ホウ素欠乏
別の呼び方: ホウ素欠乏症
ホウ素が足りなくなって、新しく伸びるところが褐色に変わって止まる障害です。ハクサイとカブに出ます。
カルシウム欠乏と並んで、芯が褐色になる原因のもうひとつです。見た目が近いので取り違えられますが、出る場所がわずかに違います。ホウ素欠乏は茎や根の内側まで褐変して、ひび割れたりスポンジ状に空洞になったりします。カルシウム欠乏は、葉の縁や実の先端のように外側から傷みます。
ホウ素は、ごく少しだけ必要な養分です。足りないと困りますが、入れすぎると今度は毒になります。しかも足りない状態と効きすぎた状態で、症状がよく似ています。だから Sofarm は、ホウ素を足す話を前面に出しません。先に直すのは、ホウ素が吸えなくなっている理由のほうです。
その理由ははっきりしています。連作、土が酸性に傾いていること、窒素とカリの効かせすぎ、そして土が乾いたり濡れたりして根が傷んでいること。この四つです。
見分け方
- カブ — 根の表面が網目状にざらつく。進むと根の内側が褐色になり、ひび割れたり、スポンジのように空洞になったりします
- ハクサイ — 成長点(芯)と葉柄が褐変します。葉柄の内側を割ると、茶色い筋やかさぶた状の傷が入っています
- 新しく伸びるところから出ます。古い葉は正常なままです
- 芯が止まって、わき芽が立ち上がってくることがあります
- カビも、ぬめりも、悪臭もありません。 虫の食い跡もありません
- 畑全体ではなく、水はけや乾きやすさの違う場所で、まだらに出ます
出やすい条件
- 同じ場所で作り続けたとき。 カブでは、連作ではっきり増えます
- 暑い時期。 土が乾きやすく、根が吸いにくくなります
- 土が酸性に傾いているとき
- 窒素とカリを効かせすぎたとき。 ほかの養分が多いと、ホウ素の吸収が落ちます
- 土が乾いたり濡れたりを繰り返して、根が傷んだとき
- 砂地など、水と一緒に養分が流れやすい土
出さないために
- 連作を切る。 カブとハクサイを同じ畝で続けない。これがいちばん効きます
- 窒素とカリを効かせすぎない。 元肥を控えて、追肥で補うほうへ寄せてください
- 酸度を整えておく。 植えつけの 2 週間以上前に、石灰質の資材をまいて耕します。出てから足しても間に合いません
- 土の水分を上下させない。 マルチか敷きわらで覆って、急な乾きと湿りを避けます。根が無事なら吸えます
- ホウ素を足すのは最後にしてください。 足りない症状と効きすぎた症状が似ているうえ、入れすぎると毒になります。畑の土を調べた結果が無いまま、当てずっぽうで入れないでください
出てしまったら
- 出た株は戻りません。 褐変した芯も、ひび割れた根も元には戻りません
- カブは、網目状のざらつきだけなら皮をむけば食べられます。内側まで褐色になっているものは外してください
- ハクサイは、割って芯が茶色くなっていれば、その部分を落として食べられます
- いまやることは、水と追肥の見直しです。 土を急に乾かさない、窒素とカリを足さない。この二つで次の株から変わります
- その畝では、次にアブラナ科を作らないでください
まちがえやすいもの
- カルシウム欠乏 — 葉の縁や実の先端のように外側から傷みます。ホウ素欠乏は、茎と根の内側まで褐変して、ひび割れや空洞になります
- 軟腐病 — どろどろに溶けて強い悪臭がします。ホウ素欠乏は乾いた傷です
- ハイマダラノメイガ(シンクイムシ) — 芯が無くなりますが、フンと幼虫がいます
- 抽苔(とう立ち) — 芯から茎が伸び上がります。ホウ素欠乏は、伸びずに止まります
- センチュウ — カブの根がざらつく点は似ますが、1〜3mm のこぶが並びます。ホウ素欠乏は網目状のざらつきで、こぶにはなりません
よくある質問
芯が茶色くなりました。カルシウム欠乏とどちらですか?
割ってみてください。 茎や葉柄の内側まで褐色の筋が入り、ひび割れや空洞になっていればホウ素欠乏です。葉の縁や実の先端など、外側だけが傷んでいればカルシウム欠乏です。どちらも病気ではないので、まわりへ移りません。
ホウ素の肥料を入れればいいですか?
当てずっぽうで入れないでください。ホウ素はごく少しだけ必要な養分で、入れすぎると毒になります。しかも、足りない症状と効きすぎた症状がよく似ているので、思い込みで足すと悪化させます。先に直すのは、連作、窒素とカリの効かせすぎ、土の急な乾湿のほうです。
カブの表面がざらざらして、網目になっています。食べられますか?
表面のざらつきだけなら、皮をむけば食べられます。割ってみて、内側まで褐色になっていたりスポンジのように空洞になっていたら、そこは落としてください。味は落ちますが、害はありません。
毎年同じ畝で出ます。
連作が原因です。カブとハクサイを同じ場所で続けると、はっきり増えます。次はその畝を外して、別の科のものを作ってください。あわせて、植えつけの 2 週間以上前に石灰質の資材をまいて酸度を整え、マルチか敷きわらで土の乾湿を落ち着かせてください。