BEAN · マメ科

スナップエンドウ

Snap Pea

マメ科。秋にまいて冬を越し、春に穫る野菜です。さやごと食べられて、甘い。

この野菜のおもしろいところは、「大きく育てないこと」が目標になる点です。
ほかの野菜なら、冬までに大きくしておきたくなります。エンドウは逆で、本葉 2〜3 枚の小さい苗がいちばん寒さに強い。この大きさなら −7℃にも耐えます。ところが伸びてしまうと、とたんに寒さに弱くなる。

だから、まき時を早めると失敗します。「早くまいて大きくしてから冬を越させよう」が、そのまま寒さで枯らす原因になります。

もうひとつ、連作を極端に嫌います。マメ科の中でもとくに強く出る品目で、同じ場所で続けて作ると育ちません。畑の割り当てを先に考えておく必要があります。

難易度
旬 春
スナップエンドウ(マメ科)

栽培のめやす

発芽適温
18〜20℃
発芽日数
5日
生育適温
12〜20℃
土壌 pH
6.5〜7
株間・条間
30cm
まき深さ
2cm
連作の間隔
4〜5 年

マメ科のなかでは長め。出ると取り返しがつかない

植えつけの目安

本葉 3〜4 枚

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
秋まき
春まき
▼ ▼
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 土をつくる

    • まく半月前に石灰を入れて、pH 6.5〜7.0 に合わせる。 酸性に弱い野菜です
    • マメ科を 4〜5 年作っていない場所を選ぶ
    • 肥料は多くいりません。窒素を増やさず、リン酸とカリをきかせる組み立てに
    • 根が過湿に弱いので、高めの畝を立てる
  2. まく

    • 種を水に浸さずにまく。 急に水を吸うと種の皮が破れて、発芽しなくなります
    • 1 か所に 3〜4 粒、深さ 2cm。まいたら手のひらで軽く押さえる
    • まいたら発芽まで不織布をかける。 マメ類は種と芽を鳥に狙われます
    • 株間 30cm
    • 早まきしない。 冬までに伸びすぎると、寒さで傷む
  3. 間引く

    • 本葉 2〜3 枚のころ、生育のよいものを 1〜2 本残す
    • ハサミで根元を切る。 抜くと残す株の根が傷みます
  4. 冬を越させる

    本葉 2〜3 枚で冬に入る

    この野菜でいちばん多い失敗が早まきです。秋のうちに大きく育ってしまうと、冬の寒さで株が傷み、春からやり直せません。

    ちょうどよい大きさ
    本葉 2〜3 枚。小さく見えますが、これで冬を越します。
    本葉 2〜3 枚
    背が低いぶん、霜の当たる面積も小さくなります。寒さに当たること自体は必要で、春の花つきがよくなります。
    伸びすぎた株
    早くまきすぎると、冬までにここまで育ってしまいます。
    寒さで傷む
    茎が伸びたぶん寒さに弱くなり、上から枯れこみます。巻きひげが出るほど育っていたら、まきどきを外しています。
    冬のあいだにすること
    ・霜に直接当てない。笹竹や不織布で簡単な霜よけを作る
    ・支柱を立てるのは春に伸び始めてからでかまいません
    ・間引きは本葉 2〜3 枚のころ、生育のよいものを 1〜2 本残す。ハサミで根元を切る。抜くと残す株の根が傷みます
    マメ科を 4〜5 年作っていない場所を選んでください。連作でいちばん痛い目を見る野菜です。
    • 本葉 2〜3 枚の状態で冬に入るのが理想
    • 霜に直接当たると傷むので、笹竹や不織布で簡単な霜よけを作る
    • 草丈 10cm ほどのうちに、倒れ防止と寒さよけを兼ねた短い支柱を立てておく
    • 乾いていたら、暖かい日の午前中に水をやる
  5. 支柱とネットを立てる(春)

    • 暖かくなって本葉 5〜6 枚になったら、つるが伸びる前に本格的な支柱とネットに切り替える
    • つるあり種は草丈 2m 近くまで伸びる。 支柱は 1.5〜2m を用意する
  6. 誘引する

    • つるが伸びたら、30〜40cm 間隔でひもを横に張り、株が外へ広がらないようにする
    • ひもは株を軽く囲う程度にして、きつく縛らない
    • 茎は中が空洞で折れやすい。 力を入れすぎない
  7. 枝を整理する

    • 実がつくのは早く出た枝。遅れて出た枝や花つきの悪い枝は、誘引のときにつけ根から切る
    • 日が当たらないと実がつかず、うどんこ病も出やすくなる
  8. 水を切らさない(花が咲いてから)

