キュウリ
Cucumberウリ科。家庭菜園でいちばん「穫れすぎる」野菜かもしれません。実が太るのが速く、盛りには毎日穫れます。
この野菜の性格は 2 つの言葉で言えます。水をよく吸うのに、根が浅い。
根が地表近くにしか張らないので、乾くとすぐ影響が出ます。しかも酸素もよく使うので、水はけが悪いと根が傷みます。「水をたっぷり、でも水はけよく」という、一見矛盾したことを両立させる必要があります。畝を高くして、敷きわらをして、水をしっかりやる。これがこの野菜の基本姿勢です。
もうひとつ、株元から 5 節(葉のつけ根 5 つ分)までは実をつけさせない。ここで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れて、あとが続きません。最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏の収穫量が変わります。
栽培のめやす
- 発芽適温
- 25〜30℃
- 発芽日数
- 4〜5日
- 生育適温
- 20〜25℃
- 土壌 pH
- 6〜6.5
- 条間
- 90cm〜1.2m
- 畝の高さ
- 15cm 以上
- まき深さ
- 1cm
- 株間
- 50cm
- 連作の間隔
-
2〜3 年
つる割病が出た畑では 4〜5 年あける
- 植えつけの目安
-
本葉 3〜4 枚
種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。
育て方
上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。
-
品種を選ぶ
- 種袋に「うどんこ病に強い」とあるものを選ぶ。無農薬ではここがいちばん効く
- 接ぎ木苗(病気に強い別の根に接いだ苗)を選ぶと、つる割病を避けられる
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土をつくる
- ウリ科を 2〜3 年作っていない場所を選ぶ
- 植えつけの 2 週間前に石灰を入れて、深く耕す
- その 1 週間後に堆肥と元肥を入れて、畝を立てる
- 畝は幅 90cm〜1.2m、高さ 15cm 以上。 根が浅く酸素をよく使うので、ここが効きます
- シルバーラインの入った黒マルチを張る。アブラムシの飛来も減ります
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苗を育てる
- ポットに 2〜3 粒、深さ 1cm
- 25〜30℃ を保つ。 4〜5 日で芽が出ます
- 子葉が出たら 2 本に、本葉 1 枚で 1 本に間引く
- 30 日前後で植えどき
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植える
- 本葉 3〜4 枚で
- 株間 50cm
- 深植えしない。 畝の面と同じ高さに
- 接ぎ木苗は、接いだところを土につけない
- 植えたらすぐ 30〜40cm の仮支柱を立てて固定する
-
支柱とネットを立てる
- 両側から斜めに立てて上で交差させる支柱(合掌式)を 50cm 間隔で立てるか、つるを絡ませるネットを張る
- つるが伸びる前に用意しておく
-
下の 5 節を整理する
株元から 5 節までは、実をつけさせない
最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏に穫れる量が変わります。下のほうで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れてしまいます。
株元から 5 節までのわき芽と実は、小さいうちに取ります。最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏に穫れる量が変わります。節の数え方節とは、葉のつけ根のことです。土ぎわの葉を 1 節目として、上へ数えます。1. 土ぎわの葉から上へ 5 節を数える2. そこまでのわき芽・小さい実・花を取る3. 6 節目から上は、そのまま実らせる4. 親づるは手の届く高さで先を止める取るのは小さいうちに。大きくなってから取ると、傷口から病気が入ります。
親づるを止めたあとは、株元から本葉 5 枚までの葉を取り、そのあとも週に 1 回、古い葉を 2〜3 枚ずつ落としてください。風と日が通ると、うどんこ病とべと病が出にくくなります。- 株元から 5 節までのわき芽・子づる・雌花は、全部取る
- 節とは、葉のつけ根のこと。土ぎわの葉を 1 節目として上へ数えます
- ここで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れます
- 取るのは小さいうちに。大きくなってから取ると、傷口から病気が入ります
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つるを整理する
- 親づるは、手の届く高さ(1.8m ほど)で止める
- 子づるは葉 2 枚のすぐ上で、孫づるは 1〜2 節で止める
- 親づるを止めたころ、株元から本葉 5 枚までの葉を取る
- そのあとは週に 1 回、古い葉を 2〜3 枚ずつ取っていく
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水を切らさない
- この野菜でいちばん大事な作業
- 根が浅いので、乾くとすぐ影響が出ます
- 株元だけでなく、畝のあいだまでたっぷりやる
- 敷きわらをして、土の乾きをゆるめる
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追肥を続ける
- 1 回目は最初の実を穫るときに。そのあとは 10 日〜2 週間おき
- 葉色が薄くなってからでは遅い。 薄くなる前に足します
- マルチを張っているなら、一度めくって畝の肩に入れる
- 穫れる期間が長いので、切らすと株が疲れて実が曲がります
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穫る
- 長さ 18cm を超えたら穫る。 開花から 1 週間ほどが目安です
- 1 番果はとくに早めに。盛りには毎日穫るくらいでちょうどです
