土壌 pH
- 5〜5.5
- 株間・条間
- 30cm
- 畝幅・畝間
- 50cm
- まき深さ
- 5〜6cm
- 連作の間隔
- 3〜4 年
- 植えつけの目安
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平均気温が 10℃ になる時期(生育開始温度=地温 10℃)が種いもの植え付け適期
種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。
育て方
上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。
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種芋を用意する
- 市販の種芋を使う。 前の年に自分で穫った芋は、ウイルス病を持っていることがあります
- 頂部の芽がいくつか伸び出したものを選ぶ
- 40〜60g のものはそのまま。大きいものは、芽が均等につくように切り分けて 1 片 40〜60g に
- 切ったら、風通しのよい日陰で 2〜3 日乾かしてから植える。 草木灰(草や木を燃やした灰)を切り口につける方法もありますが、量と、そうか病への影響は確かめられていません
- 秋に植えるなら切らない。 切らずに植えられる小さめ(60g 以下)の種芋を選びます。切ると、暑さの残る土の中で腐ります。品種も秋植え用のものを
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芽出しをする(春に植える場合)
- 植える 20〜30 日前から、種芋を日に当てて芽を起こす
- 6〜20℃ の明るいところで、昼間 20℃ を超えないように。途中 2〜3 回、置く場所を入れ替える
- かたくて丈夫な芽が 3〜5mm になったら植えどき
- 芽の出が 1 週間ほど早まり、芽の出ない種芋を先に見分けられます
- 秋に植えるときは、この作業はしません
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土をつくる
- ナス科を 3〜4 年作っていない場所を選ぶ
- 石灰を入れない
- 植えつけの 2 週間以上前に、完熟堆肥 2kg と有機質肥料 100g を 1㎡ あたり
- 牛ふん・鶏ふんを多用しない。そうか病を呼びます
- 幅 50cm・高さ 10cm の畝を立てて、中央に深さ 10cm の植え溝を作る
- 水はけの悪い粘土質の畑では、植え溝を浅くして、植えたあとに両側から土を盛り上げる
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植える
- 平均気温が 10℃ になるころ。春は遅霜の心配がなくなる範囲で、できるだけ早く
- 株間 30cm。切った種芋は、切り口を下に向ける
- 覆土は 5〜6cm。秋に植えるときは 8〜10cm とやや深めに
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芽かきをする
- 芽が 10cm ほどに伸びたころ、勢いのよい芽を 2〜3 本残して、ほかは取る
- 株元の土を手で押さえながら、横に引っ張るように 1 本ずつ抜く。 種芋ごと抜けないようにするためです。ハサミで根元から切ってもかまいません
- 残す芽が多いほど、芋は小さくなります
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土を寄せる(2 回。この野菜の山場)
芋は種芋の上にできる。だから土を寄せる
ジャガイモの土寄せは、ついでの作業ではありません。これをしないと、芋の育つ場所そのものがなくなります。
土を寄せた株種芋の少し上から横に枝が出て、その先がふくらんで芋になります。寄せた土の中が、芋の育つ場所です。
芋ができるのは、種芋の少し上から横に伸びた枝の先です。土を寄せた高さが、そのまま芋の育つ場所になります。土を寄せなかった株芋が育つ場所がなく、土から出たものは日に当たって緑色になります。
株元に土が盛られていないと、芋が地面から顔を出します。日に当たったところは緑色になり、食べられません。土寄せは 2 回1. 芽かきのときに 5cm ほど2. 地上部が 30cm になったころに 10〜15cm3. 畝の山と谷の差が 20〜25cm になるよう、カマボコ型に盛る4. 土寄せのたびに追肥を 1㎡ あたり 30g遅れないこと。時期を逃すと、伸びた枝や茎を傷つけて病気を広げます。
この野菜は石灰を入れません。土がアルカリに傾くと、芋の表面にかさぶたのような斑点ができます。- 1 回目は芽かきのときに、5cm ほど
- 2 回目は地上部が 30cm になったころに、10〜15cm
