BEAN · マメ科

エダマメ

Edamame

マメ科。大豆を若いうちに穫ったものです。植物としては大豆と同じで、熟す前に穫るかどうかの違いだけです。

この野菜でいちばん知っておきたいのは、自分で窒素を作れること。根に根粒菌という菌が住みついていて、空気中の窒素(葉を茂らせる肥料分)を取り込んで株に渡します。吸う窒素の 3〜5 割をここから得ています。

だから窒素は、ほかの野菜より少なめにします。多いと根粒菌がさぼって、葉ばかり茂ってさやがつかない「つるぼけ」になります。ただしゼロにするのも逆効果で、はじめに窒素が少なすぎると根粒菌そのものが付きません。少なめに入れて、実を太らせるリン酸をしっかりきかせる。これがこの野菜の肥料の組み方です。

もうひとつ、穫りどきが驚くほど短い。数日で味が変わります。「もう少し太らせよう」と待つと、豆が硬くなって甘みが抜けます。穫ったその日にゆでられるのが、家庭菜園で作るいちばんの理由です。

難易度
旬 夏
エダマメ(マメ科)

栽培のめやす

発芽適温
25〜30℃
発芽日数
4〜6日
生育適温
20〜25℃
土壌 pH
6〜6.5
株間・条間
20〜30cm
畝幅・畝間
100cm
畝の高さ
15cm
まき深さ
1〜2cm
連作の間隔
2〜3 年

エンドウ・ソラマメは 4〜5 年、ラッカセイは 3〜4 年あける

植えつけの目安

本葉 1〜2 枚。大きくしすぎると根が回って活着が遅れる

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
早生系統
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 土をつくる

    • まく 2 週間以上前に石灰を入れて、酸性を直す
    • 窒素は控えめに、リン酸とカリを多めに。 ただしゼロにはしない
    • 深く耕して、幅 1m・高さ 15cm の畝を立てる
    • マメ科を 2〜3 年作っていない場所を選ぶ
  2. まく

    へそを下に向けて、3〜4 粒ずつまく

    種の黒い筋が「へそ」です。ここから根が出ます。向きをそろえると、芽の出かたがそろいます。

    1. へそを見つける
    種をよく見ると、片側に短い黒い筋があります。これがへそです。
    へそを下に向ける
    種の片側にある短い黒い筋がへそです。ここから根が出ます。
    2. 下に向けて置く
    土を 1〜2cm かぶせます。種の 2〜3 倍が目安です。
    1 か所に 3〜4 粒。土は 1〜2cm
    向きをそろえて置くと、芽の出かたがそろいます。かぶせる土は種の 2〜3 倍が目安です。
    まく前に確かめること
    ・地温 25〜30℃になってから。10℃ 以下ではほとんど芽が出ません
    ・芽が出るまでに時間がかかると、そのあいだに種が腐ります。春先は焦らない
    ・まいた種と出たばかりの芽は、鳥に狙われます。不織布は発芽までかけたまま
    ・間引きはハサミで根元を切る。抜くと残す株の根が切れます
    • まく前日に、畑へたっぷり水をやっておく
    • 1 か所に 3〜4 粒、深さ 1〜2cm
    • へそ(種の黒い筋)を下に向ける
    • まいた日から数日は水をやらない。 吸いすぎると、芽が出る前に種が腐ります
    • 地温 25〜30℃ を確認してから(地温計を土に 5cm ほど差して測る)。寒いうちにまくと芽が出ません
    • まいたら防虫ネットをかけ、初生葉が開くまで外さない。 まいた種も出たばかりの芽も、鳥に狙われます
  3. ポットで育てる場合

    • ポットに 3〜4 粒まいて、同じように保温する
    • 本葉 1〜2 枚で植える。 育ちが早いので、遅らせると根づきが悪くなります
  4. 間引く

    • 初生葉が開いたころから、本葉 2 枚までに
    • 1 か所 1〜2 本に
    • ハサミで根元を切る。 抜くと残す株の根が傷みます
  5. 土を寄せる

    • 2 回。 間引いたあとに 1 回、草丈 30cm ごろにもう 1 回
    • 花が咲き始めるまでに終わらせる。 咲いてから根を動かすと、花が落ちます
    • 倒れにくくなり、根も増えます。中耕と草取りを兼ねられます
  6. 摘心する(晩生の品種・よく茂る畑だけ)

    • 本葉 5〜6 枚で先を摘む
    • 草丈が低くなって倒れにくくなり、わき芽にもさやがつきます
    • 早生〜中生の品種では効果が薄いので、やらなくてかまいません
  7. 水を切らさない(花が咲いてから)

    • 根が浅いので、夏に乾くと実入りが悪くなります
    • 花が咲いてから、さやがふくらむまでが山場
    • わらを敷いて、土の乾きをゆるめる
  8. 葉が黄ばんだら足す

    • 追肥は原則しません。根粒菌が窒素を作るからです
    • ただし花が咲いてから実が入るまでに肥料が切れると、花や若いさやが落ちます
    • 葉が黄ばんできたときだけ、株元に少し足してください
  9. 穫る

    • さやを押してみて、豆の形がはっきり分かり、ぷっくりしてきたら
    • 穫りどきは数日しかありません。 待つと豆が硬くなって甘みが抜けます
    • 株ごと抜いて、その日のうちにゆでるのがいちばんです

