LEAF · ヒガンバナ科

長ネギ

Welsh Onion

ヒガンバナ科。ネギには、白い部分を長く育てる「根深ネギ(長ネギ)」と、緑の葉を食べる「葉ネギ」があります。このページは根深ネギの作り方です。

この野菜のいちばんの特徴は、白い部分が土寄せでできることです。ネギの白いところは、品種でそうなっているのではありません。土をかぶせて日を当てないようにした部分が白くなります。つまり土寄せそのものが収穫物を作る作業で、ここを省くと緑のネギにしかなりません。

だから手順も長くなります。別の場所で苗を育て、深い溝を掘って植え、3〜4 週間おきに追肥と土寄せを 4 回。ほかの野菜とは、かかる手間の種類が違います。

土で気をつけるのは水はけです。暑さにも寒さにも乾燥にも強いのに、過湿にだけは極端に弱いという性格です。根が酸素を欲しがるためで、水のたまる畑では育ちません。そのうえ土寄せで何度も土を取るので、土の深い畑(深くまで耕せて、水がたまらない畑)が要ります。

pH はあまり選びません。5.7〜7.4 で育ちます。

難易度
旬 秋冬
長ネギ(ヒガンバナ科) — イメージ

写真はイメージです(生成画像)。Sofarm の圃場写真は準備中です。

栽培のめやす

発芽適温
15〜25℃
生育適温
15〜20℃
土壌 pH
5.7〜7.4
株間・条間
5cm
畝幅・畝間
90cm
まき深さ
1cm
連作の間隔
1 年
植えつけの目安

太さ 1cm・長さ 40cm。鉛筆より少し太いくらい

種苗会社や公的機関の資料にある数値をまとめたものです。品種や地域で前後します。

いつ植えて、いつ収穫する?

作型
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
春まき
まきどき
▼▼ 植えつけ期
育成(推定)
収穫期

線は旬(上旬・中旬・下旬)単位です。線にカーソルを置くと、資料の期間表記・区分名・出典が出ます。 「育成」は定植から収穫までの間を埋めた推定で、資料に書かれた値ではありません。

育て方

上から順に進めれば育てられます。時期は地域で変わるので、育成カレンダーで確かめてください。

  1. 苗を育てる(畑とは別の場所で)

    • 深さ 1cm のまき溝に、1cm 間隔で条まき。溝と溝は 10cm あける(深くしすぎない)
    • 土をかぶせたらたっぷり水をやり、新聞紙などをかけておく
    • 水は、種が流れないようジョウロでていねいに
    • 乾かさない。ただし水のやりすぎもだめです。 ネギの種は、乾燥より水が多すぎるほうに弱いので、表面が乾いたら足すくらいに
    • 本葉 3〜4 枚までに 2〜3 回間引いて、株間 2〜3cm に
    • 生育がゆっくりなので、草に負けます。こまめに草を取る
    • 苗が伸びすぎて倒れそうなら、葉先をハサミで切りそろえる。太くしっかりした苗になります
    • 45〜50 日で植えどき
  2. 土をつくる

    • 水はけのよい、土の深い畑を選ぶ。 水のたまる畑では育ちません
    • 植えつけ 2 週間以上前に、石灰を 1㎡ あたり 100g
    • 同じころ、完熟堆肥 2kg と有機質肥料 120g を 1㎡ あたり入れて耕す
    • 幅 15cm・深さ 15cm の植え溝を掘る。南北方向が理想です
    • 溝と溝は 90cm あける。この間の土を、あとで 4 回に分けて寄せます
  3. 植える

    • 太さ 1cm・長さ 40cm(鉛筆より少し太いくらい)の苗を選ぶ
    • 太さをそろえて植える。 太い苗と細い苗を混ぜると、細いほうが負けます
    • 溝の壁に立てかけて並べる。南北の溝なら西側の壁、東西の溝なら北側の壁に
    • 株間 5cm
    • 株元に土をかける。葉の分かれ目より上は埋めない
    • その上に、切りわらや落ち葉を入れておく
  4. 追肥して土を寄せる(4 回。この野菜の山場)

