黒腐病
アブラナ科の葉が、縁から V 字型に黄色く変わって枯れ込む病気です。ブロッコリーとキャベツに出ます。カビではなく細菌が起こします。
この病気のいちばんの手がかりは、V 字です。葉の縁のどこか一点から、葉脈にそって内側へ三角形に黄変が広がります。この形になるのは、細菌が葉の縁の水孔(水の出口)から入って、葉脈の中を進むからです。ほかの病気ではこの形になりません。
入り口がはっきりしているぶん、タイミングもはっきりしています。強い風や大雨のあとです。葉がこすれて傷つき、そこから入ります。だから、嵐のあとの数日が勝負になります。
土の中で長く生き残る相手なので、出た畑では残りかすを残さないことと、アブラナ科を続けないことが効きます。
見分け方
- 葉の縁から、V 字型に黄変が内側へ広がる。 これが決め手です
- V 字の中の葉脈が、黒く筋になって浮き上がる
- 進むと黄変した部分が褐色に枯れ、葉の縁から枯れ込んでいきます
- 茎を切ると、維管束(水の通り道)が黒く変色していることがあります
- 下葉・外葉から始まります
- 腐っても、軟腐病のような強い悪臭はしません
出やすい条件
- 強い風や大雨のあと。 葉がこすれて傷ついたところから入ります
- 雨の多い時期。キャベツでは秋の長雨
- 植えつけてからしばらくのあいだ
- 土が過湿になっているとき
- アブラナ科を同じ場所で作り続けているとき
- 前の作の残りかすを、畑にすき込んだとき
出さないために
- アブラナ科の連作を切る。 イネ科やマメ科をはさんで、2〜3 年あけてください。菌は土の中で長く生き残ります
- 敷きわらかマルチを張る。 泥はねを止めるだけで、はっきり違います
- 畝を高くして、排水をとる。 過湿になると出ます
- 強い風や大雨のあとに、畑を見る。 傷から入るので、嵐のあとが危ない時期です。傷んだ葉は早めに取ってください
- 収穫後の残りかすを畑に残さない。 根も葉も抜いて外へ出す。すき込むと菌が残ります
- 葉が濡れている日に畑に入らない。 細菌は水と手で運ばれます
出てしまったら
- 出た葉は取って畑の外へ。株ごとひどいものは抜いてください
- 作業は葉が乾いてから。 濡れた株を触って回ると、自分で広げます
- 結球が進んでいるキャベツなら、外葉を落とせば中身は使えることがあります
- 細菌の病気に、農薬を使わずに効かせる手はありません。 止めようとせず、採れるものを収穫して切り上げてください
- 残りかすを畑にすき込まない。次の年に持ち越します
- その畝では、次にアブラナ科を作らない
まちがえやすいもの
- 菌核病 — 同じくキャベツを腐らせますが、株全体が黒褐色に軟腐して、最後にネズミのフンのような黒い粒(菌核)が出ます。黒腐病は葉の縁から V 字に進みます
- 軟腐病 — どろどろに溶けて、強い悪臭がします。黒腐病は臭いません
- 萎黄病 — 下葉が片側から黄色くなります。V 字にはならず、茎を割ると中心の筋が褐色です
- 斑点細菌病 — 同じ細菌の病気ですが、角張った斑が散ります。黒腐病は縁から 1 つの大きな V 字です
- 肥料切れ — 下葉から均一に黄色くなります
よくある質問
葉の縁が V 字型に黄色くなっています。
黒腐病です。この形になるのは、細菌が葉の縁から入って葉脈の中を進むからで、ほかの病気ではこうなりません。V 字の中の葉脈が黒く浮いていれば、まず間違いありません。出た葉を取って畑の外へ出してください。作業は葉が乾いた日にしてください。
台風のあとに出ました。関係ありますか?
あります。この病気は、葉がこすれてできた傷から入ります。強い風や大雨のあとが、いちばん危ない時期です。嵐が過ぎたら畑を見て、傷んだ葉を早めに取ってください。この一手間で、その後の広がりが変わります。
キャベツが巻き始めています。収穫できますか?
外葉だけなら、落とせば中身は使えることがあります。割ってみて、中まで進んでいなければ収穫してください。巻いた中まで黒く枯れ込んでいるものは、あきらめて畑の外へ出してください。
同じ畑でまた作れますか?
アブラナ科は 2〜3 年あけてください。菌は土の中で長く生き残ります。あいだにイネ科やマメ科をはさむと確実です。あわせて、収穫後の根と葉を畑に残さないでください。すき込むと、そのまま翌年の発生源になります。