ここだけは押さえたい

1. 窒素は少なめに。でもゼロにしない
エダマメは根の根粒菌が窒素を作ります。元肥に窒素が多いと根粒菌が働かず、葉ばかり茂ってさやがつきません。かといって入れなさすぎると、根粒菌そのものが付きません。ほかの野菜より控えめ、が答えです。

2. 地温 25〜30℃ を待ってからまく
10℃ 以下ではほとんど発芽しません。発芽に時間がかかると、そのあいだに種が腐ります。春先は焦らないでください。

3. まいた日から数日は水をやらない
前日にたっぷりやっておいて、まいてからは我慢します。種が水を吸いすぎると腐ります。発芽しない原因でいちばん多いのがこれです。

4. へそを下に向けてまく
種の黒い筋の部分です。ここから根が出ます。

5. 初生葉が開くまでネットを外さない
まいた種と出たばかりの芽を、鳥に狙われます。芽が出た時点で外すと間に合いません。

6. 間引きはハサミで
抜くと残す株の根が傷みます。根元を切ってください。

7. 土寄せは花が咲くまでに終える
2 回。間引いたあとと、草丈 30cm ごろ。咲いてから根を動かすと花が落ちます。

8. 花が咲いたら水を切らさない
根が浅い野菜です。夏の乾燥で実入りが悪くなります。わらを敷いてください。

9. 穫りどきは数日
さやを押して豆の形がはっきりしたら、その数日が勝負です。待つと硬くなって甘みが抜けます。穫ったその日にゆでてください。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • カメムシ — さやの汁を吸って、実が入らなくなります。防虫ネットで覆うのが基本ですが、背が高くなると続けられません。朝のうちに捕るのが現実的です
  • ハスモンヨトウ(ガの幼虫) — 若いうちは葉の裏に集団でいるので、その葉ごと取れば済みます。散らばると手に負えません(→ヨトウムシ類)
  • 鳥 — まいた種と出たばかりの芽を狙います。防虫ネットを初生葉が開くまでかけておく。畑のまわりにテグスや防鳥テープを張る手もあります
  • 茎疫病・紫斑病 — 打てるのは予防だけです。畝を高くして水を抜き、2〜3 年あけ、梅雨明けにわらを敷いて泥はねを止め、窒素で茂らせすぎない。出てからは無農薬で止める手がありません
  • マメシンクイガ — 幼虫が土の中で冬を越すので、同じ場所で続けると年々増えます。輪作がそのまま対策になります

種を買う

エダマメ の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

出やすい病害虫

エダマメで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

虫

見つけたら早いほど楽です

ほかに 1 件の報告があります。

病気

風通しと水はけで出方が変わります
茎疫病
紫斑病

生理障害

虫でも病気でもなく、環境が原因で起きるもの
発芽不良(過湿による膨潤障害)
落花・落莢・着莢不良

病害虫の一覧を見る

よくある質問

いつ穫ればいいですか?

さやを押してみて、豆の形がはっきり分かり、ぷっくりしてきたら。 穫りどきは数日しかありません。

「もう少し太らせよう」と待つと、豆が硬くなって甘みが抜けます。迷ったら早いほうを選んでください。株ごと抜いて、その日のうちにゆでるのがいちばんおいしい食べ方です。

芽が出ませんでした。

よくある原因は 3 つです。

ひとつめは地温。 25〜30℃ になってからまいてください。10℃ 以下ではほとんど芽が出ません。地温計を土に 5cm ほど差して測ります。

ふたつめは水のやりすぎ。 まく前日にたっぷり水をやっておいて、まいた日から数日は水をやらない。種が水を吸いすぎると、芽が出る前に腐ります。

みっつめは鳥。 まいた種も、出たばかりの芽も狙われます。まいたら防虫ネットをかけて、初生葉(双葉の次に出る葉)が開くまで外さないでください。

葉ばかり茂って、さやがつきません。

窒素のやりすぎです。

エダマメは根に住む根粒菌が窒素を作るので、肥料で足しすぎると根粒菌が働かなくなり、葉ばかり茂ります。ほかの野菜と同じ感覚で元肥を入れると、これが起きます。

ただしゼロにするのも逆効果で、はじめに窒素が少なすぎると根粒菌そのものが付きません。ほかの野菜より控えめに、が答えです。

種の向きはありますか?

あります。種の黒い筋(へそ)を下に向けてまいてください。ここから根が出ます。向きをそろえると、芽の出かたもそろいます。

間引きは何本残しますか?

1 か所 1〜2 本です。初生葉が開いたころから、本葉 2 枚までに済ませます。

抜かずに、ハサミで根元を切ってください。 抜くと残す株の根が傷みます。

追肥はいらないのですか?

原則いりません。根粒菌が窒素を作るからです。

ただし花が咲いてから実が入るまでに肥料が切れると、花や若いさやが落ちます。葉が黄ばんできたときだけ、株元に少し足してください。

さやが入っていません。実が小さいです。

花が咲いてからの水不足が多い原因です。根が浅いので、夏に乾くと実が入りません。わらを敷いて、土の乾きをゆるめてください。

カメムシに汁を吸われている場合もあります。さやに針で刺したような跡がないか見てください。

プランターで作れますか?

できます。深さ 30cm 以上あれば大丈夫です。

ただし土寄せができないぶん倒れやすいので、支柱を 1 本添えてください。水も畑より早く切れます。花が咲いてからは、とくに切らさないように。