BEAN · マメ科

ソラマメ

Broad bean

マメ科。秋にまいて冬を越し、春に穫ります。さやが空を向いてつくので「空豆」です。

スナップエンドウと似た作り方をしますが、種のまき方だけはまったく違います。
ソラマメの種は大きく、発芽に酸素をたくさん使います。深くまくと酸素が足りずに腐ります。だから 種の頭を土から少し出した状態でまきます。埋めません。初めての人がいちばん驚くところです。

そしてこの野菜も、小さい苗のほうが寒さに強い。本葉 5 枚くらいまでなら −5℃ にも耐えますが、それ以上に育ってから冬に入ると、軽い霜でも傷みます。「早くまいて大きくしてから」が、ここでも裏目に出ます。

もうひとつ、ソラマメはアブラムシがとにかく来ます。先端のやわらかいところに群れて、ウイルス病まで運んできます。この野菜のいちばんの敵です。

ただし、ソラマメのウイルス病には土から来るもの(えそモザイク病)もあります。こちらはシルバーマルチもネットも効きません。出た株を抜いて、2〜3 年あけて別の科を作るしかありません(→モザイク病)。

難易度
旬 春
ソラマメ(マメ科) — イメージ

写真はイメージです(生成画像)。Sofarm の圃場写真は準備中です。

栽培のめやす

発芽適温
15〜25℃
発芽日数
5〜7日
生育適温
15〜20℃
株間・条間
40〜50cm
畝幅・畝間
60cm
畝の高さ
15cm
連作の間隔
4〜5 年

マメ科のなかでは長め。出ると取り返しがつかない

植えつけの目安

本葉 2〜3 枚の若苗

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
春まき
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 土をつくる

    • 酸性に弱いので、まく前に石灰を入れる
    • マメ科を 4〜5 年作っていない場所を選ぶ
    • 幅 60cm・高さ 15cm の畝を立てる。排水が悪ければもう少し高く
    • 窒素を増やさず、リン酸とカリをきかせる組み立てに。マメ科なので窒素は多くいりません
    • 完熟堆肥 3kg と苦土石灰 120〜150g を 1 ㎡あたり
  2. まく

    黒い筋を斜め下に。頭は土から出す

    ソラマメは「埋めない」のが正解です。深くまくと酸素が足りず、芽が出ないまま種が腐ります。浅すぎるのではと思うくらいでちょうどです。

    豆の縁にある黒い筋が「おはぐろ」です。ここから根が出ます。
    頭は土から少し出す。おはぐろを斜め下へ。ここから根が出る
    指で斜めに挿し込んで、頭が見えるところで止めます。1 か所に 2 粒、株間は 40〜50cm。
    まいたあと
    ・まいたら切りわらなどで覆い、芽が出たら外す
    ・鳥に狙われます。発芽までは不織布をかけておく
    ・ポットで育ててから植える手もあります。鳥に狙われにくく、本葉 2〜3 枚で植えつけます
    早まきしないでください。本葉 5 枚までの状態で冬に入るのが理想です。それ以上に育っていると、軽い霜でも傷みます。
    • おはぐろ(種の黒い筋)を斜め下に向けて、土に挿し込む
    • 種の頭が土から少し見えるくらいで止める。 埋めません
    • 1 か所に 2 粒、株間 40〜50cm
    • まいたら切りわらなどで覆い、芽が出たら外す
    • ポットで育ててから植える手もあります。鳥に狙われにくく、本葉 2〜3 枚で植えつけます
    • 鳥に狙われます。 発芽までは不織布をかけておく

    深くまくと酸素が足りず、種が腐ります。「浅すぎるのでは」と思うくらいでちょうどです。

  3. 冬を越させる

    • 本葉 5 枚までの状態で冬に入るのが理想
    • それ以上に育っていると、軽い霜でも傷みます
    • 霜よけに不織布や敷きわらを使う
    • 乾いていたら、暖かい日の午前中に水をやる
  4. 追肥して土を寄せる(春)

    • 春の伸び始めと、その 1 か月ほどあとの 2 回
    • 有機配合肥料を 1 ㎡あたり 50g ほど
    • 追肥のたびに、除草を兼ねて株元に土を寄せる。 倒れにくくなります
  5. 支柱を立てる(春)

