FRUIT · ウリ科

キュウリ

Cucumber

ウリ科。家庭菜園でいちばん「穫れすぎる」野菜かもしれません。実が太るのが速く、盛りには毎日穫れます。

この野菜の性格は 2 つの言葉で言えます。水をよく吸うのに、根が浅い。

根が地表近くにしか張らないので、乾くとすぐ影響が出ます。しかも酸素もよく使うので、水はけが悪いと根が傷みます。「水をたっぷり、でも水はけよく」という、一見矛盾したことを両立させる必要があります。畝を高くして、敷きわらをして、水をしっかりやる。これがこの野菜の基本姿勢です。

もうひとつ、株元から 5 節(葉のつけ根 5 つ分)までは実をつけさせない。ここで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れて、あとが続きません。最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏の収穫量が変わります。

難易度
旬 夏
記事 1件
キュウリ(ウリ科)

栽培のめやす

発芽適温
25〜30℃
発芽日数
4〜5日
生育適温
20〜25℃
土壌 pH
6〜6.5
条間
90cm〜1.2m
畝の高さ
15cm 以上
まき深さ
1cm
株間
50cm
連作の間隔
2〜3 年

つる割病が出た畑では 4〜5 年あける

植えつけの目安

本葉 3〜4 枚

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
春まき
露地普通栽培
▼ ▼
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 品種を選ぶ

    • 種袋に「うどんこ病に強い」とあるものを選ぶ。無農薬ではここがいちばん効く
    • 接ぎ木苗(病気に強い別の根に接いだ苗)を選ぶと、つる割病を避けられる
  2. 土をつくる

    • ウリ科を 2〜3 年作っていない場所を選ぶ
    • 植えつけの 2 週間前に石灰を入れて、深く耕す
    • その 1 週間後に堆肥と元肥を入れて、畝を立てる
    • 畝は幅 90cm〜1.2m、高さ 15cm 以上。 根が浅く酸素をよく使うので、ここが効きます
    • シルバーラインの入った黒マルチを張る。アブラムシの飛来も減ります
  3. 苗を育てる

    • ポットに 2〜3 粒、深さ 1cm
    • 25〜30℃ を保つ。 4〜5 日で芽が出ます
    • 子葉が出たら 2 本に、本葉 1 枚で 1 本に間引く
    • 30 日前後で植えどき
  4. 植える

    • 本葉 3〜4 枚で
    • 株間 50cm
    • 深植えしない。 畝の面と同じ高さに
    • 接ぎ木苗は、接いだところを土につけない
    • 植えたらすぐ 30〜40cm の仮支柱を立てて固定する
  5. 支柱とネットを立てる

    • 両側から斜めに立てて上で交差させる支柱(合掌式)を 50cm 間隔で立てるか、つるを絡ませるネットを張る
    • つるが伸びる前に用意しておく
  6. 下の 5 節を整理する

    株元から 5 節までは、実をつけさせない

    最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏に穫れる量が変わります。下のほうで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れてしまいます。

    下 5 節は取った跡。6 節目から実をつける
    株元から 5 節までのわき芽と実は、小さいうちに取ります。最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏に穫れる量が変わります。
    節の数え方
    節とは、葉のつけ根のことです。土ぎわの葉を 1 節目として、上へ数えます。
    1. 土ぎわの葉から上へ 5 節を数える
    2. そこまでのわき芽・小さい実・花を取る
    3. 6 節目から上は、そのまま実らせる
    4. 親づるは手の届く高さで先を止める
    取るのは小さいうちに。大きくなってから取ると、傷口から病気が入ります。

    親づるを止めたあとは、株元から本葉 5 枚までの葉を取り、そのあとも週に 1 回、古い葉を 2〜3 枚ずつ落としてください。風と日が通ると、うどんこ病とべと病が出にくくなります。
    • 株元から 5 節までのわき芽・子づる・雌花は、全部取る
    • 節とは、葉のつけ根のこと。土ぎわの葉を 1 節目として上へ数えます
    • ここで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れます
    • 取るのは小さいうちに。大きくなってから取ると、傷口から病気が入ります
  7. つるを整理する

