FRUIT · バラ科

イチゴ

Strawberry

バラ科。一度植えると何年も生きる草(多年草)です。

まず、作り方が 2 通りに分かれます。苗のラベルを見て選んでください。

  • 一季成り性 … 秋に植えて冬を越させ、春に穫る。実が春に集中します。初めてならこちら
  • 四季成り性 … 春に植えて、夏から秋まで少しずつ穫る。冬の寒さに当てる話は当てはまりません

このページは一季成り性を本線に書いています。 四季成り性は作る時期も管理も別物なので、同じようにはいきません。

一季成り性は、畑にいる期間が半年以上と、家庭菜園の野菜のなかではかなり長いほうです。

そのうえで、いちばん大事なのは 植えるときの 2 つです。

ひとつは クラウンを埋めないこと。クラウンは葉の付け根のふくらんだ部分で、ここから新しい芽が出ます。土に埋めてしまうと芽が出ず、腐ります。深植えは、この野菜でいちばん多い失敗です。

もうひとつは 向き。イチゴは親株とは反対側に実をつけます。苗にはランナー(親株から伸びてきた、ひものような茎)の切り跡が残っているので、その側を畝の内側に向けて植えると、実が通路側に出てきて穫りやすくなります。

難易度
旬 春
イチゴ(バラ科) — イメージ

写真はイメージです(生成画像)。Sofarm の圃場写真は準備中です。

栽培のめやす

生育適温
17〜20℃
土壌 pH
5.5〜6.5
株間・条間
30cm
畝幅・畝間
60cm
連作の間隔
2〜3 年
植えつけの目安

葉の大小・多少ではなく、苗の中心部(クラウン)が大きくしっかりしている苗を選ぶ

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
四季成り
▼ ▼
一季成り
▼ ▼
秋定植
▼ ▼
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 苗を選ぶ

    • クラウン(葉の付け根のふくらみ)が大きくしっかりしたものを選ぶ
    • 葉の数や大きさでは選びません
    • 一季成り性か四季成り性かを、ラベルで確かめる。 このページの流れは一季成り性のものです
  2. 土をつくる

    • イチゴを 2〜3 年作っていない場所を選ぶ
    • 植えつけの 2 週間前までに、完熟堆肥 2kg・石灰 100g・有機質肥料 100g を 1㎡ あたり入れる
    • 直前に入れない。 肥料が根に触れると傷みやすい野菜です
    • 幅 60cm の畝を立てる
  3. 植える(この野菜の山場)

    クラウンを埋めない。ランナーの跡を畝の内側へ

    イチゴは植えるときのこの 2 つで、その年の成否がほぼ決まります。どちらも土をかけたあとでは直せません。

    1. 深さ
    葉の付け根のふくらみが「クラウン」です。ここから新しい芽が出るので、土に埋めてはいけません。
    クラウンは土の上
    葉の付け根のふくらみが土の上に出ていれば、ここから新しい芽が出ます。
    埋めると芽が出ない
    クラウンを埋めると芽が出ず、そのまま腐ります。この野菜でいちばん多い失敗です。
    埋めると芽が出ず、そのまま腐ります。この野菜でいちばん多い失敗です。
    2. 向き
    畝を真上から見たところです。苗には、親株とつながっていたひも(ランナー)の切り跡が残っています。
    ランナーの切り跡を畝の内側へ。実は通路側に出る
    畝を真上から見たところです。イチゴは親株と反対側に実をつけるので、切り跡を内側に向けると実が通路側に並びます。
    イチゴは親株と反対側に実をつけます。切り跡を内側に向けておくと、実が通路側に並んで、立ったまま穫れます。
    植える前に
    ・苗はクラウンが大きくしっかりしたものを選ぶ。葉の数では選ばない
    ・元肥は植えつけの 2 週間前までに。直前に入れると根が肥料やけします
    ・株間 30cm、畝幅 60cm
    ・マルチは春、新芽が動き出してから。秋に敷くと寒さに当たらず花芽が進みません
    • 残暑が引いてから植える。 植えたあと半月ほど涼しさが続く見込みになってからです。植えた直後に暑さが戻ると花芽の進みが止まり、その年の実が減ります
    • クラウンを土に埋めない
    • ランナーの切り跡を畝の内側に向ける。 実は反対側につきます
    • 幅 60cm の畝に 2 列、株間 30cm
    • 植えたらたっぷり水をやる
  4. 冬を越させる

