ゾウムシ類(ヤサイゾウムシ・ヒョウタンゾウムシ)
別の呼び方: ヤサイゾウムシ、ヒョウタンゾウムシ類
鼻(口)が長く伸びた、小さな甲虫です。コマツナ・シュンギク・ラッカセイに出ます。ヤサイゾウムシとヒョウタンゾウムシ類がいますが、家庭菜園で取れる手は同じなので 1 ページにまとめます。
この仲間には、ほかの虫と違う大きな特徴があります。成虫が飛べません。 畑には歩いて入ってきます。
これは弱点でもあります。飛んで来ないなら、地面を這って入る道をふさげば止まる。ネットをかぶせて裾を押さえる、畑のまわりの草を刈る、前の年に出た畑を一度休ませる。やることはこの三つで、どれも畑の外側の話です。
もうひとつ。この相手には使える登録農薬がありません。 慣行栽培でも、見つけて取るしかない相手です。農薬を使う畑と使わない畑で、やることに差がない数少ない例です。
見分け方
- 成虫は体長 6mm〜1cm ほど。灰褐色で、頭の先が鼻のように長く伸びています。触るとぽろりと落ちて、動かなくなります
- 幼虫は体長 1.5cm ほどの乳白色〜淡緑色で、足のない紡錘形のウジです
- 芯が食べられて、生育が止まる(コマツナ・シュンギク)。幼虫が成長点に入ります。発生が多いと、ほとんどの株の芯がやられます
- 開く前の若葉が食べられ、葉が開くと左右対称の食い跡になる(ラッカセイ)。たたんだ紙を切ったときと同じ理屈です。ほかの虫ではこうなりません
- ラッカセイは、地中にいる幼虫が莢に穴をあけます。掘るまで分かりません
出やすい条件
- 寒い時期。 ヤサイゾウムシは冬を中心に出ます。シュンギクでは秋から春にかけて
- ヒョウタンゾウムシは成虫でも幼虫でも冬を越すので、一年を通して見られます
- まわりに草が茂っているとき。雑草も食べるので、そこで育って歩いて入ってきます
- 前の年に被害が出た畑。飛べないぶん、同じ場所に居続けます
出さないために
- 種をまいた直後、または植えた直後にネットをかける。 べたがけでもトンネルでも構いません。裾を土に埋めて、地面との隙間をなくすのが要点です。歩いて入る虫なので、ここさえふさげば止まります
- 畑の内も外も草を刈る。 雑草が発生源になります。畝のまわりに防草シートを敷いて、そもそも生やさないようにするのも効きます
- 前の年に出た畑は、一度休ませる。 作付けをしない期間を置くと、土の中で冬を越した幼虫による被害が減ります
- 見つけたら取る。 使える農薬がないので、慣行栽培でも同じことをしています
出てしまったら
- 手で取る。 成虫は飛べないので逃げられません。触るとぽろりと落ちるので、下に容器を置いてから株を揺すると楽です
- 芯に入られた株は戻りません。コマツナやシュンギクは、芯をやられると生育が止まります。抜いてまき直すほうが早い
- 株元の土を浅く掘ると、乳白色の幼虫が出てきます。見つけたらつぶしてください
- ラッカセイは、掘るまで莢の被害が分かりません。葉に左右対称の食い跡があったら、地中にもいると考えてください
- 次の作では、ネットを早くかけることと、まわりの草を刈ることに手を戻してください
まちがえやすいもの
- ハイマダラノメイガ(シンクイムシ) — 同じく芯を食べますが、幼虫は淡褐色のイモムシで、糸でつづったフンのかたまりが残ります。ゾウムシの幼虫は足のない白いウジです
- ネキリムシ — 茎を地際で切ります。芯は食べません
- キスジノミハムシ — 1mm 以下の小さい穴が点々と散ります。左右対称にはなりません
- アオムシ — 大きな不規則な穴があきます。虫も緑色で大きい
よくある質問
鼻の長い小さな虫がいます。放っておいていいですか?
取ってください。ゾウムシの仲間です。成虫が葉をかじるだけでなく、幼虫が芯や莢を食べます。飛べない虫なので、下に容器を置いて株を揺すれば、ぽろぽろ落ちて簡単に捕まえられます。
芯から新しい葉が出てきません。
幼虫に成長点を食べられています。コマツナやシュンギクは、ここをやられると生育が止まり、戻りません。株元の土を浅く掘ると、足のない乳白色の幼虫が出てきます。見つけたらつぶして、株は抜いてまき直してください。
防虫ネットで防げますか?
防げます。この虫は飛べず、歩いて入ってくるので、裾を土に埋めて地面との隙間をなくせば止まります。かける時期は、種をまいた直後か、植えた直後です。あとからかけても、中に入ったあとでは意味がありません。
ラッカセイの葉が左右対称に食べられています。
ヒョウタンゾウムシの成虫です。開く前の若葉をかじるので、葉が開いたときに左右対称の跡になります。この跡が見えたら、地中にも幼虫がいて莢に穴をあけていると考えてください。前の年に出た畑なら、次はしばらく作付けを休ませると被害が減ります。