    • 花が咲いてから収穫までに乾くと、花が落ちて数が減る
    • 乾いているときは水をやる
  9. 穫る

    • さやがふくらんで、中の豆の形が外から見えるようになったら
    • 穫り遅れるとさやが硬くなる

ここだけは押さえたい

1. 早まきしない
この野菜でいちばん多い失敗です。本葉 2〜3 枚で冬を越すのが理想で、それ以上伸びると寒さで傷みます。「大きくしてから冬を越させよう」は逆効果です。

2. マメ科を 4〜5 年作っていない場所に
エンドウはマメ科の中でも連作を強く嫌います。一度出た畑では、もっと長くあけてください。

3. 酸性土壌に弱い
まく半月前に石灰を入れて、pH 6.5〜7.0 に合わせておきます。

4. 支柱はしっかり立てる
つるあり種は 2m を超えます。あとから立て直すのは大変なので、つるが伸びる前に用意してください。

5. 茎は折れやすい
中が空洞です。誘引のときに力を入れると折れます。ゆるく囲うだけで十分です。

6. 花が咲いたら水を切らさない
乾くと花が落ちて、収穫量が目に見えて減ります。

7. 25℃を超えると株が弱る
暑くなると急に弱って枯れ上がります。春のうちに穫りきる野菜だと思ってください。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • うどんこ病 — 出てしまうとなかなか止まりません。密植を避ける、風を通す、リン酸とカリをきかせる、出た葉を早く取る。打てるのは予防側だけで、収穫期に雨の多い年にどこまで抑えられるかは分かっていません
  • ハモグリバエ — 幼虫が葉の中に入るので、薬剤でも効きにくい相手です。被害葉を取るのが主な手になりますが、つるが 2m 以上に伸びるのでネットで覆い続けることもできません
  • 肥料の量 — 有機質肥料に置き換えたときの元肥の量が、資料からは取れていません。堆肥の量以外は数値で示せない状態です

いっぽう、越冬の防寒と鳥よけ、輪作の年数は、そのまま無農薬でも使えます。ここは置き換えに悩む必要がありません。

種を買う

スナップエンドウ の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

出やすい病害虫

スナップエンドウで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

病気

風通しと水はけで出方が変わります

生理障害

虫でも病気でもなく、環境が原因で起きるもの
寒害・霜害(越冬時)
いや地現象(連作障害)

病害虫の一覧を見る

よくある質問

冬のあいだに枯れてしまいました。

まくのが早すぎた可能性が高いです。スナップエンドウは本葉 2〜3 枚の小さい苗がいちばん寒さに強く、この大きさなら −7℃ にも耐えます。ところが伸びてしまうと、とたんに弱くなります。「大きくしてから冬を越させよう」が、そのまま失敗になります。まきどきは地域で違うので、育成カレンダーで確かめてください。

種を水に浸してからまくべきですか?

浸さないでください。 急に水を吸うと種の皮が破れて、発芽しなくなることがあります。マメ類に共通する注意です。そのまままいて、土を軽く押さえてください。

花は咲くのに、さやがつきません。

水不足のことが多いです。花が咲いてから収穫までに土が乾くと、花が落ちて数が減ります。乾いていたら水をやってください。日当たりも効きます。茂りすぎて中が暗くなっているなら、遅れて出た枝を切って光を入れてください。

つるあり種とつるなし種、どちらがいいですか?

場所と手間で選んでください。つるあり種は草丈 2m 近くまで伸びるぶん、収穫量が多くなります。支柱とネットが必要です。つるなし種は 80cm ほどで、短い支柱で済み、プランターでも作れます。初めてならつるなし種が扱いやすいです。

支柱はいつ立てればいいですか?

二段構えです。冬のあいだは、草丈 10cm ほどのうちに短い支柱を立てて、倒れ止めと寒さよけにします。春に暖かくなって本葉 5〜6 枚になったら、つるが伸びる前に本格的な支柱とネットに切り替えてください。あとから立て直すのは大変です。

連作してはいけないと聞きました。

そのとおりで、マメ科の中でもとくに連作を嫌います。マメ科を 4〜5 年作っていない場所を選んでください。農薬を使わない前提では土を入れ替える手がないので、ここは長めに取ります。

葉が白い粉をふいています。

うどんこ病です。この野菜では、出てしまうとなかなか止まりません。密植を避けて風を通し、出た葉を早めに取ってください。収穫期の終わりに出たなら、無理に止めず穫りきるほうが現実的です。