ROOT · ヒガンバナ科

ニンニク

Garlic

ヒガンバナ科。秋に植えて翌年の初夏に穫る、畑を半年以上占める野菜です。

家庭菜園向きの理由がはっきりしています。種から育てず、種球(植える用に売られている球)をばらして植えるだけ。苗を育てる手間がありません。間引きも、支柱も、受粉もありません。冬のあいだはほとんど何もすることがありません。

そのぶん、植えるときにほぼ決まります。植えどきと植え方を外すと、半年かけて小さい球しか穫れません。逆にそこさえ合えば、手のかからない野菜です。

いちばんの分かれ目は植えつけの時期です。早く植えるほど大きくなりそうに思えますが、逆です。気温が高いうちに植えると、芽がなかなか出ません。芽が出たあとも、秋のうちに葉が伸びすぎるとさび病を呼びます。

難易度
旬 秋冬
ニンニク(ヒガンバナ科)

栽培のめやす

発芽適温
15〜20℃
発芽日数
15〜20日
生育適温
15〜20℃
土壌 pH
5.5〜6.5
株間・条間
15cm
まき深さ
3〜5cm
連作の間隔
1 年
植えつけの目安

育苗はせず、種球を鱗片にばらして直接植え付ける

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
秋植え
▼ ▼
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 土をつくる

    • 植えつけ 2 週間以上前に、石灰を 1㎡ あたり 100g。 pH を 6.0〜6.5 に合わせる。酸性が強いと球が太りません
    • 同じころ、完熟堆肥 2.5kg と有機質肥料 200g を 1㎡ あたり入れて耕す
    • 水はけがよく、乾きすぎない場所を選ぶ
    • 畝を立てる。水はけが悪ければ高めに
    • ネギ・タマネギを 1 年以内に作った場所は避ける
    • まだ分解しきっていない堆肥を使わない。 種球を食い荒らすタネバエを呼ぶ

    元肥だけで走りきる野菜ではありません。追肥を 2 回入れます。マルチを張ると追肥がしにくいので、張るなら穴から株元に置ける形にしておいてください。

  2. 種球をばらして植える

    とがったほうを上に、土が 3〜5cm かぶる深さ

    向きを間違えると芽が土の中で曲がり、出てくるまでに力を使ってしまいます。深さも球の太りに効きます。

    1 片ずつにばらして植えます。外側の白い薄皮はむかなくてかまいません。
    土を 3〜5cm。とがったほうを上に
    深いと芽が出るのが遅れ、浅いと寒さに弱くなります。株間 15cm、条間 25cm。
    使う 1 片を選ぶ
    同じ種球からばらしても、1 片ごとに大きさが違います。
    10〜15g を使う。7g 以下は使わない
    小さい 1 片からは小さい球しか穫れません。傷んだものも外します。
    早植えしない
    ・気温が 25℃ を超えているうちに植えると、芽がなかなか出ません
    ・早く植えるほど秋のうちに葉が伸びて、さび病が出やすくなります
    ・ネギ・タマネギを 1 年以内に作った場所は避ける
    ・まだ分解しきっていない堆肥を使わない。種球を食い荒らすタネバエを呼びます
    マルチを張ると雑草が減り水分も保てますが、地温が上がって芽が早く出るぶん秋のさび病が増えます。張るなら、穴から株元に追肥を置ける形にしておいてください。
    • 種球を 1 片ずつにばらす。外側の白い薄皮はむかなくてよい
    • 1 片 10〜15g のものを使う。7g 以下の小さいものと、傷んだものは使わない
    • とがったほうを上にして、種球の上に土が 3〜5cm かぶる深さに植える
    • 株間(株と株の間隔)15cm、条間(列と列の間隔)25cm

    早植えしないでください。 気温が 25℃を超えているうちに植えると、芽がなかなか出ません。また早く植えるほど秋のうちに葉が伸びて、さび病が出やすくなります。

  3. マルチを張るかどうか決める

    • 張ると雑草が減り、水分も保てる
    • ただし地温が上がって芽が早く出るぶん、秋のさび病が増える
    • Sofarm の答えは「寒い地域は張る、暖かい地域は張らない」。 寒さから守る必要があるかどうかで決める
  4. 追肥する(2 回)

    • 1 回目は、芽が伸び始めて草丈 30cm ほどになったころ
    • 2 回目は、球がふくらみ始める前
    • 1 回あたり、有機質肥料を 1㎡ あたり 100g
    • 2 回目はリン酸が強めの肥料が向きます

    半年以上かけて球を太らせる野菜です。元肥だけで通すと、球が小さいまま終わります。

  5. 芽かきをする(草丈 10〜15cm)

    • 1 か所から 2 本以上出ていたら、弱いほうを根元から引き抜く
    • 残すほうの株元を押さえて、引き裂くように抜く
    • ハサミで切るだけでは、また芽が出る
    • 2 本のままでも形がいびつになるだけなので、残す株を傷めそうなら無理にやらなくてよい
  6. とうを摘む(春)