- 畝の山と谷の差が 20〜25cm になるように、カマボコ型に盛る
- 芋は種芋の少し上にできます。土を寄せないと育つ場所がなく、日に当たって緑色になります
- 土寄せのたびに追肥を 1㎡ あたり 30g
- 遅れない。 時期を逃すと、芋のつく枝(種芋から横に伸びた枝)や茎を傷つけて、軟腐病や疫病を広げます
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花が咲いたら
- 取っても、咲かせたままでもかまいません。芋の太りには影響しません
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水をやる(乾きが続いたときだけ)
- 基本は雨任せで、水やりはしません
- ただし極端な乾燥が続いたら、早朝か夕方にたっぷり
- 乾かし続けると芋が太らず、中が空洞になったり割れたりします
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穫る
- 茎葉が半分以上枯れてから
- 晴れた日が続いて、土が乾いているときに掘る。 湿っていると腐ります
- 開花後に茎葉が黄色くなり始めたら、1 株掘って太り具合を確かめる
- 秋に植えたものは、自然に枯れるより先に霜で傷むことが多いので、葉が傷み始めたら早めに掘ります
- 掘ったら半日ほど天日で乾かす。表面を乾かすと、ついた菌も減ります
- そのあと、雨の当たらない風通しのよい日陰でさらに乾かし、土を落としてから保存します
- 緑色になった芋は食べない。 ソラニンという毒ができています
ここだけは押さえたい
1. 石灰を入れない
ほかの野菜と逆です。土がアルカリに傾くと、芋の表面にかさぶたのような斑点ができる「そうか病」が出ます。牛ふん・鶏ふんの多用も同じ理由で避けてください。
2. 土寄せを 2 回する
芋は種芋の少し上にできます。土を寄せないと育つ場所がありません。1 回目は芽かきのときに 5cm、2 回目は地上部が 30cm になったころに 10〜15cm。畝の山と谷の差が 20〜25cm になるように盛ります。
3. 緑色になった芋は食べない
土から出て日に当たった芋は、皮にソラニンという毒ができます。土寄せが足りなかったということです。
4. 市販の種芋を使う
前の年に自分で穫った芋は、ウイルス病を持っていることがあります。
5. 春に植えるなら芽出しをする
20〜30 日前から日に当てて、3〜5mm の芽を起こしておきます。芽の出が早まり、出ない種芋も先に分かります。
6. 芽は 2〜3 本に絞る
多く残すほど芋は小さくなります。株元を押さえて、横に引っ張るように抜いてください。
7. 肥料を入れすぎない
多肥は疫病を招き、芋の中心が空洞になります。1 回の栽培で入れる窒素は、元肥と追肥を合わせて 1㎡ あたり 8g を目安にしています。
8. 土が乾いた日に掘る
湿った土で掘ると腐ります。掘ったら半日ほど天日で乾かしてください。
農薬を使わないと、ここが難しい
うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。
- そうか病 — 芋の表面にかさぶた状の斑点ができます。出てから無農薬で治す手はありません。できるのは、土をアルカリに傾けないことまでです。 石灰を入れない、牛ふん・鶏ふんを多用しない。米ぬかを入れると抑えられたという報告もありますが、特定の土と品種での試験なので、Sofarm でこれから確かめます
- 疫病 — 低温で多湿のとき、肥料が多くて軟弱に育ったときに出ます。出てから無農薬で治す手はありません。 できるのは、肥料を効かせすぎないことと、土寄せのときに茎葉を傷つけないことまでです。ただし広がってしまったら、地上部を刈り取り、数日おいて茎が枯れてから掘り上げてください。茎葉がついたまま掘ると、芋に移ります(→疫病)
- ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ) — 成虫も幼虫も葉を食べ、放っておくと葉がほとんどなくなります。見つけて捕ること、卵を取り除くこと。 早めに植えて、虫の盛りが来る前に穫り終える手もあります
- アブラムシ — ウイルス病を運びます。銀色のマルチで飛来を減らす、黄色い粘着板で捕る(→アブラムシ類)
- 軟腐病 — 土寄せのときに茎を傷つけると、そこから入ります。作業をていねいに(→軟腐病)
- モザイク病 — アブラムシが運びます。出た株は抜くしかありません。市販の種芋を使うことが、いちばんの予防です
出やすい病害虫
ジャガイモで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。
虫
見つけたら早いほど楽です病気
風通しと水はけで出方が変わりますよくある質問
芋が緑色になりました。食べられますか?