    • 春になって伸び始めたら、倒れないように支柱とひもで支える
    • 株のまわりを囲うように、ひもを横に張るのが楽です
  6. 芽を整理する

    • 草丈 50〜60cm になったころ、株元から出た枝を整理する
    • 勢いのよいものを 6〜7 本残して、あとは根元から切る
    • 残しすぎると、さやが太りません
  7. アブラムシを止める

    • 先端のやわらかいところに群れます。 春になったら毎日見てください
    • シルバーラインの入ったマルチを張ると、飛んでくる数が減ります
    • 先端を摘んでしまうのも手です。アブラムシごと取れて、さやにも養分が回ります
  8. 穫る

    • さやが空を向いていたのが、下を向いて垂れてきたら
    • さやの背の筋が黒くなり、つやが出てきたころ。葉やさやに出る茶色い斑点は病気(赤色斑点病)なので、混同しないでください
    • 穫り遅れると豆が硬くなります

ここだけは押さえたい

1. 種を埋めない
頭を土から少し出した状態でまきます。深くまくと酸素が足りず、種が腐ります。この野菜でいちばん多い失敗です。

2. おはぐろを斜め下に向ける
種の黒い筋の部分です。ここから根が出るので、下に向けて挿します。

3. 早まきしない
本葉 5 枚までで冬に入るのが理想です。それ以上育つと、軽い霜でも傷みます。

4. 春はアブラムシとの勝負
先端に群れて、ウイルス病まで運びます。シルバーマルチで飛来を減らし、毎日見て、ひどければ先端を摘んでください。

5. 枝を 6〜7 本に絞る
株元から何本も出てきます。残しすぎるとさやが太りません。

6. さやが下を向いたら穫りどき
上を向いていたさやが垂れてきて、背の筋が黒くなったころです。遅れると豆が硬くなります。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • アブラムシ — この野菜の最大の難所です。シルバーマルチと先端の摘み取りで減らせますが、春に一気に増えると追いつきません。運ばれるウイルス病は治せないので、出た株は抜くしかありません
  • さび病 — 春に急に広がることがあります。出た葉を早めに取り、残った葉で太らせるほうに切り替えてください(→さび病)
  • 赤色斑点病(チョコレート病) — 葉やさやに茶色い斑点が出ます。密植を避けて風を通すこと以外に、無農薬での手だては取れていません
  • 立枯病 — 連作で出ます。年数をあけるのが唯一の対処です

種を買う

ソラマメ の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

出やすい病害虫

ソラマメで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

病気

風通しと水はけで出方が変わります

ほかに 1 件の報告があります。

生理障害

虫でも病気でもなく、環境が原因で起きるもの

病害虫の一覧を見る

よくある質問

種はどれくらいの深さにまくのですか?

埋めません。種の頭が土から少し出るくらいの浅まきです。ソラマメの種は大きく、発芽に酸素をたくさん使うので、深くまくと足りずに腐ります。「浅すぎるのでは」と思うくらいでちょうどです。

おはぐろとは何ですか。どちらを下にしますか?

種についている黒い筋の部分です。ここから根が出ます。斜め下に向けて土に挿し込んでください。

冬に枯れてしまいました。

まくのが早すぎた可能性が高いです。本葉 5 枚くらいまでの小さい苗がいちばん寒さに強く、−5℃ にも耐えます。それ以上に育ってから冬に入ると、軽い霜でも傷みます。「大きくしてから冬を越させよう」が裏目に出ます。

先端にびっしり虫がついています。

アブラムシです。この野菜のいちばんの敵で、ウイルス病まで運びます。シルバーラインの入ったマルチで飛来を減らし、春は毎日見てください。ひどければ先端を摘んでしまうのが手っ取り早く、アブラムシごと取れて、さやにも養分が回ります。

枝は何本残せばいいですか?

6〜7 本です。草丈 50〜60cm になったころに、勢いのよいものを残して、残りは根元から切ってください。残しすぎるとさやが太りません。

いつ穫ればいいですか?

上を向いていたさやが、下を向いて垂れてきたらです。さやの背の筋が黒くなって、つやが出てきたころ。穫り遅れると豆が硬くなります。

さやに茶色い斑点が出ました。熟したのですか?

いいえ、赤色斑点病(チョコレート病)という病気です。収穫のサイン(背の筋が黒くなる)とは別物なので、混同しないでください。密植を避けて風を通す以外に、無農薬での手だては見つかっていません。

種を水に浸してからまくべきですか?

おすすめしません。マメ類は急に水を吸うと種の皮が破れて、発芽を損なうことがあります。そのまままいてください。