- 大きくしすぎると株が疲れて、そのあとが続きません
ここだけは押さえたい
1. 畝を高くする
根が浅く、酸素をよく使います。水はけが悪いと根が傷んで病気が出ます。「水をたっぷり、でも水はけよく」を両立させるのが高い畝です。
2. 水を切らさない
根が地表近くにしかないので、乾くとすぐ実に出ます。敷きわらで乾きをゆるめ、夏は毎日見てください。
3. 株元から 5 節までは実をつけさせない
ここで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れます。最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏の収穫量が変わります。
4. 親づるは手の届く高さで止める
それ以上伸ばしても、手が届かず穫れないうえに、管理が大変になるだけです。
5. 古い葉を定期的に取る
週に 1 回、2〜3 枚ずつ。風と日が通ると、うどんこ病とべと病が出にくくなります。
6. 追肥を切らさない
最初の実を穫るときに 1 回目。そのあとは 10 日〜2 週間おき。切らすと株が疲れて、実が曲がります。
7. 18cm を超えたら穫る
大きくしすぎると株が疲れます。盛りには毎日穫るくらいでちょうどです。
農薬を使わないと、ここが難しい
うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。
- うどんこ病 — 種袋に「うどんこ病に強い」とあるものを選ぶのが、無農薬ではいちばん効きます。そのうえで古い葉を取って風を通す。出はじめなら薄めた重曹や食酢で止まることもありますが、広がりきってからは無農薬の範囲に手がありません(→うどんこ病)
- べと病 — 泥はねを止め、風を通すのが基本です。こちらも広がってから止める手はありません(→べと病)
- つる割病 — 土から来て、出た株は枯れます。接ぎ木苗と輪作が現実的な対処です。ネギを近くに植える手もありますが、接ぎ木苗を使うなら上乗せはあまり期待できません(→つる割病)
- ウリハムシ — 苗のうちが山場です。不織布や防虫ネットで覆って守りますが、つるが伸び始めると覆い続けられません(→ウリハムシ)
- アブラムシ — シルバーラインの入ったマルチで飛来を減らせますが、全部は止まりません(→アブラムシ類)
出やすい病害虫
キュウリで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。
虫
見つけたら早いほど楽です病気
風通しと水はけで出方が変わりますよくある質問
どのくらいの大きさで穫ればいいですか?
長さ 18cm を超えたら穫ってください。 花が咲いてから 1 週間ほどです。
大きくしすぎると株が疲れて、そのあとの実が細くなったり曲がったりします。とくに最初の 1 本は早めに。盛りには毎日穫るくらいでちょうどです。
実が曲がります。細いです。
肥料切れか、水不足です。
キュウリは長く穫り続ける野菜なので、途中で肥料が切れると株が疲れて実の形が崩れます。最初の実を穫るときに 1 回目の追肥をして、そのあとは 10 日〜2 週間おきに足してください。葉の色が薄くなってからでは遅いので、薄くなる前に。
水も同じです。根が浅いので、乾くとすぐ実に出ます。
下のほうのわき芽や花は、取ったほうがいいですか?
株元から 5 節までは、わき芽も小さい実も花も全部取ってください。
節とは葉のつけ根のことで、土ぎわの葉を 1 節目として上へ数えます。ここで実を太らせると、株が大きくなる前に疲れて、あとが続きません。最初の数個を我慢できるかどうかで、ひと夏に穫れる量が変わります。
取るのは小さいうちに。大きくなってから取ると、傷口から病気が入ります。
親づるはどこまで伸ばせばいいですか?
手の届く高さ(1.8m ほど)で先を止めてください。 それ以上伸ばしても、手が届かず穫れないうえに、管理が大変になるだけです。
子づるは葉 2 枚のすぐ上で、孫づるは 1〜2 節で止めます。
葉に白い粉のようなものがつきました。
うどんこ病です。無農薬で広がりきってから止める手はありません。
打てるのは、古い葉を取って風と日を通すこと、出はじめなら薄めた重曹や食酢をかけることまでです。いちばん効くのは、種袋に「うどんこ病に強い」とある品種を選ぶこと。来年はそこから変えてください。
株が急にしおれて枯れました。
つる割病の可能性があります。土から来る病気で、出た株は枯れます。治りません。
抜いて、次はウリ科を 4〜5 年あけてください。接ぎ木苗を使うと避けられます。
実が苦いです。
株が弱っているときに出やすくなります。水切れ、肥料切れ、極端な高温や低温が重なったときです。
苦みはヘタに近いほうに出るので、そこを切り落とせば食べられます。
プランターで作れますか?
できます。深さ 30cm 以上、1 株に 1 鉢が目安です。
ただし土の量が少ないぶん、乾くのが速い。畑よりもこまめに水をやってください。夏は朝夕 2 回になることもあります。追肥も畑より早めに切れます。
何株植えれば、毎日食べられますか?
4m の畝 2 本で、採れ盛りに 1 日 10〜15 本というのが Sofarm での実績です。株間 50〜60cm なので株数は 14〜16 株、1 株あたり 1 日 1 本弱という計算になります。
家族で食べきる量を考えると、多くの家庭ではこの半分でも余ります。4〜6 株から始めて、足りなければ次の年に増やすのが現実的です。
長く穫るにはどうすればいいですか?
1〜2 か月ずらして、2 回に分けて植えてください。 キュウリは 1 株の寿命が短く、採れ盛りを過ぎると急に勢いが落ちます。同じ日に全部植えると、採れすぎる時期と採れない時期がはっきり分かれます。
ずらして植えると、前の株が終わるころに後の株が上がってきます。
大きくなりすぎたキュウリは食べられますか?
食べられます。 皮が硬く種も目立ちますが、皮をむいて種をスプーンで取り、冬瓜のように煮物にすると気になりません。いったん煮てから冷やすと味が入ります。
そもそも大きくしないのがいちばんですが、2〜3 日見ないうちに育っているのがこの野菜です。捨てなくて構いません。
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