食べないでください。 日に当たった芋の皮には、ソラニンという毒ができます。
原因は土寄せ不足です。芋は種芋の少し上にできるので、土を寄せないと浅いところで育って、土から顔を出してしまいます。
次からは土寄せを 2 回。1 回目は芽かきのときに 5cm、2 回目は地上部が 30cm になったころに 10〜15cm。畝の山と谷の差が 20〜25cm になるように盛ってください。
芋が小さいです。数が少ないです。
考えられるのは 3 つです。
土寄せ不足。 芋の育つ場所そのものが足りていません。
芽を残しすぎ。 芽が 10cm に伸びたころ、勢いのよいものを 2〜3 本残して、ほかは取ります。多く残すほど芋は小さくなります。
芽出しをしていない。 春に植えるなら、20〜30 日前から種芋を日に当てて、3〜5mm の芽を起こしておきます。芽の出が 1 週間ほど早まり、そのぶん育つ期間が伸びます。
芋の表面に、かさぶたのような斑点があります。
そうか病です。土がアルカリに傾くと出ます。
この野菜は、ほかの野菜と逆で石灰を入れません。牛ふんや鶏ふんの入れすぎも同じ理由で避けてください。適した pH は 5.0〜5.5 と低めで、5.6 を超えると出やすくなります。
皮をむけば食べられますが、出てから治す手はありません。
芽かきは何本残せばいいですか?
2〜3 本です。芽が 10cm ほどに伸びたころに。
株元の土を手で押さえながら、横に引っ張るように 1 本ずつ抜いてください。そのまま引くと種芋ごと抜けます。ハサミで根元から切ってもかまいません。
小粒をたくさん穫りたいなら、残す本数を増やします。
花は取ったほうがいいですか?
どちらでもかまいません。 多少の養分は使いますが、芋の太りには影響しません。
いつ掘ればいいですか?
茎葉が半分以上枯れてから。 開花後に葉が黄色くなり始めたら、1 株掘って太り具合を確かめてください。
晴れた日が続いて、土が乾いているときに掘ります。 湿った土で掘ると腐ります。
秋に植えたものは、自然に枯れるより先に霜で傷むことが多いので、葉が傷み始めたら早めに掘ってください。
前の年に穫った芋を種にしていいですか?
やめたほうがいいです。 ウイルス病を持っていることがあります。市販の種芋を使ってください。
春に植えるのと秋に植えるので、何が変わりますか?
種芋の扱いが変わります。
春は、大きい種芋を 1 片 40〜60g に切り分けて、切り口を 2〜3 日乾かしてから植えます。植える 20〜30 日前から日に当てて芽を起こしておくと、出が早まります。
秋は切りません。 暑さの残る土の中では、切り口から腐るからです。切らずに植えられる小さめ(60g 以下)の種芋を選んでください。覆土も 8〜10cm とやや深めに。芽出しもしません。品種も秋植え用のものを使います。
保存はどうすればいいですか?
掘ったら半日ほど天日で乾かします。表面を乾かすと、ついた菌も減ります。
そのあと、雨の当たらない風通しのよい日陰でさらに乾かし、土を落としてから保存します。風通しのよい暗いところで 5℃ 前後が理想です。重ねたり袋に密封したりすると、酸素が足りなくなって腐ります。
プランターで作れますか?
できます。深さ 30cm 以上・容量 20L 以上のものを選んでください。
底から 15cm ほど土を入れて種芋を置き、8〜10cm 覆土します。あとから土を足していくので、容器の高さの 4 割ほどは空けておいてください。
水のやりすぎで種芋が腐るので、土の表面が乾いてから、鉢底から流れ出るくらい与えます。