    白い部分は、土寄せで作る

    ネギの白いところは品種ではありません。土をかぶせて日を当てなかった部分が白くなります。寄せた土の高さが、そのまま収穫物の長さです。

    植えた直後
    幅 15cm・深さ 15cm の溝を掘り、壁に立てかけて並べます。かけるのは株元の土だけです。
    溝の壁に立てかけて、株元に土をかけるだけ
    この時点では、白い部分はまだほとんどありません。溝の底に切りわらを敷いておきます。
    土寄せを 4 回したあと
    3〜4 週間おきに、1 回 6cm ずつ。溝が埋まり、やがて畝になります。日の当たらなくなったところが白くなります。
    土に埋めた分が白くなる。緑と白の境目が地面
    3〜4 週間おきに 6cm ずつ、4 回。寄せた土の高さが、そのまま白い部分の長さになります。
    やってはいけない
    葉の分かれ目より上まで土をかけると、葉が傷みます。一度に厚く寄せるのも、葉を傷め根を切るのでだめです。
    葉の分かれ目まで埋めると、葉が傷む
    分かれ目のすぐ下で止めます。一度に厚く寄せるのも、葉を傷め根を切るのでだめです。
    土寄せの決まりごと
    1. 3〜4 週間おきに 4 回。1 回 6cm ずつ
    2. 肥料を株元に置いてから、その上に土を寄せる
    3. 葉の分かれ目より上に土をかけない。分かれ目のすぐ下まで
    4. クワの背で軽く押さえる
    5. 真夏は土寄せをしない。根が傷む
    溝と溝を 90cm あけるのは、この 4 回ぶんの土がその間から出るからです。狭くすると土が足りなくなります。
    • 3〜4 週間おきに 4 回
    • 1㎡ あたり有機質肥料 70g を株元に置き、その上に 6cm の厚さで土を寄せる
    • 一度に厚く寄せない。 葉を傷め、根を切ります
    • 葉の分かれ目より上に土をかけない。分かれ目のすぐ下まで寄せて、クワの背で軽く押さえる
    • 真夏は土寄せをしない。 暑いさなかに寄せると根が傷みます
  5. 穫る

    • 使う大きさになったら、必要な分だけ
    • 畝の片側をクワで崩してから抜く。 そのまま引くと折れます
    • 置きすぎない。 収穫が遅れると株が分かれて、1 本に太らなくなります
  6. とう立ちしたら

    • 秋にまいた苗は、春にとう立ちして花のつぼみ(ねぎ坊主)が出ます
    • ねぎ坊主は摘み取る。 そのあと株元から新しい芽が伸びてきます
    • ネギはほかの葉物と違って、花芽ができたあとでも穫れます
    • ただし、とう立ちすると味は落ちます。春まで置く株は、肥料を切らさずしっかり土を寄せて、寒さから守ってください
    • 出たばかりのやわらかいねぎ坊主は食べられます

ここだけは押さえたい

1. 白い部分は土寄せで作る
品種ではありません。土をかぶせて日を当てなかった部分が白くなります。土寄せを省くと、緑のネギにしかなりません。

2. 水はけと土の深さで畑を選ぶ
暑さ・寒さ・乾燥には強いのに、水が多すぎる状態にだけは極端に弱い野菜です。そのうえ土寄せで土を何度も取るので、浅い畑では足りません。

3. 溝と溝は 90cm あける
狭くすると、4 回ぶんの土寄せに使う土が足りなくなります。

4. 土は、葉の分かれ目の下まで。少しずつ
分かれ目より上を埋めると葉が傷みます。3〜4 週間おきに 6cm ずつ。まとめて寄せると葉を傷め、根を切ります。

5. 真夏は土寄せをしない
暑いさなかに土を寄せると根が傷みます。

6. 種はその年のものを使う
ネギの種は、野菜のなかでもっとも寿命が短い部類です。去年の残りは芽の出がそろわず、まばらになります。

7. 苗の太さをそろえて植える
太い苗と細い苗を混ぜると、細いほうが負けてそのまま差が開きます。

8. 窒素を効かせすぎない
さび病は窒素が多いと増えます。本葉 6〜10 枚のころに肥料が効きすぎると、1 本に太らず株が分かれます。

9. 置きすぎない
収穫が遅れると株が分かれます。使う分だけ掘ってください。

農薬を使わないと、ここが難しい

うまくいかないことも先に書いておきます。知っていれば、打つ手の順番が変わります。

  • さび病 — 葉にオレンジ色の小さな斑点がたくさん出ます。ひどくなると葉全体が黄白色になって枯れます。15〜20℃ の時期と、雨が多いとき、そして窒素が多いときに増えます。24℃ を超えると出にくくなるので、春と秋が危ない時期です。打てる手は、窒素を効かせすぎないこと、水はけをよくすること、出た葉を取って畑の外に出すこと。これで止まらないこともあります(→さび病)
  • べと病 — 葉に黄白色のぼやけた大きな斑点が出て、そのうえに灰色のカビがつきます。低温で雨が続くと増えます。泥はねを止める、窒素を効かせすぎない、出た葉と株は抜いて畑の外へ、混みあったまま細かいネットを張らない。この 4 つが手です(→べと病)
  • 黒斑病 — 葉の真ん中にへこんだ淡い茶色の斑点ができ、広がって黒いすすのようなカビがつきます。そこから先の葉が枯れて垂れます。24〜27℃ で雨が多いときに増えます。無農薬でできることは Sofarm でこれから確かめます
  • ネギハモグリバエ・ネギコガ・ネギアブラムシ・タマネギバエ — ネギにつく虫です。無農薬でどう抑えるかは、Sofarm でこれから確かめます
  • 湿害(水はけが悪くて根が傷むこと) — 病気ではありませんが、この野菜でいちばん多い失敗です。根が酸素を欲しがるので、水のたまる畑では育ちません。畑を選ぶ段階で決まります