    • 親づるは、手の届く高さ(1.8m ほど)で止める
    • 子づるは葉 2 枚のすぐ上で、孫づるは 1〜2 節で止める
    • 親づるを止めたころ、株元から本葉 5 枚までの葉を取る
    • そのあとは週に 1 回、古い葉を 2〜3 枚ずつ取っていく
  8. 水を切らさない

    • この野菜でいちばん大事な作業
    • 根が浅いので、乾くとすぐ影響が出ます
    • 株元だけでなく、畝のあいだまでたっぷりやる
    • 敷きわらをして、土の乾きをゆるめる
  9. 追肥を続ける

    • 1 回目は最初の実を穫るときに。そのあとは 10 日〜2 週間おき
    • 葉色が薄くなってからでは遅い。 薄くなる前に足します
    • マルチを張っているなら、一度めくって畝の肩に入れる
    • 穫れる期間が長いので、切らすと株が疲れて実が曲がります
  10. 穫る

    • 長さ 18cm を超えたら穫る。 開花から 1 週間ほどが目安です
    • 1 番果はとくに早めに。盛りには毎日穫るくらいでちょうどです
    • 大きくしすぎると株が疲れて、そのあとが続きません

ここだけは押さえたい

1. 畝を高くする
根が浅く、酸素をよく使います。水はけが悪いと根が傷んで病気が出ます。「水をたっぷり、でも水はけよく」を両立させるのが高い畝です。

2. 水を切らさない
根が地表近くにしかないので、乾くとすぐ実に出ます。敷きわらで乾きをゆるめ、夏は毎日見てください。

3. 株元から 5 節までは実をつけさせない
ここで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れます。最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏の収穫量が変わります。

4. 親づるは手の届く高さで止める
それ以上伸ばしても、手が届かず穫れないうえに、管理が大変になるだけです。

5. 古い葉を定期的に取る
週に 1 回、2〜3 枚ずつ。風と日が通ると、うどんこ病とべと病が出にくくなります。

6. 追肥を切らさない
最初の実を穫るときに 1 回目。そのあとは 10 日〜2 週間おき。切らすと株が疲れて、実が曲がります。

7. 18cm を超えたら穫る
大きくしすぎると株が疲れます。盛りには毎日穫るくらいでちょうどです。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • うどんこ病 — 種袋に「うどんこ病に強い」とあるものを選ぶのが、無農薬ではいちばん効きます。そのうえで古い葉を取って風を通す。出はじめなら薄めた重曹や食酢で止まることもありますが、広がりきってからは無農薬の範囲に手がありません(→うどんこ病)
  • べと病 — 泥はねを止め、風を通すのが基本です。こちらも広がってから止める手はありません(→べと病)
  • つる割病 — 土から来て、出た株は枯れます。接ぎ木苗と輪作が現実的な対処です。ネギを近くに植える手もありますが、接ぎ木苗を使うなら上乗せはあまり期待できません(→つる割病)
  • ウリハムシ — 苗のうちが山場です。不織布や防虫ネットで覆って守りますが、つるが伸び始めると覆い続けられません(→ウリハムシ)
  • アブラムシ — シルバーラインの入ったマルチで飛来を減らせますが、全部は止まりません(→アブラムシ類)

品種一覧

家庭菜園で栽培実績のある キュウリ の品種。スコアは 1〜5 段階(収量・耐病・食味)。

夏すずみ

初心者◎

定番。耐病性高く家庭菜園向き。

収量
5
耐病
5
食味
4
種を買う

フリーダム

初心者◎

トゲなし。皮も柔らかく食感良好。

収量
4
耐病
4
食味
5
種を買う

加賀太きゅうり

太短い在来種。煮物にも合う。

収量
3
耐病
3
食味
4
種を買う

出やすい病害虫

キュウリで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

病害虫の一覧を見る

よくある質問

どのくらいの大きさで穫ればいいですか?

