サツマイモにつく虫
別の呼び方: ナカジロシタバ
サツマイモに来る虫を 1 ページにまとめます。葉を食べるものと、いもに入るものがあり、気づく場所も手の打ち方も違うので、分けて書きます。
- 葉を食べる — イモキバガ(イモコガ)、ナカジロシタバ。見つけて取れば間に合います
- いもに入る — ハリガネムシ類、アリモドキゾウムシ・イモゾウムシ。掘るまで分かりません
サツマイモは、地上が元気でも地下がやられていることがある作物です。つるが茂っているから安心、とはいきません。
それから、アリモドキゾウムシとイモゾウムシだけは、ほかの虫とまったく性格が違います。これは法律で管理されている相手で、家庭菜園の防除の話ではありません。下に分けて書きました。
なお、いもをえぐるように食べる虫はコガネムシ類にもいます。傷の形で見分けてください。
見分け方
葉を食べるもの
- 葉が巻かれて、糸でつづられている。 開くと中に幼虫がいて、フンがたまっています。表皮を残して食べるので、食べた跡が白く透けます(イモキバガ)。開くと幼虫はすばやく逃げます。育ちきって 15mm ほど
- 葉に穴があく。大きくなると葉脈を残して食べる。 ひどいと、つるを残して丸坊主にされます。育ちきると 60mm ほどの大きな幼虫です(ナカジロシタバ)
- 植えつけ直後や苗床で、葉数が少ないうちにやられると打撃が大きくなります
いもに入るもの
- いもの表面に、針で刺したような丸い穴。 多くは 1〜2mm で深さ数mm。早い時期にやられた穴は、いもが太るにつれて大きく引き伸ばされます(ハリガネムシ類)
- 幼虫は細長く硬い、黄褐色の虫です
- 毎年、畑の同じところにかたまって出ます
- いもを切ると異臭と苦味があり、食べられない(アリモドキゾウムシ・イモゾウムシ)
出やすい条件
- 葉を食べるもの — 暖かい時期に何度も世代を重ねます。イモキバガは植えつけの前後と秋に、ナカジロシタバは秋に多くなります
- ハリガネムシ類 — 成虫は春に地上へ出てイネ科の花粉などを食べ、そのあと土の中に産みます。かえった幼虫がいもを食べ始めるのは、いもが太り始めるころから。幼虫のまま 3 年ほど土の中にいます
- 前にイネ科の草地や牧草地だった畑、まわりにムギ類があるところ
- 毎年同じ場所で出ます。 畑の中でも、局所的にかたまります
出さないために
- 植えつけ直後の葉をよく見る。 葉数が少ないうちにやられると響きます。巻いた葉とフンを手がかりに、小さいうちに取ってください
- ハリガネムシ類は、出る場所を覚える。 毎年同じところにかたまるので、記録しておいて、そこを外すか重点的に見るかを決めます。畑全体を同じように扱わないでください
- 未熟な有機物を入れない。 コガネムシ類と同じく、分解しきっていない堆肥は地下の虫を呼びます
- 掘り上げを遅らせない。 地中に置くほど、食べられる時間が増えます
- 苗は健全なものを使う
アリモドキゾウムシ・イモゾウムシは法律の話です
この 2 種は、日本では植物防疫法で管理されている害虫です。発生している地域が決まっていて、そこから生のいもや生のつるを持ち出すことが禁じられています。
- 畑で防ぐ・取る、という相手ではありません
- 発生していない地域にお住まいなら、やることはひとつです。発生地域から生のいも・生のつるを持ち込まないこと。 お土産でもらった生のいもを畑に植えない、もらったつるを挿さない
- 発生区域内では、サツマイモなどの寄主になる植物を作れないことがあります。お住まいの地域の扱いは、自治体の案内で確かめてください
- いもを切って異臭と苦味があったら、食べずに処分してください
出てしまったら
- 巻いた葉は開いて幼虫を取る。 開かずに葉ごと摘んで畑の外へ出すほうが早い
- 大きな幼虫(ナカジロシタバ)は、目につくので手で取れます。小さいうちに気づけば数匹で済みます
- 葉を丸坊主にされても、残った時期が長ければつるは出直します。ただし、いもは小さくなります
- ハリガネムシ類にやられたいもは、穴のまわりを削れば食べられます。 見た目は悪くなりますが、味は変わりません。傷みやすいので早めに使ってください
- 掘ったあとに出た場所を記録しておく。来年そこを変えるのが、いちばん確実な手です
まちがえやすいもの
- コガネムシ類(幼虫) — いもの表面を浅く不規則にえぐります。ハリガネムシは、針で刺したような丸い穴です
- センチュウ — いもにくびれやくぼみ、黒ずみが出ます。穴にはなりません
- そうか病 — 盛り上がったかさぶたです。穴ではありません
- ベニフキノメイガ・メイガ類 — 同じく葉を巻きます。品目が違うので、シソ・バジルやゴーヤ・オクラならそれぞれのページへ
- ネズミ — かじり跡が大きく、歯形が残ります
よくある質問
つるは茂っているのに、いもが小さいです。
地下を疑ってください。サツマイモは、地上が元気でも地下がやられていることがあります。掘ってみて、針で刺したような丸い穴があればハリガネムシ類、浅くえぐられていればコガネムシの幼虫、くびれや黒ずみが出ていればセンチュウです。傷の形で相手が変わります。
いもに小さな穴があいています。食べられますか?
穴のまわりを削れば食べられます。味は変わりません。ただし傷から傷みやすいので、長く置かずに早めに使ってください。切って異臭と苦味があるものは食べないでください。
葉が巻かれて、中にフンがたまっています。
イモキバガです。開くと幼虫がすばやく逃げるので、葉ごと摘んで畑の外へ出すほうが確実です。植えつけ直後の葉数が少ない時期にやられると響くので、そのころはこまめに見てください。
葉脈だけ残して食べられて、丸坊主になりました。
ナカジロシタバです。育ちきると 6cm ほどの大きな幼虫になり、目につくので手で取れます。小さいうちに気づけば数匹で済みます。丸坊主になっても、まだ時期が早ければつるは出直しますが、いもは小さくなります。
もらった生のサツマイモを畑に植えてもいいですか?
やめてください。アリモドキゾウムシ・イモゾウムシという、法律で管理されている害虫がいます。発生している地域から、生のいもや生のつるを持ち出すことが禁じられています。お土産でもらった生のいもを植えたり、もらったつるを挿したりしないでください。苗は、きちんとした供給元のものを使ってください。