長ネギは畑にいる期間が長く、そのぶん病気に当たる機会も増えます。畑選びと窒素の加減が、そのまま結果に出る野菜です。

種を買う

長ネギ の品種ごとの紹介は準備中です。まずは品目で探せるようにしています。

出やすい病害虫

長ネギで報告が多いものです。全部が毎年出るわけではありません。 名前を押すと、見分け方と農薬を使わない対処が読めます。

虫

見つけたら早いほど楽です
ネギハモグリバエ・ネギコガ・ネギアブラムシ・タマネギバエ

病気

風通しと水はけで出方が変わります

病害虫の一覧を見る

よくある質問

芽が出ません。まばらにしか出ませんでした。

まず種の古さを疑ってください。

ネギの種は、野菜のなかでもっとも寿命が短い部類です。去年の残りを使うと、芽の出がそろわずまばらになります。その年に買った種を使ってください。

次に土のかけすぎ。まき溝は深さ 1cm まで。深くすると出ません。

そして水。ネギの種は乾燥より、水が多すぎるほうに弱い種です。乾かさないようにしつつ、やりすぎない。土をかぶせたら新聞紙などをかけて、表面が乾いたら足すくらいにしてください。

地温が 30℃ を超えても、芽が出にくくなります。

苗がひょろ長くて、倒れてしまいます。

葉先をハサミで切りそろえてください。

草丈 20〜25cm になったら、15cm くらいの高さで切ります。また 20cm まで伸びたら、もう一度。

切ると太くしっかりした苗になり、植えるときに倒れにくくなります。

どこまで土をかけていいのですか?

葉の分かれ目より上にはかけません。

ネギの葉は、ある高さから左右に分かれます。そのすぐ下までが土をかけてよい範囲です。分かれ目を埋めると葉が傷みます。

土寄せのたびに、分かれ目の位置を見てください。株が育つにつれて分かれ目も上がっていくので、かけられる高さも上がっていきます。

白い部分が短いです。緑のままでした。

土寄せの回数か量が足りていません。

ネギの白いところは品種ではありません。土をかぶせて日を当てなかった部分が白くなります。つまり、寄せた土の高さがそのまま白い部分の長さです。

3〜4 週間おきに 4 回、1 回 6cm ずつ。これで 24cm ぶんになります。

溝と溝を 90cm あけておくのは、この 4 回ぶんの土がその間から出るからです。狭く植えると、途中で土が足りなくなります。

1 本に太らず、株が分かれてしまいました。

根深ネギは本来ほとんど分かれません。分かれるのは、本葉 6〜10 枚のころにストレスがかかったか、収穫が遅れたかのどちらかです。

ストレスというのは、乾燥・肥料のやりすぎ・高温です。心当たりがあれば、次はそこを直してください。

収穫が遅れても分かれます。使う大きさになったら、必要な分だけ掘ってください。

なお、葉ネギはもともと分かれる性質です。種袋を確かめてみてください。

土寄せは、いつ何回やるのですか?

3〜4 週間おきに 4 回です。

1 回に寄せる厚さは 6cm。肥料を株元に置いてから、その上に土をかぶせます。分かれ目のすぐ下まで寄せて、クワの背で軽く押さえてください。

一度に厚く寄せないこと。 葉を傷め、根を切ります。

真夏は土寄せをしないでください。 暑いさなかに土を寄せると根が傷みます。

葉にオレンジ色の斑点が出ました。

さび病です。

ネギの仲間に出る病気で、15〜20℃ の時期と、雨が多いとき、そして窒素が多いときに増えます。24℃ を超えると出にくくなるので、春と秋が危ない時期です。

無農薬で打てる手は、窒素を効かせすぎないこと、水はけをよくすること、出た葉を取って畑の外に出すこと。これで止まらないこともあります(→さび病)。

春にねぎ坊主が出ました。もう食べられませんか?

食べられます。

ネギはほかの葉物と違って、花芽ができたあとでも収穫できます。ねぎ坊主を摘み取れば、そのあと株元から新しい芽が伸びてきます。

ただし、とう立ちすると味は落ちます。春まで置く株は、肥料を切らさずしっかり土を寄せて、寒さから守ってください。

出たばかりのやわらかいねぎ坊主は、それ自体が食べられます。

いつ掘ればいいですか?

使う大きさになったら、必要な分だけです。

畝の片側をクワで崩してから抜いてください。そのまま引くと折れます。

置きすぎると株が分かれて、1 本に太らなくなります。畑に置いたままにできる野菜ですが、ずっと置けるわけではありません。

プランターで作れますか?

白い部分を長く穫る作り方には向きません。

長ネギは土寄せで白い部分を作ります。プランターでは積める土の高さが足りないので、白いところがほとんどできません。

緑の葉を使う葉ネギや小ネギなら、深めのプランターに市販の培養土で作れます。

タマネギやニンニクのあとに作っていいですか?

同じネギの仲間なので、続けないほうがいいです。

ネギ属どうしは 1 年あけてください。タマネギ・ニンニク・ラッキョウのあとは避けて、別の科の野菜をはさみます。

どれくらいあければ十分かは、資料に年数の書かれたものがありません。Sofarm でこれから確かめます。