長さ 18cm を超えたら穫ってください。 花が咲いてから 1 週間ほどです。

大きくしすぎると株が疲れて、そのあとの実が細くなったり曲がったりします。とくに最初の 1 本は早めに。盛りには毎日穫るくらいでちょうどです。

実が曲がります。細いです。

肥料切れか、水不足です。

キュウリは長く穫り続ける野菜なので、途中で肥料が切れると株が疲れて実の形が崩れます。最初の実を穫るときに 1 回目の追肥をして、そのあとは 10 日〜2 週間おきに足してください。葉の色が薄くなってからでは遅いので、薄くなる前に。

水も同じです。根が浅いので、乾くとすぐ実に出ます。

下のほうのわき芽や花は、取ったほうがいいですか?

株元から 5 節までは、わき芽も小さい実も花も全部取ってください。

節とは葉のつけ根のことで、土ぎわの葉を 1 節目として上へ数えます。ここで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れて、あとが続きません。最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏に穫れる量が変わります。

取るのは小さいうちに。大きくなってから取ると、傷口から病気が入ります。

親づるはどこまで伸ばせばいいですか?

手の届く高さ(1.8m ほど)で先を止めてください。 それ以上伸ばしても、手が届かず穫れないうえに、管理が大変になるだけです。

子づるは葉 2 枚のすぐ上で、孫づるは 1〜2 節で止めます。

葉に白い粉のようなものがつきました。

うどんこ病です。無農薬で広がりきってから止める手はありません。

打てるのは、古い葉を取って風と日を通すこと、出はじめなら薄めた重曹や食酢をかけることまでです。いちばん効くのは、種袋に「うどんこ病に強い」とある品種を選ぶこと。来年はそこから変えてください。

株が急にしおれて枯れました。

つる割病の可能性があります。土から来る病気で、出た株は枯れます。治りません。

抜いて、次はウリ科を 4〜5 年あけてください。接ぎ木苗を使うと避けられます。

実が苦いです。

株が弱っているときに出やすくなります。水切れ、肥料切れ、極端な高温や低温が重なったときです。

苦みはヘタに近いほうに出るので、そこを切り落とせば食べられます。

プランターで作れますか?

できます。深さ 30cm 以上、1 株に 1 鉢が目安です。

ただし土の量が少ないぶん、乾くのが速い。畑よりもこまめに水をやってください。夏は朝夕 2 回になることもあります。追肥も畑より早めに切れます。

何株植えれば、毎日食べられますか?

4m の畝 2 本で、採れ盛りに 1 日 10〜15 本というのが Sofarm での実績です。株間 50〜60cm なので株数は 14〜16 株、1 株あたり 1 日 1 本弱という計算になります。

家族で食べきる量を考えると、多くの家庭ではこの半分でも余ります。4〜6 株から始めて、足りなければ次の年に増やすのが現実的です。

長く穫るにはどうすればいいですか?

1〜2 か月ずらして、2 回に分けて植えてください。 キュウリは 1 株の寿命が短く、採れ盛りを過ぎると急に勢いが落ちます。同じ日に全部植えると、採れすぎる時期と採れない時期がはっきり分かれます。

ずらして植えると、前の株が終わるころに後の株が上がってきます。

大きくなりすぎたキュウリは食べられますか?

食べられます。 皮が硬く種も目立ちますが、皮をむいて種をスプーンで取り、冬瓜のように煮物にすると気になりません。いったん煮てから冷やすと味が入ります。

そもそも大きくしないのがいちばんですが、2〜3 日見ないうちに育っているのがこの野菜です。捨てなくて構いません。

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