    • 花茎(とう)が伸びてきたら摘む。摘まないと球に養分が回りません
    • 摘む高さの目安は、花茎が葉の先と同じくらいになったとき
    • 伸びきってから引き抜くと簡単に取れます。出てきたばかりのものを引くと葉を傷めます
    • 一斉には出ないので、何回かに分けて
    • 摘んだとうは「ニンニクの芽」として食べられる
  7. 穫る

    • 葉全体の 3 分の 1〜半分が黄色くなったら。球の底が平らになっているのが目安
    • 早すぎると貯蔵がきかず、遅すぎると球が割れます
    • 晴れが数日続いたときに掘る
    • 掘り上げて、風通しのよい日陰でしっかり乾かす

ここだけは押さえたい

1. 早く植えない
この野菜でいちばん多い失敗です。気温が 25℃以下になってから植えてください。早植えは芽が出遅れるうえ、さび病を増やします。

2. 1 片 10〜15g の大きいものを使う
小さい片からは小さい球しかできません。7g 以下は使わないでください。買った球の外側の大きい片を使い、中心の小さい片は食べてしまうのがおすすめです。

3. とがったほうを上に
逆さに植えると芽が曲がって出てきて、球の形が悪くなります。

4. 芽かきはハサミを使わない
切るだけでは、また同じところから芽が出ます。株元を押さえて引き裂くように抜いてください。

5. とうは「葉の先と同じ高さ」で摘む
早すぎると球が小さくなったり、割れたりします。伸びきってからのほうがきれいに抜けます。

6. 穫りどきは「葉の 3 分の 1〜半分が黄色」
早すぎると貯蔵がききません。遅すぎると球が割れます。葉が倒れるのを待つ野菜ではないので、そこは見ないでください。

7. 乾かしてから保存する
掘ったらすぐ食べられますが、保存するなら風通しのよい日陰で十分に乾かしてください。生乾きだと貯蔵中に腐ります。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

ニンニクで無農薬が苦しいのは、病気が出る前にしか手を打てないことです。

  • さび病 — 植えどきを遅らせる、まわりのネギ類を減らす、マルチを控える。打てるのはこの 3 つで、いずれも出る前の話です。出てしまってからの手だては見つかっていません
  • 春腐病 — 冬の終わりから春先にかけての予防が大事で、症状が出てからでは抑えられないとされています
  • イモグサレセンチュウ — 出た畑ではニンニクを作らないのが原則です。収穫後に熱処理をしても種球からは除けません。傷んだ球を種に使わないのが、家庭菜園でできる唯一の手になります

種を買う

ニンニク の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

コンパニオンプランツ

ニンニク と一緒に植えると育ちが良くなる野菜・避けるべき野菜の一般的な相性。

相性の良い野菜

相性の悪い野菜

出やすい病害虫

ニンニクで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

病気

風通しと水はけで出方が変わります

病害虫の一覧を見る

よくある質問

スーパーで買ったニンニクを植えてもいいですか?

やめたほうが無難です。食用として売られているものは、発芽しにくい処理がされていることがあります。また、病気を持ち込む心配もあります。園芸店や種苗店で「種球」として売られているものを使ってください。

芽が 2 本出てしまいました。

草丈 10〜15cm のころに、弱いほうを根元から引き抜いてください。残すほうの株元を手で押さえて、引き裂くように抜きます。ハサミで切るだけでは、また同じところから芽が出ます。 2 本のままでも形がいびつになるだけなので、残す株を傷めそうなら無理にやらなくて構いません。

とうは摘んだほうがいいですか?

摘んでください。摘まないと、球に行くはずの養分が花に回ります。目安は、花茎が葉の先と同じくらいの高さになったとき。早すぎると球が小さくなったり割れたりします。伸びきってから引き抜くときれいに取れます。摘んだとうは「ニンニクの芽」として食べられます。

球が大きくなりませんでした。

いちばん多いのは、追肥を入れていないことです。半年以上かける野菜なので、元肥だけでは持ちません。草丈 30cm のころと、球がふくらみ始める前の 2 回入れてください。あとは、小さい片を植えた場合も球は小さくなります。1 片 10〜15g のものを選んでください。

いつ掘り上げればいいですか?

葉全体の 3 分の 1〜半分が黄色くなったころです。球の底が平らになっていれば頃合いです。早すぎると貯蔵がきかず、遅すぎると球が割れます。葉が倒れるのを待つ野菜ではないので、そこは見ないでください。晴れが数日続いたときに掘ると、乾かすのが楽です。

保存はどうすればいいですか?

掘ったら風通しのよい日陰でしっかり乾かしてください。生乾きのまま置くと、貯蔵中に腐ります。乾いたら、茎を少し残して切り、ネットなどに入れて風の通る涼しいところに吊るします。