    • 寒さに当てます。 マルチはまだ敷きません
    • 花芽は秋のうちにできていて、冬は株が眠る時期です。しっかり寒さに当てないと眠りから覚めず、春の動き出しが遅れます
    • 枯れた下葉は取り除いて、株元の風通しをよくする
  5. 追肥する

    • 植えつけの 1 か月後に 1 回
    • 春、新芽が動き出すころにもう 1 回
    • 1㎡ あたり 100g
  6. マルチを敷く

    • 新芽が伸び始めてから、黒いマルチを敷く
    • 泥はねが止まり、実が土につかなくなります
    • わらを敷いてもかまいません
  7. 人工授粉する

    • 花が咲いたら、筆で花の中心をなでる
    • 花粉が雌しべに均一につくようにします
    • しないと、実の形がいびつになります
  8. 下葉をかく・花がらを取る

    • 咲き終わってしおれた花びらを残さない。 灰色かび病はそこから入ります
    • 枯れた葉、古い葉も取り除く
    • 晴れた日の午前中に手を入れて、取ったものは袋に入れてから畑の外へ出す
    • 株元に風が通ると、灰色かび病が出にくくなります
  9. 余分なランナーを切る

    • 収穫が終わるまでに出てきたランナーは、見つけしだい切る
    • 残しておくと、実の太りに回る分が取られます
  10. 穫る

    • 花が咲いてから 30〜40 日
    • ヘタのきわまで赤くなったら
    • 朝のうちに穫ったほうが、傷みにくくなります
  11. 苗を取る(次の年のために)

    • 収穫を終えてから出たランナーだけを残す
    • 土を入れたポットを子株の下に置き、針金などで留めて根づかせる
    • 使うのは 2 番目・3 番目の子株
    • 根がポットの底まで回ったら切り離す。親株に近い側を 3cm、先へ伸びる側を 5cm ほど残して切る
    • 親株は 2〜3 年で更新する

ここだけは押さえたい

1. クラウンを埋めない
葉の付け根のふくらんだ部分がクラウンで、ここから新しい芽が出ます。埋めると芽が出ず、腐ります。この野菜でいちばん多い失敗です。

2. ランナーの跡を内側に向けて植える
イチゴは親株と反対側に実をつけます。切り跡を畝の内側に向けると、実が通路側に出て穫りやすくなります。

3. 残暑が引いてから植える
植えた直後に暑さが戻ると、花芽の進みが止まって、その年の実が減ります。半月ほど涼しさが続く見込みになってからにしてください。

4. 元肥は 2 週間前までに
肥料が根に触れると傷みやすい野菜です。植える直前に入れないでください。

5. 冬は寒さに当てる
花芽は秋のうちにできていて、冬は株が眠る時期です。しっかり寒さに当てないと眠りから覚めません。マルチは春、新芽が動き出してからです。

6. 筆で授粉する
花の中心を筆でなでてください。しないと実の形がいびつになります。

7. 咲き終わった花を取る
灰色かび病は、しおれた花びらから入ります。下葉かきと合わせて、この野菜では最大の予防です。

8. 収穫中のランナーは切る
残しておくと、実が太りません。苗にするのは、収穫を終えてから出たものだけです。

9. 親株は 2〜3 年で更新する
収穫量は 1〜2 年目が多く、3 年目から減ります。同じ場所で続けるのも 2〜3 年まで。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • うどんこ病・灰色かび病 — どちらも 20℃ 前後でよく出ます。これは花が咲いて実が太る時期の気温そのものです。つまり、いちばん大事な時期に、いちばん出やすい。咲き終わった花を取り、古い葉をかいて風を通し、水はけをよくし、病気の出た花や実は見つけしだい畑の外に出す。できるのはここまでで、抑えきれない場面があります(→うどんこ病 灰色かび病)
  • ハダニ — 苗を育てている夏のあいだがいちばん増える時期です。畑のイチゴでは、春に乾いた日が続くときに出ます。卵から 10 日ほどで次の世代になるので、気づいたときには手遅れになりがちです。葉裏に水をかけ、古い葉を切る。ハダニを食べる虫(市販の天敵)を放す方法もありますが、効くまで 2 か月ほどかかります(→ハダニ類)
  • 炭疽病・萎黄病 — 苗を育てている夏のあいだに入ります。出てから無農薬で治す手はありません。できるのは予防までです。 健全な苗を用意する、親株を 2〜3 年で更新する、2〜3 年あける、雨に当てず泥をはねさせない
  • アブラムシ — 株元の下草を、地面が見えるほど刈り込まないでください。アブラムシやハダニを食べる虫が住めなくなります(→アブラムシ類)

種を買う

イチゴ の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

出やすい病害虫

イチゴで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

病害虫の一覧を見る

よくある質問

一季成りと四季成り、どちらを選べばいいですか?

初めてなら一季成り性です。苗のラベルに書いてあります。

  • 一季成り性 … 秋に植えて冬を越させ、春に集中して穫る。このページの流れはこちらです
  • 四季成り性 … 春に植えて、夏から秋まで少しずつ穫る。冬の寒さに当てる話は当てはまりません

作る時期も管理も別物なので、ラベルを見てから手順を決めてください。

苗が腐りました。芽が出てきません。

クラウンを埋めてしまった可能性が高いです。この野菜でいちばん多い失敗です。

クラウンは葉の付け根のふくらんだ部分で、ここから新しい芽が出ます。土に埋めると芽が出ず、そのまま腐ります。

植えるときは、クラウンが土の上に出ている状態にしてください。浅植えです。

どの向きに植えるのですか?

ランナー(親株から伸びてきた、ひものような茎)の切り跡を、畝の内側に向けて植えてください。

イチゴは親株とは反対側に実をつけます。切り跡を内側に向けておくと、実が通路側に並んで、立ったまま穫れます。

幅 60cm の畝に 2 列、株間 30cm が目安です。

実の形がいびつになります。

受粉がうまくいっていません。花が咲いたら、筆で花の中心をなでてください。 花粉が雌しべに均一につきます。

気温 15〜25℃ のときに行うのが確実です。

実が小さいです。甘くありません。

考えられるのは 2 つです。

ひとつはランナー。 収穫が終わるまでに出てきたランナーは、見つけしだい切ってください。残しておくと、実の太りに回る分が取られます。苗にするのは、収穫を終えてから出たものだけです。

もうひとつは植えた時期。 残暑が残るうちに植えて、そのあと暑さが戻ると、花芽の進みが止まってその年の実が減ります。半月ほど涼しさが続く見込みになってから植えてください。

マルチはいつ敷くのですか?

春、新芽が伸び始めてからです。秋の植えつけ時には敷きません。

花芽は秋のうちにできていて、冬は株が眠る時期です。しっかり寒さに当てないと眠りから覚めず、春の動き出しが遅れます。

春に敷くのは、泥はねを止めて実が土につかないようにするためです。黒いマルチでも、わらでもかまいません。

実が灰色のカビで覆われました。

灰色かび病です。咲き終わってしおれた花びらから入ります。

この野菜では、花がらを取ることが最大の予防です。下葉かきと合わせて、晴れた日の午前中に手を入れて、取ったものは袋に入れてから畑の外へ出してください。

発病適温が 20℃ 前後で、ちょうど花が咲いて実が太る時期の気温と重なります。つまり、いちばん大事な時期に、いちばん出やすい病気です。無農薬では抑えきれない場面もあります。

葉が白い粉をふいたようになりました。

うどんこ病です。これも 20℃ 前後でよく出ます。

古い葉をかいて風を通し、水はけをよくしてください。出た葉は畑の外へ。灰色かび病と同じで、無農薬では抑えきれない場面があります。

来年の苗はどう作るのですか?

収穫を終えてから出たランナーだけを残します。

土を入れたポットを子株の下に置き、針金などで留めて根づかせます。使うのは親株から 2 番目・3 番目にできた子株です。親株のすぐ隣にできたものは、根の出が悪く、病気を持ち込みやすいので避けます。

根がポットの底まで回ったら切り離します。このとき、親株に近い側を 3cm、先へ伸びる側を 5cm ほど残して切ってください。親株側の跡が、植えるときの向きの目印になります。

親株は 2〜3 年で更新します。収穫量は 1〜2 年目が多く、3 年目から減ります。

食べている部分は果実ですか?

違います。花の付け根(花托)がふくらんだもので、表面の粒々のほうが本当の果実です。赤い色はアントシアニンによるものです。

プランターで作れますか?

できます。クラウンを埋めないことと、向きは畑と同じです。

ただし畑より乾きやすいので、水切れに注意してください。冬も外に置いて、しっかり寒さに当てます。